2012年6月27日水曜日

Portfolio with Purposeで株式投資の腕試し-投資コンテストで慈善活動を支援

Portfolio with Purpose(PwP)が資産運用に自信を持つ投資家たちの注目を集めています。

Portfolio with Purposeは参加者が株式投資の腕試しをしながら、お金を殖やして好きな慈善団体に寄付することができるコンテストです。同コンテストで、近日中に業界のビッグネームたちと競うことができるでしょう。

この株式投資コンテストは2011年、ニューヨークのヘッジファンドコンサルサルタントStacey Asher氏によって創始されました。

Asher氏は先日行われたインタビューで「私はこの7年間投資の世界で働き、ヘッジファンド用の資金を集めてきました。同時に、多くの業界リーダーの素晴らしい慈善事業を目にし、そして同時にどれだけ人々が投資を楽しんでいるかということに関心を持ちました。私は今まで見てきたこれらの世界を1つに合体させたのです」と語りました。

Asher氏は昨年テスト版を発表しました。テスト版開始にあたって、ウェブサイト作成のために家族や友人らに声をかけたそうです。同氏は当初30人程度を勧誘しようとしていましたが、最終的に100人以上もの参加希望者が集まったそうです。

またAsher氏は「昨年開催したのは二部門のみでした。すなわち100ドルで誰でも参加できる初心者部門と、二年以上の業界経験者を対象とするプロフェッショナル部門です」と話しました。次回はマスター部門が追加される予定であり、既にThird Point Capital社の Dan Loeb氏とOmega Advisorsの Leon Cooperman氏がエントリーしています。

今年のコンテストにはプロフェッショナル部門参加者20人(大部分がプロのファンドマネージャー)と、初心者部門80人を集まりました。初心者部門は文字通り初心者を対象としており、株式投資の経験が全くない人でも参加できます。

ルールはどの部門も同じです。まず年度の冒頭に売買する5銘柄を選び(銘柄の条件は時価総額5億ドル以上)、次に支援する慈善団体を指定します。

Asher氏は今後コンテストにトレーディング要素を入れることも検討していますが、今回のコンテストではシンプルなバリュー投資にフォーカスしています。

初心者部門は100ドル(税額控除対象)、プロフェッショナル部門は1,000ドル、マスター部門は1万ドルを出資額として支払います。それぞれの部門の資金はプールされ、一位~三位の参加者に賞が与えられます。それぞれの部門の資金の純利益は、一位獲得者に60%、二位に30%、三位に10%が配分されます。

上位者の名前と支援先慈善団体は PwP Web siteに掲載されます。現在World Vision 、Skills for Southern Sudan、Big Brothers and Big Sisters 、Wounded Warrior Project、などの慈善団体が名を連ねています。

同コンテストは6月28日、ニューヨークで公式パーティーと共にスタートします。このイベントではThe Subscriberによるパフォーマンスも行われます。The Subscriberは金融の専門家たちによる、慈善カバー・バンドです。

このコンテストは世界中の投資家が参加できます。好きな慈善団体に貢献し、また競い合い、楽しみ、投資を経験する最高のチャンスだと、Asher氏はコメントしました。



人気ブログランキングへ

インドネシア、コモディティ取引を外国投資家に開放

資源豊かなインドネシアの政府は海外投資家に対し、国のコモディティ取引の最大40%までの購入を許可する予定であることを金曜日、発表しました。これは多くの投資家をひきつける動きの一つです。サーマル・コールと精製スズの世界一の輸出国であり、パーム原油の最大産出国であるインドネシアは世界のコモディティ市場で大きな役割を果たしています。

今回の決定は現在インドネシアで運営している二つの先物取引所(ジャカルタ先物取引所(JFX)とインドネシア・コモディティ&デリバティブ取引所(ICDX))に適用されます。これらの取引所は規模が小さく、ロンドン金属取引所やブルサ・マレーシア・デリバティブ取引所など他のコモディティ取引のハブには及びませんでした。

貿易省コモディティ先物取引規制当局長官のSyahrul R. Sempurnajaya氏は「海外の投資家に対し、インドネシアのコモディティ先物取引への投資を最大で40%まで許可する」と語りました。

インドネシアでは現在のところ民間投資家によって二つの投資がなされています。世界で4番目に人口の多いインドネシアは、投資家に対し国の資源を利用するよう呼び、ますます数が増えている中流階級の消費者にサービスを提供してきました。しかし海外の鉱山労働者から多くの国家収入を得ようとする一連の政策によって今年、投資家を混乱させることになっていました。

また、ICDXとJFXはここ数ヶ月で設立され、幅広いコモディティ契約を取り扱う計画を発表していましたが、十分な流動性を引き付けることが困難でした。

今回の政府の動きによりインドネシアの先物市場に注目が集まるのではと匿名の地元アナリストは語っています。しかし取引所のボリュームが少ないため、活発な投資の実現を不安視する声もあります。同アナリストは「注目が集まるかどうかは別の問題だ。取引のボリュームが低いということを知っておかなければならない」と語りました。



人気ブログランキングへ

Index Ventures、新ビジネスに3億5,000万ドル出資

ロンドンのベンチャーキャピタル大手Index Venturesは、6度目のベンチャー投資を発表しました。

Index Venturesは3億5000万ユーロの資金をスタート段階のベンチャー企業に融資します。2002年にIndex Venturesに入社し、ロンドン支社を設立したDanny Rimer氏は「我々はスタート段階の企業にとても積極的だ。今も規模の拡大を求めるベンチャー企業を探している」と言います。

Rimer氏によると、同ベンチャーキャピタルは3分の2を欧州の企業に出資します。彼はユーロヴィジョン・ソング・コンテスト的な見方をしており、「イスラエルも含まれる」と言います。残りの3分の1は主に米国企業に出資します。

同社はロンドン、ストックホルム、ベルリン、テルアビブ、パリはイノベーションの宝庫であり、これらの地域に主に注目しているそうですが、Rimer氏はイノベーションはヨーロッパ中どこからでも生み出される可能性があるとしました。

Rimer氏が特に着目しているのは、①商業、特にファッション市場②クラウドと大量のデータ③モバイルとソーシャルサービス④金融サービスの五部門です。

また同氏はロシアとトルコにも注目しており、両国は現在初期段階にあると言います。同氏は「我々はロシアを中国やインドと同じように捉えている。アメリカの同業他社は中国とインドを拡大の機会と捉えているが、我々はロシアとトルコをそのように見ている」とコメントしました。

Index VenturesのパートナーBernard Dallé氏は逆境にある経済状況にも関わらず、この6回目の資金集めはそれほど困難ではなかったと言います。同氏は「過去12ヶ月において、我々は3回にわたり、およそ10億ドルの資金を集めた。我々のLPのパートナー達の基盤はしっかりしている。これまでのところ、我々の資金集めはすべて募集額オーバーとなっている。今回の資金集めも2、3ヶ月で完了した」と話しました。

しかしRimer氏は「2、3ヶ月で完了することもあれば15年かかることもあるだろう。しかし我々には長期にわたる経験があり、10年にもわたってLPとの関係を構築してきている」と指摘します。

欧州に関してRimer氏は「我々がこれほど欧州に注目しているわけは欧州の企業家たちが他のどの地域の企業家にも匹敵するほどの力量を持っていると考えるからだ。彼らの商品は非常にグローバルである。しかしこういったすばらしい技量を持った企業家は様々な問題に直面している。彼らの技術を会社のビジョンに据えるということは我々の大きな課題だ。ヨーロッパの企業は守りに入る傾向がある。そのため、積極的にリスクをとる我々VC(ベンチャー投資家)が必要なのだ」と語りました。

しかし文化的な問題がいまだヨーロッパの成長を妨げています。Rimer氏は「テスコやPrintempsといった企業から人材を引き抜くのは非常に難しいが、アメリカでは公正さが評価されるのでこれが比較的簡単である。もしうまくいかなかったとしてもさほど大きな問題ではなく、元の職場に戻ってくることもあれば、多国籍企業でより重要なポストにつくこともある。こういった文化はヨーロッパには存在しない」と話しました。



人気ブログランキングへ

バーナード・マドフ事件、ヘッジファンド詐欺被害者に4億500万ドル支払いへ

バーナード・マドフの史上最大級の詐欺事件による被害者に、4億500万ドルが支払われることで合意に至ったとニューヨーク州司法長官が発表しました。

ヘッジファンドのファンドマネージャーであるエズラ・マーキン氏の顧客は4億500万ドルを受け取り、ニューヨーク州はEric Schneiderman司法長官との調停にかかった費用を補うために500万ドルを受け取ります。被害者はNew York Law School、Bard College、Harlem Children's Zone、Homes for the Homeless、Metropolitan Council on Jewish Povertyなどです。

Schneiderman氏はこの合意を“正義と説明責任の勝利”と形容しました。同氏は「多くのニューヨーク市民がマーキン氏に資金を委ねており、同氏はその資金をマドフ氏に提供する傍ら、何百万ドルもの管理費と成功報酬を受け取っていた。マーキン氏に責任を課すことによって、この合意は何百万ドルもの資金を失った投資家や機関に正義をもたらすことになる」と述べました。マーキン氏の代理人Andrew J. Levander氏は日曜、コメント要請に対し、すぐには答えませんでした。

