2012年6月5日火曜日

JOBS法案、ヘッジファンド業界のブランド水準を引き上げる


私はヘッジファンド業界を、マーケティングとPR分野における”新興市場”と呼びたいと思います。なぜなら、金融業界の全分野の中でヘッジファンド業界が、マーケティング、ブランディング、思慮のあるリーダーシップ、そしてコミュニケーション(PR)の取り入れにおいて最も遅れています。

ヘッジファンドは常に、規制によりマーケティングができないという弁明をしてきましたが、その言い訳はもはや通用しなくなりつつあります。

Jumpstart Our Business Startups (JOBS) Act(法案)は、その水準を引き上げ、全ヘッジファンド会社の会議室でブランドに関する議論を呼び起こそうとしています。JOBS法案がアグレッシブな広告活動・マーケティングを促し、それにより多くのファンドが強力なブランド力とメッセージ性を打ち出すことが見込まれます。進歩的なファンドは意義あるブランドとともにその力が引き出され、その成功が、他社に自身が何者であるか、あるいは市場での自身の役割は何なのかを考えさせるきっかけとなるでしょう。

最近私はラスベガスで開かれたSkyBridge Alternatives (SALT Conference)でJOBS 法案の司会を務めました。パネリストには弁護士、資金調達の専門家、広告の専門家も含まれていました。パネルディスカッションは午後3時10分の分科会セッションで行われ、その時間帯はこれまでは閑散としたものでした。私は会議場が人で埋まっていることにびっくりしましたーさらに驚いたのが、全パネリストがJOBS 法案が非常に画期的であると同意してくれたことです。

実際、JOBS 法案を1-10段階(10が最重要水準)で評価してしてくれるように頼んだところ、彼らは平均評価7を付けてくれたのです。

JOBS 法案の活動がどのような役割を果たすのか完全に明確ではありませんが(7月にもっと知る必要があります)、次に挙げるのはパネルディスカッションでの見解です。

1.PR活動が増加します。JOBS 法案の助力によりファンドについてジャーナリストと話せようになると公平な競争が実現します。

2.ヘッジファンドのウェブサイトが変わります。ヘッジファンドのサイトはこれまで魅力的ではなく、投資家から敬遠されてきました。ファンドマネージャーを目立たせたり人間味のある見せ方をしていなかったのです。もちろん免責情報は残りますが、もっと現代的で魅力的なウェブサイトになるでしょう。

3.広告活動がヘッジファンド相互に火をつけます。小規模なファンドはさらに積極的になるでしょう。

4.ブランドが会議室の議題に上ります。小規模から大規模まで全てのファンドが、会社のアイデンティティ、ブランドの位置付け、メッセージの発信、そしてマーケティング活動に注力するでしょう。

5.ファンドへの投資が活発になります。資金調達の専門家は、マーケティングをまだ使われていない武器とみており、またJOBS 法案がファンドの未来を明るくすると考えています。

大規模なファンド会社はJOBS 法案を却下するかもしれませんが、そうだとしたら彼らは大きな過ちを犯しています。JOBS 法案はヘッジファンド業界全体にわたりブランド水準を上げるでしょう。大きなファンドも小さなファンドもこの機会を取り入れるべきです。

Jennifer Prosek氏は、PR大手35社の一つでありニューヨーク、コネチカット、ロンドンを拠点とするCJP Communicationsのマネージング・パートナーです。CJP’s Hedge Fund Practiceは新興ファンド会社から世界的な大手ヘッジファンドまで幅広い顧客を有しています。

―CJP Communications、Jennifer Prosek





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