2012年7月26日木曜日

ドイツ、個人投資家のヘッジファンド参加を規制へ


ドイツは伝統的に、ヘッジファンドに対する批判的な立場を誇示しています。ドイツ前副大統領がヘッジファンドを「イナゴの群れ」と呼んだことが話題となったこともあります。

そんなドイツが更にヘッジファンドの規制を強化すべく、新しい法案を発表しいました。本日発表された同法案によると、専門の機関投資家や業者ではない、一般の個人投資家がヘッジファンドに直接投資することが規制されます。唯一、ファンド・オブ・ファンズ形式のヘッジファンドへの参加は可能ですが、それでも厳しい条件が伴います。

ドイツ金融相の広報担当官は、「同法案は、個人投資家をリスクの高い投資から保護することが目的」であると発言しました。

同国のヘッジファンド関係者からは反発の声が広がっています。




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大手ヘッジファンド、BestBuy株で巨額の損失を被る


ヘッジファンドマネージャーであるDavid Einhorn氏の投資家宛ての手紙によれば、Greenlight Capital(グリーンライト・キャピタル)社は、大手家電販売店Best Buy(ベストバイ)の株式による損失を出し、2.27%を占める同株式、770万株を売却しました。Greenlight社は具体的な損失の金額を開示しませんでしたが、関係筋によればおよそ1億ドルにのぼる見込みです。

Greenlight社が同株式売却を行った理由の一つに、最高経営責任者(CEO)のブライアン・ダン(Brian Dunn)氏と、創設者のリチャード・ショルズ(Richard Schulze)氏の最近の辞任があります。ダン氏は、女性社員との交際関係を批難されると即辞任しました。調査の結果、同社員とのあいだに不適切な関係が確認され、それを認識していながらも告発しなかったショルズ氏も辞任しました。

同株式は、58セント安、または3.1%下落の、一株当たり18.10ドルで火曜日の取引を終えました。



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2012年7月25日水曜日

流動的なマネージドフューチャーズのミューチュアルファンドへの資金流入


 コーウェン・グループ(Cowen Group, Inc.)のグローバル・オールタナティブ・インベストメント事業部のラミウス(Ramius, LLC)は本日、マネージドフューチャーズを中心とした流動的な代替投資商品に関する詳細なレポートを発表しました。同レポートは、ラミウス・トレーディング・ストラテジーズ(Ramius Trading Strategies = RTS)の最高形成責任者(CEO)ウィリアム・マー氏と、投資リサーチ部門ディレクターのアレクサンダー・ルビン氏による共著です。

レポートによれば、リーマンショック以降、流動的な代替投資での運用資産額は急増し、ミューチュアルファンド型の代替投資商品に限れば、5倍に増加しています。これは、個人投資家が、日毎の流動性がある代替投資を好んでいるためだといいます。

ミューチュアルファンド型のマネージドフューチャーズに限っても、その運用資産総額は2006年の2億4,400万ドルから、2011年の75億ドルへと成長しています。

ウィリアム・マー氏は、「2008年の金融危機を受けて、より流動性が高く、透明性があり、規制されている投資商品である、オールタナティブ・インベストメントへ対する需要が、投資家の間で高まっています」と語ります。「ヨーロッパにおいては、この現象はUCITS(ユーシッツ)ファンドの大きな成長につながり、ここ米国においてはマネージドフューチャーズ・ファンドの運用資産総額が飛躍的に増加しました。モーニングスターによれば、今現在、米国にはこうしたファンドが323存在し、その運用資産総額は1,200億ドルを超えました。」



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2012年7月21日土曜日

361キャピタル、カウンタートレンド型のマネージドフューチャーズ戦略ファンド

運用会社や大口資産家に代替投資ファンドを提供する361 Capital(361キャピタル)社。同社の、361マネージドフューチャーズ戦略ファンドは、第2四半期を好調な実績で終えました。

