2012年3月31日土曜日

マネージド・フューチャーズの未来 <その2>

もう一つの考慮すべき要素は、トレンド・フォロー型の戦略とミーン・リバージョン(平均回帰性)型の戦略の違いだと、Anderson氏は語る。「どちらの戦略も収益性があるが、トレンド・フォロー型のほうが相場感のある市場ではより大きなリターンを生み出す。」

「時間枠」が、CTAを分類するもう一つの要素である。取引ごとの、建て玉(ポジション)を保持する期間のことで、これは通常、短期だと数日間のものから、長期だと数ヶ月間のものまで幅がある。Anderson氏によれば、市場の環境に応じて、それぞれの時間枠でプラスの収益をあげることができる。「歴史的に、中期的なトレンド・フォロー型戦略が最も優れた実績をあげた。しかし2009年には、同戦略は不振となり、より長期的なトレンド・フォロー型戦略がプラスの収益を出した」と、同氏は述べる。

4つ目の要素は、取引シグナルを作り出すために用いられる手法の違いだ。Anderson氏は語る。「数学や確率を駆使するCTAもいれば、経済の需要と供給をベースに分析を行うCTAもいる。ある手法は予見的な正確が強い一方、その他のものは反応的だったりする。さらには、チャートのパターンを活用したり、支持線や抵抗線のレベルを使ったり、パターン認識を使ったり、あるいは人工知能(Artificial intelligence)を駆使してトレンドを見極めるCTAもいる。こうした手法のそれぞれが、市場環境や取引している特定のマーケットの性質に応じて、それぞれのリスクとリターンや絶対収益性の特徴をもっている。」



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2012年3月30日金曜日

マネージド・フューチャーズの未来 <その1>

一資産クラスとしてのマネージド・フューチャーズは長年、その市場とは相関性のないリターンを強味として、全ての投資戦略のなかでも至高の聖杯と謳われてきた。CTA、商品投資顧問として知られるプロのマネー・マネージャーたちは、幅広い市場において、あらゆる戦略を用い縦横に売買をし、ここ約30年間にわたり活躍してきた。マネージド・フューチャーズ全体としては過去10年間にわたり好調な実績を示してきたものの、それぞれのCTAの実績を見ると、顕著な違いが現れている。

グラント・パーク・マネージド・フューチャーズ社の最高経営責任者(CEO)であるDavid Kavanagh氏によれば、その理由はマネージド・フューチャーズの世界では、それぞれのCTAが異なる投資目的、投資哲学、そして投資スタイルをもっており、それが異なるパフォーマンスとなって現れるという。

グラント・パーク社は、4つの要素に基づいてCTAを分類する。そのうちの一つは「フォーカス」で、CTAが取引を行う特定の先物や通貨市場を指す。CTAが投資する市場は、通過、燃料、株式、債券、穀物・食料、そして金属市場の全て、あるいはこれらのいずれかの組み合わせとなる。

Greg Anderson氏は、16億ドル規模のプリンストン・フューチャーズ・ストラテジー・ファンドオブファンドを運用するプリンストン・ファンド・アドバイザーズ社の投資最高責任者である。同氏いわく、「金利や通貨、株式指数などの金融商品に比重の偏ったポートフォリオは、伝統的なコモディティ(商品)市場を中心としたそれとは異なるパフォーマンスをする。」



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フェイスブックのCEO来日、野田首相と会見

来日中のFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、野田首相と会見しました。
アメリカの金融業界でも、毎日ニュースサイトや紙面を騒がしています。
同社のIPOは、秒読み段階にもかかわらず、明確な日程などが決まっておらず様々な見解・議論が交わされています。
日本のFacebookのユーザー数が、ここ6ヶ月間で2倍に急増したということで、日本市場に力を入れている同CEOは若干27才です。
今後の行方が楽しみです。






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2012年3月28日水曜日

保険リンク証券

スイスの資産運用会社、今話題の『保険リンク証券』(Insurance Linked Securities / ILS)を活用し、金融市場と相関性の無い運用を提供。(出典: http://www.opalesque.tv