マーキン氏は4つのファンド(Ariel Fund Ltd.、Gabriel Capital L.P.、Ascot Fund Ltd.、Ascot Partners L.P.)で何百人もの投資家の資金を管理していました。Schneiderman氏によると被害者の多くがニューヨーク在住の投資家や慈善団体ですが、ほとんどが匿名であることを希望したとのことです。

多くの投資家が損失の40%以上を取り返すことになりますが、上限は500万ドルとなっています。それ以上の損失額に対しては、賠償を求める投資家の数によって追加支払いが認められる可能性があるとのことです。検事当局は数日中に投資家に対して合意条項を発表することになっています。

マーキン氏は社会活動や慈善活動で得た人脈とその資産管理者としての名声を利用し、20年間にわたり投資家から40億ドル以上の資金を集めていました。その中には慈善団体も多く含まれます。Schneiderman氏によると、マーキン氏はマドフ氏による書類および四半期報告書の改ざんを隠蔽しました。

元ナスダック会長のマドフ氏はその名声と手腕を利用し、投資家や規制当局、ウォール街の投資銀行を欺いてきました。マーキン氏はマドフに20億ドル以上の資金を投資しており、マドフ氏は新規投資家からの資金を既存のクライアントへの収益の支払いにあてていたということです。Schneiderman氏は何百万ドルもの資産を失った投資家へのこの合意の影響は計り知れないと述べました。

9月、マンハッタンの判事は、マーキン氏が、多くの投資家がマドフ氏の謳うリターンについて疑問視するのに気付いていたという内容の供述書を原告が読み上げたといっています。

マドフ氏は2008年12月に、数十年にわたりねずみ講に似た詐欺を行っていたこと、そして投資家のために手元に置いてあると説明していた650億ドル以上の資金はおよそ200億ドルの初期投資から数億ドルにまで減少したことを認めています。同氏は詐欺の罪を認め、150年の禁固の刑を受け、現在ノースカロライナ州で服役中です。



人気ブログランキングへ

オルタナティブETFでポートフォリオを分散化する

マクロ経済圧力で株式市場全体への信頼度が低下する中、オルタナティブ投資とETFは、以前に比べ少し緩やかになったとは言え、いまだ成長し続けています。

モーニングスターETFアナリストのTimothy Strauts氏によると、オルタナティブへの投資資金流入はすでに減速しました。またJerilyn Klein Bier氏はFA Magazineで、2011年オルタナティブETFへの流入資金は116億ドルでしたがこれは2006年以来最低額だったと述べました。

しかしStrauts氏は「オルタナティブETFの魅力はアウトパフォーマンスではない。低ボラティリティと一貫したリターンだ」と言います。

Strauts氏はロング/ショート株式、マネージド・フューチャーズ、マルチオルタナティブといったいくつかのETFカテゴリーの年間収益目標をおよそ6~8%と見積もっており、一方、ロング/ショートの市場中立型ETFを4~6%と見積もっています。

ETFは手数料が低く、流動性と透明性が高い投資手段です。オルタナティブETFの経費率は一般的に0.51~0.95%ですが、一方ヘッジファンドは通常2%の手数料と20%の成功報酬を取り、ミューチュアル・ファンドでは1.5~2.2%の手数料となっています。ETFの手数料が安いのは多くの場合パッシブ運用であるためです。

Saddle River Capital Management LLCのポートフォリオ管理およびトレーディング部門長Douglas Wolfe氏は「オルタナティブETFの内部を理解するのは比較的簡単だ。ETFには50~150の所有資産があるため、すぐさま分散が可能である」と言います。同氏はオルタナティブ配分の10~20%をコモディティ不動産ETFに割り当てています。

QuantSharesトレーディング部門のRichard Blockエグゼクティブ・シニアヴァイスプレジデントは、オルタナティブETFは幅広い市場への非相関性とポートフォリオのリスク軽減によって、従来の60/40株式・債券ポートフォリオに分散を供給することができるとコメントしました。




人気ブログランキングへ

ヘッジファンドのファンドマネージャー、元妻の秘密シューズコレクションをめぐり訴訟

離婚訴訟で夫婦の資産を分割するという話はよく耳にしますが、中古の靴は果たしてその資産となりえるのでしょうか?
今、某裁判で最高級のハイヒールが資産として訴えられています。ニューヨークのSHK Asset Managementの創業者で、ポーカー好きで有名なヘッジファンド・マネージャーのDaniel Shak氏は元妻Beth Shakに対し、彼女が夫に内緒で集めたデザイナー・ハイヒールのコレクションをめぐって訴訟を起こしてるとABCニュースが伝えました。

離婚後3年が経過してからの訴訟(ちなみに元妻のBethもまたワールドシリーズに出場したほどのポーカー・プレーヤー)によると、元妻は元夫と共に暮らしていた家の秘密の部屋にコレクションを隠していたといいます。一方BethはDaniel氏が彼女のマスターバスルームのクローゼットの存在を知っていたと主張しています。

彼女のコレクションには700足のクリスチャン・ルブタンを含む、1200足の靴があり、さらには彼女の“プライベートゾーン”にはルブタンのタトゥーが彫られているとABCは伝えています。

Bethは2011年のドキュメンタリーフィルム"God Save My Shoes"に、ファーギーやケリー・ローランドといったセレブ達と共に出演しています。Daniel氏によると彼女のコレクションは100万ドルの価値があり、そのうちの35%を得る権利があると主張しています。



人気ブログランキングへ

スタイル・ドリフト-あなたのヘッジファンドは大丈夫?

“スタイル・ドリフト”とは、ヘッジファンドのファンドマネージャーがあらかじめ投資家に説明した投資戦略を別の戦略に変更することを指します。この言葉はかつてプロのヘッジファンド・アナリストが用い、難解に聞こえたものですが、最近では規制当局や不満を抱く投資家がこの“ドリフト”を問題視するようになってきました。

“ドリフト”について質問されると、マネージャーは決まって、自信満々に“投資ストラテジー”の項目が記載された覚書を取り出し、ファンドは金融界で知られたいかなる証券に投資してもよいということを説明した法律用語の一覧を見せてきました。この説明文によりドリフトへの申し立てを排除することができるといいます。「我々は何に投資をしてもよいことになっているので‘ドリフト’という概念自体に意味がない」というのが従来の考え方ですが、近年の訴訟や広告規制の緩和によって、私たちはただ長々と専門用語を並べた説明を見せられるだけでは納得できなくなってきています。

近年のSEC対Rooney、Solaris  Management訴訟では、ファンドマネージャーがファンド資金を個人の利益のために乱用したとしてSECに訴えられました。これ自体は特に目新しい事件ではありませんが、詐欺行為の根拠が、マネージャーがファンドの投資家への開示なしにストラテジーを変更したという訴えに基づいているという点がこれまでと大きく異なるところです。

改定されたフォームADVともうすぐ実効となるフォームPFによってもたらされる大量のデータの分析にSECが力を入れることで、こういった訴訟がますます多くなってくると考えられます。フォームPFではファンドのストラテジーについてかなり詳細な説明が求められます(株式マーケットニュートラル、株式ロングショートなど)。

SECはリスク、ストラテジー、金融イノベーション部門を新たに設け、さらにその中に数量調査、リスク評価、インタラクティブ・データのオフィスも新設しました。スタイル・ドリフトが今後SECの規制の対象となるのであれば、こういったオフィスがその申し立てを支持するようなデータを提供することでこういった訴訟を推進することになります。

最近の投資家による訴訟もまたスタイル・ドリフトの問題に関するものが多くなってきています。2012年初頭に起こされた集団訴訟 (Schadv Harbinger Capital Partners LLC) ではメインとなる申し立てはファンドが投資家に対して説明した投資戦略からそれて運用していたことに関するものでした。

また、ヘッジファンドのマーケティング用品はより洗練され、広範囲に使われるようになってきており、特にJOBS Act(雇用創出法)の元で実行される予定の広告規制緩和という点から考えると、単に覚書を提示すればいいというものではなく、マーケティング段階で謳われた投資戦略を指摘する訴訟が増えると考えられます。例えば覚書でファンドがいかなるものにも投資できると書かれていた場合でも、募集にあたってファンドが中国にフォーカスした新興成長市場ファンドだと謳っていた場合、マネージャーがファンドのポートフォリオを大きくアイスランドに割り当てれば、スタイル・ドリフトの件で敗訴する可能性が多いにあるということです。

この分野における判例法は徐々に発展しており、今後も注目していく必要があります。また、投資家とマネージャーの双方はこの問題を理解し、互いの相対的地位を注意深く見極めていく必要があるでしょう。



人気ブログランキングへ

セガンティ、アジアヘッジファンドをソフトクローズ-6億2千万ドル・8人体制ファンドが募集制限

Segantii Capital(セガンティ・キャピタル)はアジアヘッジファンドをソフトクローズしました。香港に拠点をおく同ファンドはアジア投資にフォーカスしたヘッジファンドでは最高のパフォーマンスを上げており、2012年には、さらなる資産拡大に向け8人以上の運用体制を擁しています。