同ファンドの特徴は、市場の相場とは相関性を持たずに、独立して推移するところにあります。したがって、『カウンター・トレンド』、つまりトレンドに反して動きます。

同ファンドは、カウンタートレンド戦略を用い、絶対的収益を目指し、第2四半期は8.15%のプラスリターンを出しました。その一方で、比較すると、モーニングスターのマネージドフューチャーズ指数の同時期のリターンは2.69%のマイナスで、S&P500のそれは2.75%のマイナスとなりました。

アメリカはデンバー所在の361キャピタルは、2011年12月に同ファンドを開設しました。同社のブライアン・カニングハム社長は、同ファンドの実績は、カウンター・トレンド戦略を用いた運用が、今のようなボラティリティの高い市場環境においていかに有益かの証左であると語ります。また同社長は、同ファンドが好調な理由の一つは、「市場は短期的には効率的ではないという理論を基としている」ためだと説明します。「つまり、同ファンドの戦略は、収益(リターン)を得るのに、安定したトレンドの存在する市場環境を必要としない」と。

この点では、同じくアメリカはヘッジファンドの巣窟であるコネチカット州のGlobal Sigma Group(グローバル・シグマ・グループ)社のCTAプログラムと類似します。同プログラムも、市場の相場とは無関係に、S&P500のオプションを頻繁に取引しながら、絶対的リターンを獲得します。同社社長のハンミン・ラオ博士は、ハーバード大学で工学博士号を取得し、マネージドフューチャーズの業界から広く注目を集めている投資顧問です。



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ヘッジファンドからマネージドフューチャーズCTAへ

Efficient Capital Management(エフェクティブ・キャピタル・マネジメント)の共同経営者ジム・コーン氏(Jim Cone)が、「マネージドフューチャーズは、実にアルファ型の投資手法で、全ての資産クラスをロングまたはショートできます」と発言しました。
コーン氏によれば、ヘッジファンドは高く評価しているが、そのリターンはベータ型であることが多く、カウンターパーティーリスクやクレジットリスク、そして流動性リスクや透明性リスクが伴います。
マネージドフューチャーズは今現在、ヘッジファンドを含む代替投資(オールタナティブ・インベストメント)の分野において運用資産総額が最も急成長している投資商品で、その総額は3,500億ドルにのぼります。
しかしながら、日本市場と日本の投資家の間では、マネージドフューチャーズに関する知識と理解が十分ではありません。否、欧州やその他各国でも、その知識はまだまだ不足していると言えます。
「私はオーストリア人だが、オーストリアやスイスでは、CTA(商品投資顧問業者)が多く存在するし、その知識も普及している。ペンションファンドなども、CTAを良く理解している。しかし、ドイツや南ヨーロッパの国々では、CTAやマネージドフューチャーズがあまりよく理解されていない。その理由の一つは、欧州の投資家が自らのポートフォリオを作ろうとはせず、ファンド・オブ・ファンズに傾倒しがちだからだ。しかし、今ではよく知られているとおり、ファンド・オブ・ファンズはその勢力を弱めており、マルチ戦略型の運用会社などに、そのビジネス形態をシフトし始めている。」と、コーン氏は語ります。
日本では近年、投資家の間でようやく『ヘッジファンド民主化』が言われるようになりましたが、欧米ではマネージドフューチャーズやCTAがより大きな注目を集めており、より大きな資産が集まってきています。



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2012年7月6日金曜日

ABS Investment Management、新興国市場ファンド開設

ABS Investment Management は新興国市場のファンドオブヘッジファンズを開設しました。

新興国に投資すること自体は同社にとって新しいものではありません。同社は37億5,000万ドルの運用資産のうち20%を新興国関連へ投資しています。今回の新ファンドの新しい点はファンドオブファンズ形式だということです。

ABS Investment Managementの共同創業者で新ファンドのファンドマネージャーの一人Guilherme Valle氏は「数年の間、幾つかの投資家から新興国市場のみに特化したファンドオブヘッジファンズを作ってほしいとの需要がありました。15年間、我々は新興国市場をつぶさに調査してきました。そして我々の世界的なネットワークを通じてファンドマネージャーを確保しました」と述べました。

