2012年6月19日火曜日

米住宅市場崩壊の影響、長引く

住宅市場の崩壊は2007~2009年の不景気と、同時に起こった金融危機の一端となりました。多くの人が最近の住宅価格下落の減速を、欧州や国内経済を取り巻く不透明性からの一時的救済のように考えていますが、住宅市場は米労働市場や停滞したGDP成長率にいまだ強い悪影響を及ぼし続けているのです。

住宅は多くのアメリカの家族にとって富であり、それによって貯金が可能となっています。賃貸料所得は多くの不動産所有者の収入源であり、商業不動産は国内の労働者に宿泊設備を提供しています。

グレートリセッション(大不況)では、住宅価格の下落が集合経済にどのような影響を与えるかということを痛切に示しました。住宅価格が下がれば家庭の資産と貯金は減り、住宅担保ローンが減少することになります。圧迫された信用市場は経済活動を停滞させ、経済成長の動脈ともいえる潜在的な借り手と貸し手が余剰キャッシュに対処しなければならなくなります。

住宅価格が底に到達すれば、住宅価格がローン額を下回るアンダーウォーターと呼ばれる状態になります。こうなれば住宅保有者は住宅とそれに付随する負債を放棄し、ディストレスト・プロパティー(いわゆるフォークロージャー)と呼ばれる物件が多く出回ることになり、近隣の住宅価格まで侵食していきます。そして最終的には住宅投資の収益見通しを奪うことになるのです。



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