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2012年3月21日水曜日

バークレイCTA指数軒並みプラス実績、2012年堅調なマネージド・フューチャーズ

バークレイヘッジ社のCTA指数である、バークレイCTA指数は2月、0.95%のプラス成長を記録した。これで同指数は今年、年初来では1.10%のプラス成長となった。
「世界的な株式と商品価格の上昇と、債券価格の下落やドル安があいまって、2月はCTAが収益を出すための多くの機会があった」と、バークレイヘッジ社の創立者兼社長であるサル・ワクスマン氏は語る。「バークレイ社のCTA指数各種は、2月と年初来ですべてプラス成長となった。」
さらにワクスマン氏いわく、「金の価格は1日で1.5%下落、日銀の市場介入は安くなっているドルに対して6%も下がった。」にもかかわらず、50の最大手CTAを対象としたバークレイ社のBTOP50指数は2月、0.48%のプラスとなった。



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2012年3月20日火曜日

億万長者の株式指数 vs. S&P 500


独立系リサーチサイトであるインサイダー・モンキー(http://www.insidermonkey.com/)が19日、400名の世界的なヘッジファンド・マネジャーや投資家の株式運用実績を追跡するインデックス(指標)を発表した。同400名のうち、約10%が億万長者で、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、ジョン・ポールソン等が名を連ねる。同インデックスの2011年末以来の成長率は16.7%で、S&P 50012.3%を上回った。




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2012年3月15日木曜日

2012年、堅調なマネージド・フューチャーズ

著名な2つのCTA(商品投資顧問業者)指数が発表された。これによると、2012年の年初来の運用実績はどちらもプラス成長を記録しており、本年のマネージド・フューチャーズ・ファンドの強気な展望を示した。ヘッジファンドの主要なベンチマークであり、代表的CTA全体の運用実績を追うバークレーヘッジCTA指標(BarclayHedge CTA Index)は、2012年初来で0.85%のプラス、また、最大規模のCTAの運用実績を観測するニューエッジCTA指数(Newedge CTA Index)は、同じく0.93%のプラスとなった。
ホライゾン・キャッシュ・マネージメント社社長のポーリン・モデスキー氏は、「2011年の市場はまちまちであったが、今年に入ってから顕著な変化が現れ、CTAとマネージド・フューチャーズの運用者にとってより適した市場環境となった」と述べる。同社は、マネージド・フューチャーズを専門に扱い、特にキャッシュバランスのリターンを最大化することを目指す、70の一任勘定口座を持つ。



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2012年3月13日火曜日

シャープレシオとは

シャープレシオについて、ご質問いただくことが多いので、簡単にご説明いたします。

シャープレシオ(Sharpe Ratio)は、特定のファンドの「リスク」と「リターン」の関係性を比率で表した数値です。よく、「ハイリスク・ハイリターン」なんて言いますよね。もし「ローリスク・ハイリターン」のファンドと、「ハイリスク・ローリターン」のファンドがあったとすれば、どちらがより魅力的ですか?もちろん前者です。ではこの『魅力』を数値化できたら、ファンドの良し悪しを比較するのに便利ですよね。実はこの数値が、シャープレシオです。そしてこの『魅力』は、「投資効率性」とも言われます。シャープレシオは、以下の計算式によって求められます。

シャープレシオ=(ファンドの平均リターン-安全資産のリターン)÷ リスク(標準偏差)

そのファンドのリターンのうち、安全資産(リスクがゼロと仮定した資産、例えば国債)によるリターンを超過した部分(超過リターン)を、リターンの変動度合い(リスク)を示す標準偏差で割ることで、取ったリスク「1」に対する超過リターンの割合が示されます。なお、ファンドの平均リターンから安全資産利子率(安全資産のリターン)を引く理由は、リスクを取らないで得られるリターンを計算式から除外するためです。








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2012年3月8日木曜日

規制当局に登録するヘッジファンドが増加中

SEC(証券取引委員会)に登録をするヘッジファンドが増えてきています。

そもそもヘッジファンドの主な特徴の一つが、不登録で規制を受けていない点なのにも関わらず、なぜこうした傾向があるのでしょうか。

以下のビデオでご覧いただけるとおり、40 Act という法律により、不登録のヘッジファンドは、募集できる投資家の数が100名(500名という特例もある)に制限されています。したがって、100名以上の投資家を募集したいヘッジファンドは、登録をしなければならいというわけです。