その結果、世界各地の新興国に投資するの13人のファンドマネージャーがABS Investment Managementの新ファンドオブヘッジファンズに結集されました。ファンドマネージャーはそれぞれブラジル、チリ、香港、シンガポール、南アフリカ、ロシア、米国、イギリスを拠点とし運用を行います。

新ファンドは当初2,500万ドルからスタートし、11月にはさらに2,500万ドルが加わる予定です。

このファンドはケイマン諸島に籍を置いています。資産管理・保管業務はCitco Fund Services社が行います。



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韓国、ヘッジファンド産業の国内育成なるか-韓国投資業界の規制改革

韓国型のヘッジファンドとプライムブローカーが同国の金融業界の注目を浴びています。6月中旬、韓国のヘッジファンドに関する二つの会議がソウルで開催され、韓国型ヘッジファンドおよびプライムブローカーが話題の的になりました。一つは韓国ヘッジファンド会議で、韓国金融サービス委員会(FSC)、金融監督サービス、韓国資本市場協会、ニューヨークヘッジファンド円卓会議によって開催されました。もう一つは韓国投資会議で、CFA韓国とCFA Instituteによって開催されました。また韓国投資協会も両方の会議に参加しました。

韓国のヘッジファンドへの規制体制はドラマティックに変遷しました。資本市場強化法(2009年)をはじめとする自由化と投資家保護が進められ、2011年には、韓国内の投資家のオルタナティブ投資需要に対応するために、様々な変革が行われ韓国型ヘッジファンドの地固めが行われました。韓国政府は国内資本市場を強化し、世界水準への引き上げを目指しています。

韓国では近年、5000億ウォン(約43万US ドル)以上の資産を持つ個人投資家が増えるとともに、ヘッジファンドへの投資家層が拡大してきました。それにともないレバレッジ規制(300%から400%に引き上げ)やデリバティブ規制などで規制緩和が行われています。一方、報告義務はより厳しいものとなりました。四半期毎の情報開示では、投資戦略、レバレッジ、デリバティブ投資などについて詳細に記述する必要があります。
また韓国金融サービス委員会(FSC)は2011年11月、ヘッジファンドビジネスへの新規参入について、新たな規制基準を設けました。



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中国エバーブライト、ヘッジファンドビジネス開始

中国の政府系投資会社China Everbright Ltd.(チャイナ・エバーブライト)がヘッジファンドビジネスに乗り出します。

チャイナ・エバーブライト傘下のEverbright Capital Management(エバーブライト・キャピタル・マネジメント)は今週二つのファンドを開設し、さらに一つのファンドを来月に開設する予定です。今月開設する二ファンドはマルチ・ストラテジーで、来月設定するファンドはヘルスケア業界への投資に特化します。

エバーブライトはファンド開設にあたって、英RBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)出身のAli Ahmed(アリー・アーメド)氏と米Jana Partners(ジャナ・パートナーズ)出身のAdam Weinrich(アダム・ワインリッチ)氏を起用しました。Ahmed氏はRBSのグローバル株式トレーディング部門の元統括責任者、Weinrich氏はJana Partnersの元マネージングディレクターです。

Ahmed氏はアジア市場に特化した株式ロングショート、レラティブバリュー、アービトラージ、イベントドリブンの各戦略を担当します。Weinrich氏はグローバルマクロとイベントドリブン戦略を担当します。

エバーブライト・キャピタル・マネジメントのJohn Shenチーフ・インベストメント・オフィサーは「一部の投資会社はアジアの投資チャンスを確信し、この地域に来たがっている。香港や中国の潜在的な投資家は、投資を分散化しアジアの外に投資先を求めている。アジア地域の投資家は従来の投資スタイルへの依存度が高すぎるとも言える」と述べました。
エバーブライトはAhmed、Weinrich両氏に数百ドルの投資資金を拠出しました。



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2012年7月3日火曜日

ミューチュアルファンドマネージャーのスキルは間違っている?