ロイター社がKurt Ersoy最高経営責任者(CEO)に確認したところでは、セガンティ・キャピタルは過去一年間の好成績で資産を6億2,000万ドルに増大させましたが、現在は新たな投資家の受け入れを断っています。このような投資家の受け入れ制限は投資業界ではソフトクローズと呼ばれます。

アジアを投資対象とするヘッジファンドの中で、運用資産5億ドル以上のファンドはわずか5%です。ヘッジファンド界において比較的小規模セクターのアジア地域では、ソフトクローズが投資会社の資金獲得力の目安と見なされるため、今回のセガンティのソフトクローズも鋭い注目を浴びています。ヘッジファンドは資産が増えすぎてリターンに悪影響を与えるのを防ぐために門戸を閉ざすのです。

セガンティ・ファンドは2007年、元HSBCアジア株式トレーディング部門長Simon Sadler氏によって設立されました。同ファンドの昨年のリターンは41%、また今年は5月末までのリターンが3.1%と、資産が急増し続けています。

Eurekahedge Asian indexでは、同業他社のリターンが 昨年は8.2%のロス、今年は今のところ1.3%のプラスであることが分かります。

セガンティはかつて2009年9月~2010年末にも外部の投資家に対する募集を停止していました。今回のソフトクローズは、セガンティが急増する運用資産に対応しチームを増強 する中で行われたものです。Ersoy氏によると、今年同ファンド運用に加わったのはFactorial Management社元幹部Lewis Fellas 氏をはじめとする8人のメンバーです。

Factorial Managementは、米ヘッジファンドDKR オアシスの Barun Agarwal氏が一月に創業しました。Fellas氏の後任には元バークレイズのIrina Heumezが起用されました。また4月、クレディスイス元幹部Kirtes Bharti氏を資金調達部門長に起用しました。5月には、元バークレイのWei Huang氏がセガンティに入社しました。

その他今年加わったメンバーは、バンクオブアメリカ元幹部Daniel Ho氏、元フロントポイント社 Kisalaya Singh氏、みずほ証券元幹部Maximillian von Etzdorf氏です。他には、元大和キャピタル・マーケッツKong Yu氏、カリバーン・キャピタルパートナーズ元シニアアナリストMartin Goulet氏がセガンティに参画しています。



人気ブログランキングへ

2012年6月26日火曜日

ヘッジファンド業界、収益機会を求め“異端”戦略へ関心を寄せる

通常のヘッジファンド投資による損失に飽きた投資家が、“異端派の”オルタナティブ投資に注目しています。

今週モナコで行われたGAIMヘッジファンド会議で、投資家たちは、どこでリターンを得られるかについて気難しく首を振りながら、いわゆる安全地帯-ドイツ国債や米国国債など、株式のボラティリティが過度に高いために過大評価されている資産-に関する数多くの意見が交わされました。

また、ニッチな分野に特化し市場トレンドからの影響が少ないファンドが投資家の関心を引きました。

あるヘッジファンドのファンドマネージャーは同会議で、電力セクターでのアービトラージ戦略や、オプション価格のボラティリティを利用した投資など、高度に複雑な分野に注力することで2桁のリターンを獲得できたと発言しました。

同氏にとって、主流派のオルタナティブ投資、すなわち株式ロングショート、イベントドリブン、ディストレスト投資、クレジット投資、CTA(商品投資顧問)、グローバルマクロといった戦略はリターンが全く魅力的ではありません。

彼はまだあまり人気がない分野へ目を向けており、「投資の世界が飽和状態だということを我々はほぼ分かっている。基本的に私は人混みの中で投資はしたくないのだ」と語りました。

また同会議に出席した某氏は、詐欺スキャンダルのあった中国企業株に対してショートを行い、さらに貸株を行っているファンドにも投資しています。



人気ブログランキングへ

CTA規制の今後を考える

店頭市場への規制がCTA業界に一種の試練をもたらしていますが、考慮すべき点は何でしょうか?CTA(商品投資顧問)は通常、先物取引で資産価格、金利、FXなどの分野のトレンドに賭け、収益を狙います。

厳密に言えば、米国におけるCTAとは、CFTC(商品先物取引委員会)に登録された会社および個人を指します。CFTCは先物、オプション、マネージドフューチャーズにおける助言業務を補完する機関です。欧州では、Dexiaのような会社がCTA戦略のUCITS(ユーシッツ)版を開始しました。現在トータルリターン・スワップなど複数の分野でも、対応する手段が必要とされています。

現在CTA界は二つの試練に直面しています。Dexia Asset Managementのシステム運用ファンド部門長Steeve Brument氏によると、まず一つ目は規制で、緩やかな規制と厳しい規制の二種類が存在します。もう一つはトレンド、もっと言えばトレンドの欠如です。

Brument氏はパリのチームに所属しており、40億ユーロの運用資産において、CTAを含む複数のオルタナティブ投資戦略を手がけています。CFTCの規制には、CTA会社および投資家から見て緩やかな規制も含まれていますが、Brument氏は、このような緩やかな規制が対象とする問題は、実際には必ずしも存在しないと言います。むしろコモディティや店頭取引市場の心配の種は、米国の規制環境が農作物や原油の価格トレンドに左右される可能性があることです。米国では、原油価格は政治的に非常に慎重に扱うべき問題です。

しかしBrument氏は、今後30年~40年間スパンでは、コモディティ市場の相場操縦の余地はきわめて小さいと主張します。過去には、コーヒー豆や銀などにおいて、市場の買い占めが起こったかもしれません。しかし、原油のようなケースでは、単純に市場規模が大きすぎるため価格操作ができないと考えられます。そのため、ポジション制限などの規制案が持ち上がるような問題はもはや存在しない可能性もあります。

―流動性を保つCTA―

CTAは他のオルタナティブ投資と同様に金融危機時の立ち回りを批判されていますが、Brument氏は、CTAが一貫して流動性を保っていたと言います。CTA業界にとっては、規制当局によるHFT(high-frequency trading:高頻度取引)など他分野に対する規制の熱心さはかなり厳しいと感じるかもしれません。

しかし、まず指摘しなければならないのは、CTAはアルゴリズムに依存する可能性があるものの、HETに準えるようなマーケットメイカーではないということです。Brument氏によれば、そもそもHFTに従事する人々は、マーケットメイカー的役割を模しているかもしれないが、それほどのコミットメントはないそうです。Brument氏は「大きくコミットするならばマーケットメイカーとして登録するし、一日あたりの発注数制限下で免税を受けるのが最も賢いやり方だ」としています。

CTAにとって最大の敵は市場介入です。Brument氏は「我々は市場心理によって利益を得ている。市場に何らかの思惑があれば価格は上下する。市場は自動調節機能を持っているのだ。にも関わらず政府や中央銀行は市場心理を一変させる力を持っている」と話しています。




人気ブログランキングへ

リスクヘッジとしてのマネージドフューチャーズ―世界金融危機の再来から資産を守るには

マネージドフューチャーズは少なくとも2年間は流行の中心ではありませんでしたが、資産フローと投資家の関心が今後強固なリスクヘッジとして知れ渡る兆候を示しています。

モーニングスターのファンド調査部門長Don Phillips氏は「マネージドフュチャーズは昨年はマイナスで、今年も現在のところマイナスだが、資産は流入傾向にある。現在のオルタナティブ投資界で私が注目しているのは、大部分のファンドマネージャーが非相関性資産クラスに目を向けていることだ」と語りました。

水曜日に行われたモーニングスターのパネルディスカッションでは、マネージドフューチャーズのファンドマネージャー3人が出席し、最近のパフォーマンスについてあけすけに語ったのち、ポートフォリオ分散化の手段としてオルタナティブ投資を検討せざるを得ないと明らかにしました。

Guggenheim Investments社のRyan Harder氏は「もし我々が2008年の金融危機で米国株式の25%が75%以上下落したようなシナリオが再来するとしたら、その時に資産を守ることができるようなポートフォリオかどうかを予め確かめる必要がある」と話しました。

AQR Capital Management LLCのBrian Hurst氏によれば、マネージドフューチャーズのようなオルタナティブ資産をポートフォリオに組み入れる際には、その戦略へのコミットメントを前提として慎重に検討する必要があります。

同氏は「もし顧客がオルタナティブ投資に満足できなかったとしたら、オルタナティブ資産の配分比率はゼロとするのが正しいが、もし顧客が満足しているのならば資産配分を5%~10%とすると良いだろう」と語りました。

またHurst氏によれば、10年以上マネージドフューチャーズに投資し続けてきた一部の投資家は30%以上も同資産クラスを組み入れています。

Altegris Advisors LLCのMatt Osborne氏は、オルタナティブ資産を使いこなすには、市場の全サイクルを通して資産配分を調整し向上することが重要としています。

同氏は「マネージドフューチャーズは長期投資の一環として位置づけられるべきだ。とはいえ、投資一般において下落相場は上昇相場よりも良い投資タイミングなので、マネージドフューチャーズが軟調な今の時期に資産配分を増やすというのも面白いかもしれない」と話しました。