では、こうしたヘッジファンドは、なぜ100名以上もの投資家を募集する必要があるのでしょうか。それは、個々の投資家の投資金額が減少傾向にあるためです。つまり、ヘッジファンドを購入する投資家がより小口になってきているのです。80年代、90年代までは、ヘッジファンドといえば巨額の資産をもつ投資家たちが、プライベートに資金を募りプロのマネーマネージャーが運用する、というのが主流でした。

しかし、特に2008年のリーマンショック頃から、ヘッジファンドの需要が高まりました。リーマンショックを受けて、投資家の間で株式や債券に対する不信が増大し、株式市場や債券市場との相関性がない、いわゆるオールタナティブ・インベストメント(代替投資)への需要が高まったためだと言えます。






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2009年~2011年までに124億ドルの資金が新規ヘッジファンドへ

2009年から2011年の約3年間足らずに、スタートアップのヘッジファンドが総額で124億ドルの運用資産を集めていたことがわかりました。これは1ドル80円のレートで換算すると9,920億円相当。






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2012年のヘッジファンド

Kudu Advisors LLCのパートナーCharles Ruffel氏が、2012年のヘッジファンドの展望について、インタビューに答えます。
(出典:1月11日 Bloomberg)









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受託運用のトレンド

TD Ameritrade の社長兼CEO、Fred Tomczyk氏が、なぜより多くの投資家が資産を受託運用モデルに移行しているのかについてコメント。(出典:InvestmentNews)











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マネージド・フューチャーズ vs 株式

Altegris Investments, Inc. の社長兼CEOのJon Sundt氏がインタビューに答えます。
トピックは表題のとおりですが、マネージド・フューチャーズCTA)とETFの違いや、株式指数ベースのファンドとの非相関性などについてコメントします。
また、マネージド・フューチャーズの指数が統計的に欠陥があるのでは、との懐疑的な質問にも答えます。(出典:Bloomberg)








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2012年3月7日水曜日

ノーショナルでの運用とは?

マネージド・フューチャーズやそのファンドを運用する商品投資顧問業者(CTA)は、最小投資金額というものを設定します。これは文字通り、そのCTAで運用する場合に要求される最小の投資金額のことです。

しかし実際には、最小投資金額以下の金額で投資・運用を受け付けるケースがあり、これを「ノーショナル」での運用といいます。

この「ノーショナル」の概念を、やや強引に日本語訳すると、「想定運用資産」と言えます。

ちなみに、あえて言えば、ノーショナルの逆(対照)となる口座・概念を「ノーミナル」と言うこともできます。ただ、現実世界では、通常のサイズの口座を表現するのに、わざわざノーミナルという用語を使うことはめったにありません。


ノーショナルを一言、二言で説明すると・・・

例えば、最小投資金額が100万ドルのCTAに、50%のノーショナルで参加する場合、50万ドルのみの投資資金で、100万ドル相当の運用を行うことになります。つまり、50万ドルしかない口座を、通常の口座サイズである100万ドルと同じように取引するということです。

また、ノーショナルのパーセンテージ(%)は、必ずしも50%とは限りません。75%や80%の場合もあります。

80%の例としては、レッドリーフ・キャピタル(Redleaf Capital)というCTAが、ミニマム25,000ドルのプログラムを20,000ドルで受け付けていることが挙げられます。


つぎは、ノーショナル口座と、ノーミナル口座の違いを、パフォーマンスの観点から見てみましょう。

プラスのリターン(実績)と、マイナスのリターン、二つの口座にはどの様に違って反映されるのでしょうか?

前述の、50万ドルのノーショナルの例を使いましょう。

まず通常の口座、100万ドルのマネージド・フューチャーズ(CTA)の口座で10%のプラス収益をあげたとしましょう。100万ドルの10%は10万ドルですが、10万ドルは50万ドル(のCTA口座)に対しては20%となるので、このノーショナルで運用している投資家の観点から言えば、実際の額面で言うと20%の利益率になります。まったく同じ理屈で、10%のマイナス(損失)となった場合は、実際には20%のマイナスとなります。

このように、ノーショナルでは、投資金額にレバレッジをかけることになります。つまり、上記の例ですと、100万ドル:50万ドル=2:1のレバレッジ効果を生みます。ということは、言い換えれば、ノーショナルで運用をすると、X%のリターン(±)を出した場合、レバレッジの大きさに比例して、実質のリターン率(±)を拡大する効果があります。

