2012年6月27日水曜日

バーナード・マドフ事件、ヘッジファンド詐欺被害者に4億500万ドル支払いへ

バーナード・マドフの史上最大級の詐欺事件による被害者に、4億500万ドルが支払われることで合意に至ったとニューヨーク州司法長官が発表しました。

ヘッジファンドのファンドマネージャーであるエズラ・マーキン氏の顧客は4億500万ドルを受け取り、ニューヨーク州はEric Schneiderman司法長官との調停にかかった費用を補うために500万ドルを受け取ります。被害者はNew York Law School、Bard College、Harlem Children's Zone、Homes for the Homeless、Metropolitan Council on Jewish Povertyなどです。

Schneiderman氏はこの合意を“正義と説明責任の勝利”と形容しました。同氏は「多くのニューヨーク市民がマーキン氏に資金を委ねており、同氏はその資金をマドフ氏に提供する傍ら、何百万ドルもの管理費と成功報酬を受け取っていた。マーキン氏に責任を課すことによって、この合意は何百万ドルもの資金を失った投資家や機関に正義をもたらすことになる」と述べました。マーキン氏の代理人Andrew J. Levander氏は日曜、コメント要請に対し、すぐには答えませんでした。

マーキン氏は4つのファンド(Ariel Fund Ltd.、Gabriel Capital L.P.、Ascot Fund Ltd.、Ascot Partners L.P.)で何百人もの投資家の資金を管理していました。Schneiderman氏によると被害者の多くがニューヨーク在住の投資家や慈善団体ですが、ほとんどが匿名であることを希望したとのことです。

多くの投資家が損失の40%以上を取り返すことになりますが、上限は500万ドルとなっています。それ以上の損失額に対しては、賠償を求める投資家の数によって追加支払いが認められる可能性があるとのことです。検事当局は数日中に投資家に対して合意条項を発表することになっています。

マーキン氏は社会活動や慈善活動で得た人脈とその資産管理者としての名声を利用し、20年間にわたり投資家から40億ドル以上の資金を集めていました。その中には慈善団体も多く含まれます。Schneiderman氏によると、マーキン氏はマドフ氏による書類および四半期報告書の改ざんを隠蔽しました。

元ナスダック会長のマドフ氏はその名声と手腕を利用し、投資家や規制当局、ウォール街の投資銀行を欺いてきました。マーキン氏はマドフに20億ドル以上の資金を投資しており、マドフ氏は新規投資家からの資金を既存のクライアントへの収益の支払いにあてていたということです。Schneiderman氏は何百万ドルもの資産を失った投資家へのこの合意の影響は計り知れないと述べました。

9月、マンハッタンの判事は、マーキン氏が、多くの投資家がマドフ氏の謳うリターンについて疑問視するのに気付いていたという内容の供述書を原告が読み上げたといっています。

マドフ氏は2008年12月に、数十年にわたりねずみ講に似た詐欺を行っていたこと、そして投資家のために手元に置いてあると説明していた650億ドル以上の資金はおよそ200億ドルの初期投資から数億ドルにまで減少したことを認めています。同氏は詐欺の罪を認め、150年の禁固の刑を受け、現在ノースカロライナ州で服役中です。



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