人気ブログランキングへ

Portfolio with Purposeで株式投資の腕試し―投資コンテストで慈善活動を支援

Portfolio with Purpose(PwP)が資産運用に自信を持つ投資家たちの注目を集めています。

Portfolio with Purposeは参加者が株式投資の腕試しをしながら、お金を殖やして好きな慈善団体に寄付することができるコンテストです。同コンテストで、近日中に業界のビッグネームたちと競うことができるでしょう。

この株式投資コンテストは2011年、ニューヨークのヘッジファンドコンサルサルタントStacey Asher氏によって創始されました。

Asher氏は先日行われたインタビューで「私はこの7年間投資の世界で働き、ヘッジファンド用の資金を集めてきました。同時に、多くの業界リーダーの素晴らしい慈善事業を目にし、そして同時にどれだけ人々が投資を楽しんでいるかということに関心を持ちました。私は今まで見てきたこれらの世界を1つに合体させたのです」と語りました。

Asher氏は昨年テスト版を発表しました。テスト版開始にあたって、ウェブサイト作成のために家族や友人らに声をかけたそうです。同氏は当初30人程度を勧誘しようとしていましたが、最終的に100人以上もの参加希望者が集まったそうです。

またAsher氏は「昨年開催したのは二部門のみでした。すなわち100ドルで誰でも参加できる初心者部門と、二年以上の業界経験者を対象とするプロフェッショナル部門です」と話しました。次回はマスター部門が追加される予定であり、既にThird Point Capital社の Dan Loeb氏とOmega Advisorsの Leon Cooperman氏がエントリーしています。

今年のコンテストにはプロフェッショナル部門参加者20人(大部分がプロのファンドマネージャー)と、初心者部門80人を集まりました。初心者部門は文字通り初心者を対象としており、株式投資の経験が全くない人でも参加できます。

ルールはどの部門も同じです。まず年度の冒頭に売買する5銘柄を選び(銘柄の条件は時価総額5億ドル以上)、次に支援する慈善団体を指定します。

Asher氏は今後コンテストにトレーディング要素を入れることも検討していますが、今回のコンテストではシンプルなバリュー投資にフォーカスしています。

初心者部門は100ドル(税額控除対象)、プロフェッショナル部門は1,000ドル、マスター部門は1万ドルを出資額として支払います。それぞれの部門の資金はプールされ、一位~三位の参加者に賞が与えられます。それぞれの部門の資金の純利益は、一位獲得者に60%、二位に30%、三位に10%が配分されます。

上位者の名前と支援先慈善団体は PwP Web siteに掲載されます。現在World Vision 、Skills for Southern Sudan、Big Brothers and Big Sisters 、Wounded Warrior Project、などの慈善団体が名を連ねています。

同コンテストは6月28日、ニューヨークで公式パーティーと共にスタートします。このイベントではThe Subscriberによるパフォーマンスも行われます。The Subscriberは金融の専門家たちによる、慈善カバー・バンドです。

このコンテストは世界中の投資家が参加できます。好きな慈善団体に貢献し、また競い合い、楽しみ、投資を経験する最高のチャンスだと、Asher氏はコメントしました。




人気ブログランキングへ

2012年6月23日土曜日

ヘッジファンドは常に市場に勝てるか?=Vanguard調査

大手ミューチュアルファンドVanguard社が先日、次の二点に関する研究を行いました。
Q1. ヘッジファンドは市場のベンチマークを常にしのぐことができるか?
Q2.ヘッジファンドは株式と債券と比較して、分散を行う上で優良な“オルタナティブ”となりえるか?

Vanguardが出した答えはどちらとも“No”でした。

この研究は「寄せ集め:金融危機以前と以後のヘッジファンドカテゴリーのパフォーマンス」と題し、新興国市場、株式マーケットニュートラル、マネージドフューチャーズなどをはじめとする9つのカテゴリーに渡って、平均的なヘッジファンドのリターンを2つの期間で調査しました。1つ目はS&P 500が41%以上下落した2007年11月から2009年2月まで、2つ目は株式市場が回復した2009年3月から2011年12月までです。

この調査の中ではヘッジファンドのリターンを一般的なポートフォリオの割合である60%株式、40%債券というポートフォリオのリターンと比較しています(S&P 500とバークレイのAggregate Bond indicesに基づく)。

多くのヘッジファンドカテゴリーは下げ相場で多くの米株式と債券のベンチマークをしのぎましたが、市場の回復を享受したヘッジファンドは一つもありませんでした。つまり、一つ目の期間ではヘッジファンドはよい成績を出しましたが、2つ目の期間ではアンダーパフォーマンスとなりました。

また、両方の時機において多くのヘッジファンドカテゴリーが株式60%、債券40%のポートフォリオに対して非常に高い相関性を持つことがわかり、分散やポートフォリオのリスク軽減という目的においてはこういったヘッジファンドを用いることはあまり有益でないことを示しています。

さらに、この調査ではヘッジファンドのパフォーマンスの平均値を出す上でのいくつかの問題点も指摘しています。サバイバーシップ・バイアス(パフォーマンスが悪いために、データ収集途中で廃止または消えてしまうヘッジファンドが存在すること)により、実際よりもよい成績が表されてしまうのです。これは株式公開ミューチュアルファンドでも起こり得る問題ですが、ヘッジファンドでは特に透明性の欠如や緩やかな規制が正確な数値測定を難しくしています。

今ではヘッジファンドに対するオルタナティブとして株式公開ミューチュアル・ファンドや上場投資信託に投資することができます。これらは実質的には研究の対象となったヘッジファンドと同じカテゴリーです。

Vanguardによる研究は少なくとも潜在的な投資家に、ヘッジファンドが本当にその限られた流動性や高いコスト、低い透明性を補って余りあるほどの収益を出せるのかどうかを考える機会を与えることになりました。



人気ブログランキングへ

テキサス州の外為投資会社へ540万ドルの賠償金・罰金支払い命令

商品先物取引委員会は今日、連邦裁判所の命令で、被告のLinda Harris氏 、Chance Harris氏、および両氏が経営する会社が540万ドル以上の罰金を支払ったと発表しました。

両氏はテキサス州フラワーマウンドでCDH Forex Investments, LLC (CDH Forex) および CDH Global Holdings, LLC (CDH Global)を経営しており、コモディティプール、および外国為替の取引所外取引業務において詐欺を行っていました。

Linda Harris氏 、Chance Harris氏、CDH Forex、およびCDH Globalは、被害者への賠償金として連帯して1,361,897ドルの初回支払いを命じられ、その後罰金として4,085,691ドルの支払いを課されました。またCFTCは両氏に対し、管轄下のコモディティおよび外為関連業務への参加資格を永久剥奪しました。

同命令は2011年10月25日のCFTCによる申し立てに端を発し、2012年6月12日、テキサス州北部地区連邦地方裁判所のRoyal Furgeson上級判事によって下されました。賠償金および罰金は、被告による投資参加者への詐欺勧誘、横領、虚偽に対して課されたものです。

またCFTCの申し立てでは、被告が財務報告書における損益の虚偽記載による投資家への詐欺隠蔽に関しても賠償を求めていました。加えてLinda Harris氏、 CDH Forex、 および CDH Globalは、報告書の虚偽記載と全米先物協会(NFA)への偽造口座登録および虚偽の取引報告書提出を行ったとして、さらに罰金が課されています。

CFTCの当該訴訟担当者はNathan B. Ploener氏、 Christopher Giglio氏、Trevor Kokal氏、Manal Sultan氏、Lenel Hickson氏、Stephen J. Obie氏、Vincent McGonagle氏です。




人気ブログランキングへ

ヘッジファンドがギリシアの隠れた投資機会を狙う

投資家George Elliott氏はかつて物好きとされていました。同氏はNaftilia Asset Management社の創業者として、ギリシア株投資のヘッジファンド設立に向け、資金獲得に動いています。

今年3月、同氏がロンドンのファンドマネージャーと会合した際、そのファンドマネージャーは、着席後数秒以内にギリシア株に賭けるつもりはないと明らかにしました。Elliott氏はただヘッジファンド戦略に関する話が聞きたかったのだそうです。

Elliott氏はその時に尋ねた幾つかの質問を我々に教えてくれました。「1998年のロシア財政危機の際にロシアに投資したか?」「アルゼンチンが‘10年前にデフォルトした後、同国に投資したか?」「2009年3月にS&P500が13年ぶりの最低水準に急落した際、米国株に投資したか?」これらの質問の答えは全てノーでした。Elliott氏はその時「それならばあなたは、私にギリシアのことでとやかく言う筋合いはない。あなたは20年に一度の絶好の投資機会を既に逃しているのだから」と反論したそうです。

そのファンドマネージャーは最終的に、新しいクライアントの意向に反してまでNaftilia社のGreek Opportunity Fundへの投資を約束したそうです。いったんElliott氏が個別銘柄のことを語りだすと、彼自身曰く、人々が興奮し始めます。Elliott氏は昨年10月に同ギリシア株式ファンドの勧誘活動を始めました。Elliott氏は「その頃我々はとてつもなく孤独だった。我々のように楽観的見通しを持つ者は数少ない存在だった」と言います。