リターンがプラスの場合は当然レバレッジがかけてある分利益も大きくなるわけですが、マイナスの場合も同様に損失が拡大されます。

ノーショナルでの運用は、良いとか悪いとかいう問題ではありません。

投資家当人の投資スタイルや戦略により、適当に活用されるべきです。




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マネージド・フューチャーズ:市場との相関性の無さを示す史実

マネージド・フューチャーズは全体として、1999年以来、一度もマイナス成長となった年がありません。さらに、リーマンショックのあった2008年の下半期、さまざまな資産クラスが流動性を失った(つまり、解約したり出金できない)ときでも、マネージド・フューチャーは唯一の流動性をもった資産クラスたり続けたのです。

マネージド・フューチャーズ業界でも最も注目されているファンドマネージャーの一人で、レッド・ソックス球団のオーナーでもあるJohn Henry氏のファンドは、2008年になんと91%のプラス成長を記録しました。同氏の会社の社長兼CEOであるKen Webster氏は、賢明な投資家にとって、マネージド・フューチャーズをそのポートフォリオに加えることは当然であると述べています。

ビデオをご覧ください。









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マネージド・フューチャーズの威力

あの、リーマンショックの2008年、S&P 500が38.5%のマイナスとなるなか、マネージド・フューチャーズはなんと14%のプラス実績を出しました。
急成長中のマネージド・フューチャーズ市場ですが、今後は運用資産総額の成長率も加速化する見込み大です。



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2012年3月5日月曜日

好調CTA

本日は、シカゴのAFB社のCTAをご紹介します。

同プログラム Forty Eighters II Gold は、買い持ち基調のマネージドフューチャーズで、先物とプットオプションのロングを中心に取引します。投資先商品は金で、リスクを回避しながら、金相場の上方値動きからの収益を最大化することを目指します。最小投資金額は$50,000(5万ドル)より。

過去3年間の実績は以下のとおり。

2009年=+37.41
2010年=+46.89
2011年=+55.21
2012年1月=+11.40

グラフで示すと以下のようになります。(緑=S&P500、青=同CTA)










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2012年3月3日土曜日

注目のマネージド・フューチャーズCTA



Harbor Financial LLC 社のManaged Account Programです。

こちらは、株式指数先物のオプション・スプレッドの売りを中心に運用を行います。この戦略は、市場の見通しや予測に依存することなく、株式市場全体の指数の値動きに対する相関性が極めて低いのが特徴です。

同社は、豊富な株式指数の過去の値動きのデータベースを用い、オプション・スプレッドで収益を上げるための可能性が高い位置での取引実行を決定しています。同時に、取引をさらにオプティマイズするために、時期的分析とテクニカル分析も併用しています。

投資顧問は、市場のボラティリティやその他のテクニカルな動きを随時に分析・評価しながら、ポジション取りのタイミングやそのサイズ決定の基準となる条件などを逐一調整するなど、絶対的リターン獲得を目指します。その成果は、以下の実績からご覧ください。基本情報は以下の通りです。

最小投資額: 50,000ドル
運用資産総額: 5,030,000ドル
証拠金比率: 50%
運用開始日: December 2005
運用実績:
2005 +3.14
2006 +52.68
2007 +4.42
2008 +50.04
2009 +12.57
2010 +10.13
2011 +16.37
2012 +0.50
最大下げ幅: -23.53
シャープレシオ: 1.24
管理費: 2%
成功報酬: 20%




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2012年3月1日木曜日

注目のマネージド・フューチャーズCTA




本日は、Adkins Diversified Capital, LLCのADC Diversified Options Programをご紹介します。
初めに、基本情報です。すばらしい運用実績に注目。シャープレシオの値も2.42とすばらしいです。

最小投資額:30,000ドル
資産運用総額:362,000ドル
運用開始日:2009年3月
運用実績(年率):
2009 +44.99
2010 +41.44
2011 +10.71
2012 +0.51
 
最大下げ幅:-6.12
シャープレシオ:2.42
管理費:0%
成功報酬:30%
成長率比較グラフ:(上記参照)


こちらのプログラムはオプションの売りを中心に、プレミアムで収益を上げます。コールオプションとプットオプションの両方を売り、時間にを利用します。投資先は、株価指数先物、金利先物、穀物類先物、貴金属先物、燃料類先物やコーヒー、砂糖、ココア先物などに投資します。




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