近年アカデミックな投資論、すなわちファンドマネージャーによるアクティブな運用が、ファンドマネージャーの役割が小さい投資形態(例えばインデックス連動のパッシブ運用、あるいはタンス預金など)よりも優れているかどうかという議論が注目を浴びています。

スタンフォード大学GSBのJonathan Berk 教授と Jules Van Binsbergen教授によるミューチュアルファンド論文で、この議論が扱われています。同論文はミューチュアルファンド業界スタンダードであるCRSP(シカゴ大学証券価格研究センター)データベースを使い、モーニングスターのデータベースと比較することからスタートしました。

同論文は「我々はCRSPで報告されたリターンと、モーニングスターで報告された内容を比較した。いくらか驚いたことに、リターンの比較結果は3.3%異なった」とし、ミューチュアルファンドのファンドマネージャーは、薄い余裕資金によるコントロールされたお金の運用よりも優れていることを発見しました。

平均的なファンドマネージャーは一ヶ月に14万ドル稼ぎます(y2000ドルで)。この平均値のスタンダードエラーは3万ドルで、4.57のt-statisticを示唆します。ファンド界には幅広いバリエーションがあります。トップ1%層のファンドマネージャーの中で最もスキルの低いファンドマネージャーは月に782万ドル稼ぎます。上位10%の中での最低スキルのファンドマネージャーでも平均して75万ドル稼ぎます。

ちょうど中間ののファンドマネージャーは月に平均2万ドルの損失を出し、利益を出せたのはファンドマネージャーの全体のわずか43%にすぎません。要するに、大部分のファンドは資産を崩壊させるのですが、ほとんどの資産はスキルのあるマネージャーに運用されるので、平均的にはアクティブ運用型ミューチュアルファンドは利益を上げています。

平均的な(中間ではない)ミューチュアルファンドのファンドマネージャーのスキルは一年間に2mmドルの価値があり、文中での分析によると、①スキルはいくらか長い期間を必要としており、また「棚からぼた餅」のような幸運を願うよりむしろ現実的です。また②投資家はこのスキルを認知しており、かつ基本的によりスキルの高いマネージャーに資金を注ぎ込みます。

私が良いと感じる点の一つ目は、投資スキルをパーセントではなくドルで測ることです。「投資家は同じパーセンテージのリターンへのskill pointsをより多く得ているスキルの高いマネージャーに資金を注ぎ込むことでスキルを認識する」という自己満足があるという意味での完全なworkではなく、アルファを得るための良い方法なのです。

ピーターの法則、すなわち良いファンドマネージャーは資金を集めすぎてかえってパフォーマンスの妨げになるということを認識したのは、彼らが始めてではありません。しかし私はドルで固定されたスキルを持つことと、そのスキルが社会認知されるように投資家たちに広めていくことという、ファンドマネージャーのメタファーが気に入っています。

私の好きなポイントの二つ目は、ほとんどのファンドマネージャーにとって他人のお金を運用するスキルが測定可能ではないということです。平均数百万ドルを委託するに値すると思うのなら、測定可能なスキルを磨くこと、そして市場が利益を生みそうだということを楽しみに待つかもしれません。




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ギリシア問題は米国の問題か?-ギリシア財政破綻を予測したCTAファンドマネージャー、米国を語る

シカゴのマネージドフューチャーズでCTA(商品顧問業者)Tzanetatos Capital社の創業者George Tzanetatos氏は、債務危機問題への洞察力を兼ね備えた人物です。

Tzanetatos氏は2009年5月、アテネで開催されたGreek Banking Asset Forum でギリシア経済の崩壊を予測し、同時に起こる世界的な不景気をも言い当てました。

Tzanetatos氏はギリシア出身のファンドマネージャーで、現在はシカゴでGlobal Titan CTA Programを運用しています。Global Titan CTA Programは分散型グローバルマクロ戦略マネージドフューチャーズです。Tzanetatos氏は「このギリシアに端を発する問題はギリシア国内だけにとどまらない」と言いました。同氏は“volatility clustering(ボラティリティ・クラスタリング)”という言葉の生みの親として高く評価され、またコンドラチェフの波に関するマクロ経済の長期循環についてのスピーチを行ったことがあります。