ギリシアは5年間もの不況に苦しみ、失業率は21.9%に上ります。アテネ株式取引所は2007年末から90%も下落しました。英資産運用大手クーツのJames Butterfillグローバル株式ストラテジストは、ギリシア企業に関して「収益の持続性があまりにも不確実で先行き不透明だ。もし非常にハイリスク志向であればチャンスが見つかるかもしれない」とコメントしました。

関係筋によると、このような状況下で39歳のElliott氏は、5,000万ユーロ(6,300万ドル)のファンド資金を集めたそうです。彼は集めた資金をまだアクティブに運用してはおらず、ギリシア人が政府をきちんと立て直すのを待っているところです。

ギリシア国内では、有力政治家たちが国際融資を受け財政緊縮政策の解除するよう求めていく合意に至り、その後、6月20日に新民主主義党のアントニオ・サマラス党首が首相就任の宣誓を行いました。



人気ブログランキングへ

2012年6月22日金曜日

ターゲットデートファンドは安全か

あなたが現在63歳で、数年間使わない余裕資金をどのように投資するか考えているとしましょう。あるポートフォリオマネージャーはあなたの退職金の63%を債券に投資するよう勧めています。別のマネージャーは、最初のマネージャーの言うことは間違いで63%を株式に投資するように言っています。いったいどちらが正しいのでしょう?なぜ彼らの結論はこんなにもかけ離れているのでしょう?

これは引っかけ問題ではありません。例えばウェルスファーゴの2015年ターゲットデートのミューチュアルファンドとT・ロウ・プライスの2015年ターゲットデートファンドのどちらかを選択しようとしている時に、あなたが正に直面することなのです。

私が初めてこの食い違いに気付いたのはフォーブスの記事を読んでいる時でした。その記事は401Kやターゲットデートファンドを利用する人々の増加を報じたものでした。ターゲットデートファンドとは、ファンドマネージャーが株式、債券、およびその他の資産に分散し、投資家の年齢を考慮しお金が必要な時期に合わせて資産配分を行います。

モーニングスターのシニア・ミューチュアルファンドアナリストの Josh Charlson氏は「投資家は401Kとターゲットファンドの名前に同じ年が冠してあると、両者が全く異なる投資結果になりうることを理解していません」と話しました。例えその違いに気付いたとしても、投資家には次の困難が待ち構えています。何が最も重要なのでしょうか?退職時期の大きな損失を避けるために債券重視型のウェルスファーゴの優先度はどの程度なのでしょうか?あるいは、退職後30年より先は資産を運用しないとした場合、よりアクティブに運用するT・ロウ・プライスのどの点に着目すべきでしょうか?

それらの問題に取り組むにあたって、もしあなたが既にターゲットデートファンドに投資しているなら、そのファンドの中身を検証する必要があります。調査会社ストラテジック・インサイトを母体とするFRCによれば、ターゲットデート・ミューチュアルファンドの資産は5月の時点で4億600万ドルでした。そのうちの大部分が401Kやそれに類似するアカウントでした。雇用主数が増加したため、自動的に退職金用アカウント数が増加し、従業員のお金も従業員本人への十分な説明がないままターゲットファンドに年々つぎ込まれています。

あなた自身が投資しているファンドを理解するのが、最も簡単な方法です。難しいのは、退職金を使って何をしたいのか、またいつ使いたいのかをはっきりさせることです。答えは人それぞれ違うでしょう。しかし従業員一人ひとりのニーズがいかに多様であろうと、一般的に雇用主はただ一つのターゲットファンドしか用意していないのが現実です。




人気ブログランキングへ

投資界の話題を集めるマルチアセット型ETF

バランス型マルチアセットファンドはミューチュアルファンドの世界ではありふれた存在です。為替トレードファンドですら再認識されているほどです。このマルチアセット型=複数の資産クラスにまたがる運用戦略に、最近ETF業界が進出しようとしています。とりわけ注目を集めているのは債券を中心に分散的に投資するETFです。

投資会社がポートフォリオにマルチアセット型ETFが組み入れる際に、投資家は投資会社に払う手数料に疑問を感じるかもしれません。多くの場合マルチアセット型ETFは通常のインデックス連動型ETFよりも高い投資顧問料がかかります。

インデックスユニバースのPaul Britt氏は2012年に開設された3つのETFについて詳細と相違点を示しました。債券をよりファンドに組み入れられるようになったことで、これらの3ファンドはGuggenheim Multi-Asset Income ETF (CVY)の改良を試みています。CVYは2006年に開設され、現在の利回りは5.4%です。モーニングスターによれば、CVYは3年間および5年間のパフォーマンスにおいてラージキャップのファンドを上回ったとのことです。

CVYにおいて他に"既知の"ファンドといえば、S&P Target Date and Allocation FundsのiSharesシリーズです。iSharesシリーズには、運用資産1億4,500万ドルModerate Allocation Fund (AOM)も含まれます。

ドイチェバンクもターゲットデートのETFを提供しています。401Kプランにおけるデフォルト設定に後押しされれ、ターゲットデートファンド型ETFもようやく投資家に認知されてきました。

ターゲットファンド型ETFの問題点は、投資家の認知度の低さです。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSgA)のTim Coyne氏は、今年4月にニューヨーク証券取引所で行われたメディア向けイベントで、業界における最近のファンド募集がSPDR SSgA Income Allocation Fund (INKM)をはじめとするSSgAのファンド募集に弾みをつけるはずだと述べました。今年4月、INKMのように資産配分に積極的に介入するETFは他に幾つか開設されましたが、投資家も少しずつこのようなファンドに目を向け始めています。

投資会社や機関投資家は現在、ETF投資を長期投資戦略の一環としてとらえています。



人気ブログランキングへ

マレーシアのデリバティブ市場に着目する

世界のトレーダーは次の投資チャンスを捜し求めてアジアに着目していますが、現在最も魅力的な資産クラスは株式でもFXでもなく、上場派生商品です。大阪証券取引所の日経225先物、インド国立証券取引所のNifty指数などと並んで、韓国のKOSPI先物も注目を浴びてきました。しかし最も興味深い市場は、急成長しているにも関わらずほとんど注目を浴びていないマレーシアでしょう。

米コンサルティング会社Tabb Groupは先日、マレーシアの成長性についての詳細なレポートを発表しました。まず、世界最大のパーム油輸出国はいまだインドネシアであるにも関わらず、マレーシアはパーム油先物のフランチャイズを粗パーム油取引のグローバル中心地に設けました。すなわちマレーシア最大の取引規模のブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)です。

Tabb Groupは「マレーシア証券取引所をエマージング市場よりも成長しているようだ」としています。こう語られる理由は、多くのエマージング市場の取引所の管理でなく国内および外国双方から信頼を得ていることによるものでしょう。マレーシア証券取引所のデリバティブ部門は「先物ブローカーによる支店開設の制限を緩和し、デリバティブ市場にリテール参加者を導く」としました。

マレーシア証券取引所は先月、マレーシアの指数先物オプション取引を改良しました。投資家へのデリバティブ教育も強化しています。またマレーシア取引所は今年2月、新商品導入のための新たな清算・決済システムを完成させました。


人気ブログランキングへ

GLG社Baz氏、金融危機は今後20年続くと予測

マングループ・ヘッジファンドのトップマネージャーが世界の金融見通しについて非常に悲観的な見方を示しました。

GLGパートナーズJamil Baz最高投資ストラテジストによると、現在の金融危機は今後数ヶ月や数年ではなく、数十年にわたって続くといいます。

同氏は先日モナコで開かれた2012年GAIM会議で「危機はまだ始まってすらいない」と述べました。「ピークに達するまでには15~20年という非常に長い時間がかかるだろう。この危機による経済への影響は破壊的だ。危険資産は最終的に非常に悲惨なことになるだろう」とすでに暗い見通しにさらに暗雲を投げかけています。

Baz氏によるとこういった悲観的な見方はいくつかの主要国、特にG7やギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインといった危機にみまわれた欧州経済での負債レベルが過去5年で膨らんだという事実が原因であるといいます。

この見方は多くのヘッジファンド・マネージャーの見方とは一致しません。Baz氏によると債券に比べ「株はまだ高い。企業債務は株式に比べてはるかに安い」とのことです。



人気ブログランキングへ

機関投資家のオルタナティブ投資目的は分散とアルファ=ラッセル調査

世界中の機関投資家は分散やアルファの創出といった投資目的を達成するためにオルタナティブへの需要をますます増やしており、このことによってカスタマイズされた投資家主導型の実装法への注目がますます高まっていることが今日、ラッセル・インベストメントにより発表された2012年オルタナティブ投資状況調査により明らかになりました。

2010年にラッセルが、企業および公共確定福利厚生計画、企業確定拠出型年金、非営利および老齢年金基金などの機関投資家に調査を行った際には機関はまだ世界金融危機の影響をポートフォリオに色濃く残し、それを調整している最中だったため、オルタナティブに関しては流動的な態度が見られました。2年に一度行われるこの調査は今回で10回目となり、今年はオルタナティブ投資ストラテジーを形作る主要要因、障壁、影響を与えるもの、そして実装法に焦点を置き、その結果によって投資家が慎重ながらも冷静な感情を持っていることが示されました。

オルタナティブ投資主任のJulia Cormier氏は「1992年以来、ラッセル・オルタナティブ投資状況調査はオルタナティブ投資に関する機関の見方の変遷を表す重要なデータを提供してきました。ローリターン、世界経済の高い不透明性、金融市場のボラティリティなどが取りざたされる環境においてオルタナティブは分散したマルチアセット・ポートフォリオを形成する上で非常に重要です。ボラティリティと市場の影響が長引くと見込まれるときには、機関がたとえ様々な市場環境での収益獲得を目的としていたとしても、慎重にリスクを管理できるようなポートフォリオを形成することでそれを防御しようとします」と語りました。

調査に参加した機関はオルタナティブ投資に対し、平均で総資産の22%という非常に大きな配分を行っていることがわかりました。オルタナティブ使用の理由として分散と答えた回答者は90%、ボラティリティの管理と従来の投資への低い相関性と答えたのは64%、予想利益と答えたのは45%でした。そして、多くの回答者がすべてのオルタナティブカテゴリーにおける現在の配分を今後1~3年の間も維持するか増やすつもりであると答えました。ヘッジファンドと私的不動産への投資を増やすつもりであると答えたのは32%、private infrastructureへは28%、プライベート・エクイティへは25%、コモディティへは20%、公的不動産とpublic infrastructure へは12%、それぞれ増やすつもりであると答えました。

北米オルタナティブ投資コンサルティング業主任のDarren Spencer氏は「オルタナティブは機関が求める投資成果を達成するにあたってユニークな役割を果たすことができます。今日のダイナミックなオルタナティブ投資市場において、機関投資家は様々な方法でオルタナティブを用いています。同時に、機関投資家がオルタナティブを評価し、それに関する決断を下す上で彼らに影響を与える要因は進化し続けています。豊富な経験と拡大する配分によって投資家はますます実装法を推し進めています。今日、投資家が特定のリスク・リターン成果に焦点を当てることができ、より狙いを定めたストラテジー・エクスポージャーを達成することができ、さらに投資に関して日和見主義となることのできる、カスタマイズされたソリューションを求める声が増えています。オルタナティブ投資の実施に関するこういった抜本的な変化はポートフォリオに幅広い柔軟性を与えることになるでしょう」と語りました。




人気ブログランキングへ

バークレイCTAインデックス2.64%上昇、年次1.33%上昇

バークレイヘッジ社のBarclay CTA Indexによれば、マネージドフューチャーズは5月、2.64%上昇しました。同インデックスは年次で1.92%上昇しています。

バークレイヘッジの創業者で社長のSol Waksma氏は「4月に勢いを増したリスクオフ傾向は5月に入りさらに加速しました。そしてCTAが収益性の高いポジションを持つことができました。米国と中国の景気減退、および欧州債務危機への懸念により、株式とコモディティの価格が急落し、米ドルおよび”安全国”の債券価格が反発した」と語りました。

5月、バークレイの8つのCTAインデックスが上昇しました。Diversified Traders IndexとSystematic Traders Indexの双方が3.47%の上昇、Financial & Metals Tradersは2.26%上昇、and Currency Traders 1.57%上昇しました。

Waksma氏は「5月の好調なトレンドは、分散型およびシステム運用型のトレーダーが4月に多くの投資チャンスを得て波にのれたことが要因だ。Barclay Diversified Traders IndexとSystemic Traders Indexの双方が5月に好成績を収め、年次でもリターンはプラスとなった」と話しました。

一方で5月はthe Agricultural Traders Indexは2.03%下落し、Discretionary Traders Indexは0.79%の上昇にとどまりました。

Waksma氏は「市場が過度に拡大すると、システム運用トレーダーにとっては収益機会が増えます、自由裁量型トレーダーはしばしば損失を出す傾向にある」と言います。資産規模の大きいCTAのパフォーマンスを測定するBarclay BTOP50 Indexは5月、1.84%上昇し、年次1.13%の上昇となりました。



人気ブログランキングへ

AIJ問題で動揺する日本の年金基金、世界のヘッジファンドへ資金流出

AIJ投資顧問が10億ドルの損失を年金基金顧客から隠蔽しようとして退職金市場を同様させた後、世界のヘッジファンドは日本の資産を増やしています。

Neuberger Berman Group LLCは2004年以来日本に集まっていた40億ドルの資産を得ました。Winton Capital Management Ltd.は30億ドルを日本の投資家から得て、着実な資金流入をみています。

Financial Risk Management Ltd.(FRM)は日本の投資家からの需要の高まりを受け、新ファンドを開設します。FRMでファンドオブヘッジファンズを運用する佐藤素行氏は「日本の年金を含むクライアントからの問い合わせが増えています。一部の年金基金がAIJ投資顧問に投資していたことは大変残念ですが、今なお、年金基金は分散投資の一環としてロングショート運用を含むオルタナティブ投資を必要としています」と語りました。

Towers Watson & Co.によると、日本の年金市場は世界第二位の規模で、3兆3,600億ドルの資産が集まっています。 過去20年間の株式市場の停滞と急激な高齢化と世界最低水準の日本国債の利回りに対処しようとヘッジファンドをはじめとするオルタナティブ投資により資金を追加しています。

JPモルガンチェースが5月に発表した調査結果によると、今年度、退職金基金の21%がオルタナティブ投資へ向けられる見込みであり、オルタナティブ資産が10の資産クラス中最大となるとのことです。

警視庁はAIJ投資顧問の浅川和彦社長を初めとする同社幹部4人を詐欺容疑で逮捕しました。AIJ投資顧問は東京都および長野県の年金顧客から70億円(8,900万ドル)をだまし取ったとされています。




人気ブログランキングへ

マルチマネージャーファンド、全販売の49%を獲得=Cofunds社調べ

マルチマネージャーファンドが先月投資家の間で人気となり、全販売の49%を占めたことがCofunds社の調査で明らかになりました。

マルチマネージャーファンドは5月、ベストセラーファンド上位20位中四分の一を占めました。”Mixed Investment 20-60 per cent Shares” セクターの4ファンド、もう一つは ”Mixed Investment 40-85 per cent Shares” セクターのファンドでした。

Confundsの販売ランキング上位20位入りを果たしたファンドは、運用資産8億820万ポンドの Cazenove Multi-Manager Diversity fund、運用資産35億ポンドの Jupiter Merlin Income Portfolio、運用資産6,660万ポンドのPremier Multi-Asset Distribution fund、運用資産3億7,900万ポンドのAXA Framlington Managed Balanced、 運用資産21億ポンドのInvestec Cautious Managed fundです。

CazenoveとJupiter Merlinのマルチマネージャー・ポートフォリオはそれぞれ2位と3位に入りました。Jupiter Merlinのファンドチームによると、守備的エクスポージャー戦略はモーニングスター社のゴールドレートをも獲得しました。

同ファンドチームは「春から夏への変わり目は従来困難な時期で、今の時点で方針を変える必要はないだろう。過去丸2年間、夏場は欧州の詐欺屋に独占されてきた。今年もそうなるかもしれない」とコメントしました。

Morningstarによると、同ファンドの5年間のパフォーマンスは2012年4月30日付で2.03%となり、89位中14位に入りました。

Cofundsの関連投資会社のMichelle Woodburn氏は「2012年のマーケットシェアが総合的にみて人気と比例するように、Mixed Investment 20-60 per cent Sharesの人気が出ているのも不思議ではない」と話しました。



人気ブログランキングへ

ABNアムロ、プライベートバンキング部門のヘッジファンド投資比率を引き上げ

オランダ金融大手ABNアムロは、市場の高ボラティリティから利益を得るため、同社の運用資産のヘッジファンド投資比率を引き上げています。

ブルームバーグ社によると、同社のプライベートバンキング部門はヘッジファンドの組入比率をニュートラルからオーバーウエイトに変更しました。ABNアムロは1,640億ユーロ(2億700万USドル)の運用資産を有しています。

ABNアムロプライベートバンキング部門のDidier Duret氏は「ヘッジファンドは強気のポジションに転じ、株式および債券のロングオンリー戦略よりも、価値を引き出し資産を蓄積しようとしている。市場がファンダメンタルを無視しマクロ経済的および政治的リスクに翻弄される中で、グローバルマクロ戦略はより富を蓄積できる」と語りました。

ABNアムロは株式に対してはニュートラルを維持しています。



人気ブログランキングへ

モーニングスターMSCI総合ヘッジファンド指数、5月0.5%下落も今年2.7%上昇

独立系調査会社モーニングスターの調査で2012年4月の推定資産フローおよび2012年5月のヘッジファンド運用実績(速報値)およびが明らかになりました。

モーニングスター・ヘッジファンドデータベース内のおよそ1,000のヘッジファンドで構成されるMorningstar MSCI Composite Hedge Fund Index(モーニングスター総合ヘッジファンド指数)は、5月は0.5%下落しましたが、今年度累計では2.7%の上昇となりました。