Tzanetatos氏は「西側の世界は高い生活水準が長く続き、与えられることに慣れてしまった。ギリシアの労働法では、従業員の解雇はほぼ不可能だ。ギリシアでは社会保障と官僚主義が全土を支配している。自然法というシステムを考えれば変革は必須だ。我々の頭の中には社会的セーフティネットという考えがこびりついている。我々はまるで“友人たち”が寄り付かなくなった没落貴族のようだ」と語りました。

このようにギリシアは異常性を持っていますが、問題の本質は米国のそれとさほど大きくは違いません。Tzanetatos氏は「ギリシアはレバレッジと貨幣制度を米国に学んだのだ」と言います。

ギリシアと米国の顕著な違いは、米国の起業家精神です。Tzanetatos氏「10年後、米国が原油を中東からの輸入に完全に依存しなくなっても不思議ではない。米国には新しいソリューションを生み出しパラダイムシフトを起こすDNAが備わっている。セーフティネットに過度に依存する必要はないのだ」と話しました。




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マネージドフューチャーズ運用者インタビュー-市場環境の変遷と好リターン継続の鍵

Eagle Trading Systems社の Menachem Sternberg氏(エコノミスト、トレーダー)は、グローバルな市場環境を分析し、グローバル金融市場の不安定期において同社の指針となりました。Sternberg氏は自由裁量型トレーダーで、クオンツシステム開発に携わっています。また同氏は自身のスキルと現在の投資戦略に活用しています。Sternberg氏はプリンストン大学で経済学博士号を取得し、Caxton社や Commodities Corp社など優れた運用会社でキャリアを積んだ後、現在はグローバルマクロ戦略を展開しています。我々はSternberg氏と、マーケット、経済政策、2008年の世界金融危機以降“普通化した”新たな市場環境について語りました。

-Sternbergさん、あなたのマネージドフューチャーズ歴は1970年代、Commodities Corp社での経験から始まりますよね。マネージドフューチャーズ業界は当時と比べてどう変わりましたか?また、たった今我々が直面している現在の時代はどのような特徴があると思いますか?

グローバルな市場環境そしてマネージドフューチャーズ業界は複雑に進化しました。またクオンツ戦略は、それが生まれた当時と比べて現在では格段と精巧化しています。まず市場の数や市場参加者数からして違いますし、そして当時の市場参加者の行動と比較して現在のそれは複雑かつ多様です。その理由の一つは、伝統的ポートフォリオを適切に分散化する手段として、機関投資家がクオンツ運用に熱い関心を寄せているからです。

-Sternbergさんは自由裁量トレードのご経験が豊富ですが、運用しているプログラムはシステム運用が大半ですね。どのようにトレーディングに臨み、また自由裁量型やシステム運用といった諸要素をどのようなバランスで取り入れているのですか?

ファンダメンタル、経済情勢、それらに対する市場の反応などを、常にバランスをとっています。自由裁量トレーダーとして頼るべきは自分の専門性です。自由裁量トレーダーは、たとえ本人が望んでも、多市場にわたる大量のデータを分析するなどといった広範な知識と能力は持てません。ですから彼らはより集中・特化する傾向にあります。また大半の自由裁量トレードは、市場のファンダメンタル分析に依拠します。今日では、情報の洪水と、情報が誰にでも手に入るという環境の圧力を受けています。自由裁量トレーダーはそもそも独自のプロセスと分析に基づいています。その結果必然的に、市況が変わっても対応するのは遅くなるのです。

-Sternbergさんのプログラムは10年以上も好リターンを出し続けていますよね。どうして継続的に成功し続けているのですか?

好パフォーマンスを継続させる鍵は、幅広い経験を持つことと、それを日々トレードで活かすすることです。現在の市況が明らかにしているところでは、戦略を練った上で市場に参加するということです。なぜなら、市場は周期的にフォーカスが移り変わる傾向があるからです。ここ数年、我々はリスクオン周期とリスクオフ周期の両方を経験しました。市場はニュースや政治的進展などに即座に反応します。周期的な移り変わりの時期を見極め、適切なタイミングで市場の主流から退き次の道へと向かうことが重要です。




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