モーニングスターのオルタナティブ投資アナリストTerry Tian氏は「欧州の公的債務危機にまもや投資家感情が左右され、5月は大抵のヘッジファンド戦略をとっても苦戦していたことが明らかだった。マネージドフューチャーズは市場下落関係なく収益を得るための戦略の1つだった」と話しました。

米株式市場は昨年9月以降で最も大きな下落幅となり、5月のS&P 500指数およびラッセル2000指数はそれぞれ6.0%~6.6%下落しました。 欧州および新興国株式も同様に急落し、5月、MSCI Europe NR USD 指数は12.3%の下落、MSCI EM NR USD指数は11.2%の下落でした。世界的な下落基調において、株式をベースとした戦略は最も影響を受けたヘッジファンド戦略の一つです。

海外投資にフォーカスしたヘッジファンドも大幅な損失を出しました。 Morningstar MSCI Europe Hedge Fund Indexは1.8%の下落、Morningstar MSCI Emerging Markets Hedge Fund Indexは5.7%の下落でした。

原油や銅などの主要コモディティは軟調でしたが、マネージドフューチャーズは上昇基調へと回復しました。Morningstar MSCI Systematic Trading Hedge Fund Indexは5月、2.1%上昇しました。これは2011年7月以来最大の上昇幅であり、ヘッジファンド指数の中で最高水準のパフォーマンスとなりました。

他に好成績を収めたのは通貨にフォーカスしたヘッジファンドです。Morningstar MSCI Currencies Hedge Fund Indexは5月、2.0%上昇しました。通貨型ヘッジファンドユーロおよび主要新興国通貨の急落から利益を獲ました。

モーニングスター・ヘッジファンドデータベースによると、ファンドオブヘッジファンズ戦略は4月、4億200万ドルの資金が流入しましたが、単一マネージャー型ヘッジファンドは 41億ドル流出しました。単一マネージャー型の全カテゴリー中、資金流出が最大であったのは先物のシステム運用戦略で、資金流出額は38億ドルにも上りました。一方、グローバルマクロ戦略は8億590万ドルの資金流入、分散型アービトラージ戦略は5億290万ドルの資金流入でした。


人気ブログランキングへ

First Trust、北米エネルギーインフラ・ファンドを設立

200以上の投資商品を提供し、その多くが高い透明性と租税効率、そして株の選択においてルールに基づいたアプローチを用いるFirst Trust Advisorsが新たなアクティブ運用型上場投資信託First Trust North American Energy Infrastructure Fundの設立を発表しました。

First Trust North American Energy Infrastructure Fundの投資目的はトータルリターンの獲得です。このファンドの投資ストラテジーは投資家への分配金に焦点を置き、株式公開マスター・リミテッド・パートナーシップやパートナーシップとして税金を納める有限責任会社(MLP)、MLP系列会社、カナダのインカムトラストとその継承会社、パイプライン会社、公共事業など、少なくとも収益の50%をパイプライン、電力供給、石油や天然ガスの貯蔵など電力産業から得ている、主にエネルギーインフラ部門に従事する企業に投資を行います。

First Trustがエネルギーインフラ部門で最もよく知られた投資アドバイザーと考えるEnergy Income Partnersがファンドのサブアドバイザーを務めます。この企業は2012年4月30日現在で61億ドルの資産を運用しており、ポートフォリオ管理チームは長期にわたる様々な経験を持ちます。

Energy Income PartnersのCEOのJames Murchie氏は「Energy Income PartnersとFirst Trustは投資家に対し、需要の上昇と技術の発展が目覚しいエネルギーインフラ部門への新たな投資機会を提供できることを嬉しく思う。エネルギーインフラ企業は強い基盤を持っており、収益見通しに関して我々は非常に強気である」と語っています。

Energy Income Partnersはエネルギーインフラ資産を、維持資本負担が比較的低く(州間および州内パイプライン)安定した手数料ビジネスと考えており、ファンドの投資家に高い配分率を提供できると見込んでいます。現在のところ、Energy Income Partnersは石油やガス探査、開発、産出といった他のエネルギー部門は循環株であり、コモディティ価格に大きく影響されるため、ファンドのポートフォリオにあまりふさわしくないとしています。



人気ブログランキングへ

ドバイ・マーカンタイル取引所、新CEOを任命


中東のエネルギー先物の主要取引所であり、スエズ以東の市場での原油価格のベンチマークとなりつつあるドバイ・マーカンタイル取引所(DME)が今日、BNPパリバ・コモディティ先物APACの前マーケティング主任であるChristopher Fix氏をCEOに任命したと発表しました。

Fix氏は1992年からBNPパリバのニューヨーク、パリ、アジア支社で勤務し、20年以上にもわたってコモディティの国際市場で経験を積んできました。取引所のCEOに任命される前はシンガポールのコモディティ先物APACのマーケティング主任として3年間勤務しました。この間にFix氏が担当するアジアの顧客は4倍に増え、これにより2011年アジアEnergy Risk's Energy Broker of the Year に選ばれました。

DME理事長のAhmad Sharaf氏は「DME委員会はChristopher Fix氏というコモディティ業界の非常に優秀なエキスパートをCEOとして迎えられることを喜ばしく思う。ボリュームを増やし、DMEの主力取引であるオマーンの契約のために本当のベンチマークという地位に到達できることを願う。今年の2月にDMEを再編した際に、より重要性の高まっているアジア市場へ今後よりフォーカスしていくという意図を表明したが、DMEの新たなCEOとしてアジア市場での知識と経験が豊富なChristopher Fix氏を迎えたことで、その約束の一端を果たしたといえるだろう」と述べました。

アメリカ生まれのFix氏はフランス語に堪能で、流暢な中国語と日常会話レベルのロシア語を話します。SUNYビンガムトンを卒業し、中国の北京教員養成大学で中国語の学位を取得しました。Fix氏は家族とともにドバイへ移り、8月26日からDMEでの勤務を開始します。

Fix氏は「DMEの委員会がこのような重大な時機に取引所の未来を私に託してくれたことを誇らしく思う。DMEが新たな顧客と改定された株主構造により記録的なボリュームを今年の初めから5ヶ月中4ヶ月で経験したこの時機にこの組織の一員となれることを嬉しく思う。DMEのオマーン契約はスエズ以東の原油値付けに対するベンチマークになりつつあり、スタッフ、委員会、株主、戦略的パートナーと共にDMEのために働けることを楽しみにしている」と話しました。

この任命は2月に行われた株主構造改革で導入されたストラテジーの一端を担うもので、この改革により、DMEはスエズ以東の市場での原油価格に対するベンチマークとなるという目標に一歩近づきます。



人気ブログランキングへ

モーニングスター、オルタナティブミューチュアルファンドのアナリスト格付けとグローバルファンドレポートを発表

大手独立投資調査会社のモーニングスターは今日、オルタナティブファンド資産のおよそ75%を占めるおよそ40の米オルタナティブ・ミューチュアル・ファンドに関するMorningstar Analyst RatingとGlobal Fund Reportsを発表しました。来年中に同社は対象のオルタナティブファンドを100に増やす予定です。

今回、モーニングスターのアナリストは1つのオルタナティブ・ミューチュアル・ファンドをゴールド、9つのファンドをシルバー、7つのファンドをブロンズ、17のファンドをニュートラル、6つのファンドをネガティブにそれぞれ格付けしました。

モーニングスターのオルタナティブ・ファンド・リサーチ代表兼Alternative Investments Observer編集者のNadia Papagiannis氏は「オルタナティブ・ファンドで採用されるストラテジーはしばしば新しく、複雑な場合がある。こういったオルタナティブ投資に関するAnalyst RatingsとGlobal Fund Reportsの目標は、機関やファイナンシャル・アドバイザーがオルタナティブ投資で分散を行う上でファンドのリサーチと比較を行う手助けとなることだ。オルタナティブ投資の認識と使用に関する我々の最近の調査では、ファイナンシャル・アドバイザーと機関はオルタナティブを引き続き評価していることが明らかになった。エクイティーベースのオルタナティブ・ミューチュアル・ファンドへの資産流入は減速しているが、マネージド・フューチャーズ・ミューチュアル・ファンドといったノン・エクイティーベースのファンドへの集中が続いている」と語りました。

5段階に分かれたMorningstar Analyst Ratingにはゴールド、シルバー、ブロンズという3つのポジティブな格付けの他に、ニュートラルとネガティブがあります。アナリストはファンドの今後を占う上で重要と考えられる5つの要素(人材、プロセス、親会社、パフォーマンス、価格)への評価を、数字と質の両方に考慮して検討し、格付けを行います。これらの5つの要素をポジティブ、ニュートラル、ネガティブの3つで採点し、その後ファンド全体の格付けを行います。

Morningstar Analyst Ratingは次の通りです。:

ゴールド:5つの要素の中で抜きん出た数値を出し、アナリストによって非常に高い評価を受けた優良ファンド

シルバー:5つの要素のすべてではないが、いくつかで素晴らしい数値を出し、アナリストによって高く評価されたファンド

ブロンズ:5つの要素の中でマイナスをカバーできるほどのプラス要素があり、アナリストによってポジティブの格付けを保証されるに足るレベルのファンド

ニュートラル:卓越した収益を出さないが、それほどのアンダーパフォーマンスともならないと思われるファンド

ネガティブ:今後のパフォーマンスを妨げる恐れがある欠点を少なくとも1つ持ち、他社に対し劣っていると思われるファンド




人気ブログランキングへ

2012年6月20日水曜日

アクティブ運用ファンドの特徴

アクティブ運用ファンドはファンド・マネージャーの知識と専門技術によって平均的な指数ファンドよりもアウトパフォーマンスとなるといわれています。

しかし、このタイプのファンドが直面しているのはファンドに関するコストで、経費率だけではなく、取引費用、プラットフォーム使用量、成功報酬などが含まれます。これはここ数ヶ月間、株式市場が激しく変動し、コストがパフォーマンスに食い込んでいるため、非常に深刻となっています。

しかし、アクティブ運用ファンドは市場における投資家感情や、様々な期間で市場や部門がどのようなパフォーマンスとなるかに応じてマネージャーが資産を分散でき、様々なストラテジーを採用することができるという点で有用だといえます。また資産配分によってリスクを低減することができ、特に見通しが不透明な時には非常に有効です。

多くの人は慎重に投資を行うには、ポートフォリオがアクティブ型とパッシブ型の両方から恩恵を受けられるように、両方を用いるべきだと考えていますが、アクティブ型ファンドへの資産配分にはダウンサイドリスクがあり、特にマネージャーがよく考えずに分散を行った場合は、それぞれの資産が互いに相関しあうというような結果にもなりかねません。

アクティブ運用のファンド・マネージャーには、平均的なファイナンシャル・アドバイザー以上のスキルと豊富な知識が必要で、こういった技術と知識を用いているという点で、株式市場の変動を考慮する必要はあるものの、アクティブ型のファンドは有効であるといえるでしょう。




人気ブログランキングへ

シカゴオプション取引所(CBOE)、金利ボラティリティ指標開始へ

シカゴオプション取引所(CBOE)は13日、初の金利ベースのボラティリティ指標を来週開始すると発表しました。同指標は主に債券市場関係者向けに提供されます。

CBOE Holdings Incを母体とするシカゴオプション取引所は、6月18日からCBOE Interest Rate Volatility Indexを公表します。

この指標は金利スワップ市場におけるベーシスポイントの予想変動率をはかるものです。CBOEによれば、厳密には同指標のベースとなるのは1年物/10年物米ドル建てスワップオプション、すなわち名目14兆5,000億ドルもの米ドル金利オプション店頭市場において活発に取引されている銘柄です。

米国最大のオプション取引所CBOEは24種以上のボラティリティ関連インデックスを提供しており、広く知られているCBOEボラティリティ指数(VIX)もその一つです。



人気ブログランキングへ

デル・イノベーターズ・クレジットファンド―デル社のベンチャー支援の4つのポイント


デル社が小規模ビジネス向けクレジットファンド(信用基金)を開設しました。これは業界初の試みといえます。Dell Innovators Credit Fundは、1億ドルの資金をもとにベンチャーキャピタルもしくはエンジェルファンドから資金を調達したベンチャー企業への支援に乗り出します。

同ファンドはデルの最初の駐在企業家Ingrid Vanderveldt氏が発案しました。Vanderveldt氏は多くの企業家が資金調達は行ったものの信用力が不足していることに気付いたことが、クレジットファンド設立のきっかけになったと言います。

世間は同クレジットファンド設立の発表でざわついていますが、どのようにこのクレジットファンドが機能するか詳しく見ていきましょう。

1. Dell Innovators Credit Fundは全ての起業家が利用できるわけではありません。これには複数の資格を与える人が必要です。まず初めに、起業家は応募までの90日以内に、指定されたベンチャーキャピタルあるいはエンジェルファンドの資金拠出を受けていなければなりません。条件を満たせば、デル曰く"加速され限定された信用期間"において、Dell Financial Servicesから資金調達額の上限10%(上限15万ドル)を借り入れることができます。

2. 投資ファンドから資本注入を受けたベンチャー企業が、なぜお金を借りる必要があるのでしょう?デルの個人ユーザーおよび中小規模企業担当統括責任者スティーブ・フェリス氏によれば、同クレジットファンドは、株式から得た貴重な資金を他のビジネス用途に使うために保持しておき、起業家が企業を成長させるためのテクノロジーを提供するものです。つまり、すでに調達した資本はテクノロジーではなく、収入を生むことに振り向けようということなのです。

3. フェリス氏は多くの起業家にとって成長の鍵となるのは国際的なビジネス拡大だと言います。同氏は「小規模ビジネスがより多くの市場、国、およびサプライチェーンを利用するためにはテクノロジーが必要です。テクノロジーへのアクセス向上は、これまでグローバルな起業活動を支えてきました。世界はこれまで新たなアイデア到来と、それに伴う大きな利益で目覚めてきました」と語りました。フェリス氏は米国の起業家に、"世界は消費者だけではない。パートナーの存在も無視できない"とアドバイスしています。そしてもちろんクラウドサービスやバーチャルサービス等の新たなテクノロジーもグローバルな活動を後押しするでしょう。

4. 自己資金で起業した起業家に対しても、デルは一部の機会を提供しています。Vanderveldt氏は駐在起業家コミュニティの拡大を計画しており、今後数ヶ月にわたって研修映像、eラーニング、専門家からのアドバイス等の新たなサービスを付加していく予定です。Vanderveldt氏の目標は、デルの1,000万もの中小ビジネスの"ワンストップ店舗"創造することです。



人気ブログランキングへ

ユーリカヘッジ調査:ヘッジファンド5月は1.24%ダウン、CTAは2.60%プラス

ユーリカヘッジ・ヘッジファンド指数は5月、1.24%ダウンとなり、MSCI World Indexによるとアンダーライイング市場では8.08%のアウトパフォーマンスとなりました。5月の結果により、ヘッジファンド指数の年初来から今日までのリターンは2.23%となりました。

CTAおよびマネージド・フューチャーズは、その他では結果が芳しくなかった5月に一筋の光となり、2.60%のプラスを出しました。アービトラージファンドもまた5月、0.26%のプラスとなりました。

その他はすべてマイナスとなり、最も成績が悪かったのが株のロング/ショートで3.41%のマイナス、ディストレスト債ファンドは2.54%のマイナス、イベントドリブン・ファンドは2.23%のマイナスとなりました。また、マルチストラテジー・ファンドも1.62%のマイナス、債券ファンドは1.13%のマイナス、レラティブバリュー・ファンドは0.68%のマイナス、マクロ・ファンドは0.52%のマイナスとなりました。しかし年初来から現在までの全体像はそれほど悪くありません。すべてのストラテジーはポジティブで、特にレラティブバリュー・ファンドは4.08%のプラス、アービトラージ・ファンドは3.41%のプラスとなっています。

地域ごとのファンドは8.66%ダウンとなった東欧やロシアのファンドによりすべてマイナスとなりました。日本のファンドは3.47%ダウン、日本を除くアジアのファンドは3.43%ダウン、新興成長市場ファンドは3.19%のダウンとなりました。北アメリカファンドは1.77%、欧州ファンドは1.63%、ラテンアメリカファンドは1.44%、それぞれマイナスとなりました。しかし年初来からの統計では、ラテンアメリカのファンドが4.46%のプラスとなりました。年を通じてマイナスとなっているのは東欧とロシア(-2.65%)、と日本(-0.15%)だけです。

ユーリカヘッジの調べでは、マクロ・ヘッジファンドの資産は1400億ドルをはじめて超え、これまでの最高額になったということです。業界自体も拡大し、2012年現在までに350もの新たなファンドが設立されました。

またユーリカヘッジによると、年初来から現在まで、920のファンドが株のロングとショートにより10%以上のプラスを出しており、153のファンドが20%以上、10のファンドが50%以上のプラスとなっています。ファンド・オブ・ヘッジファンズは5月1.88%のマイナスとなりましたが、年間では0.67%のプラスとなっています。




人気ブログランキングへ

2012年6月19日火曜日

フィンランド投資会社Estlander & Partners、米国でのヘッジファンド運用拡大へ


フィンランドのヘッジファンドで商品投資顧問(CTA)のEstlander & Partnersは、コネチカット州スタンフォードを拠点に米国内での運用業務を開始しました。同業務は同社のDan Rizzuto北米部門長が指揮します。Dan Rizzuto氏はCFA(米国証券アナリスト)で、同社の執行役員でもあります。Rizzuto氏は北米でのさらなる顧客獲得に向け、同社の事業開発を率います。

Estlander & Partnersは現在およそ10億ドルの運用資産を有しています。同社は1991年に創業し、優れたリターンを獲得するため 革新的なクオンツ分析、高い流動性を持つ先物および通貨のグローバルトレード、および厳密なリスク管理を続けてきました。

また同社には約50人の運用専門家が所属しており、ヘルシンキ、バーサ、ミュンヘン、チューリッヒ、スタンフォードを拠点に活動しています。運用面では、完全システム化されたマクロのCTA戦略に基づいています。このシステムは、グローバルな資産クラスにおけるトレンド、資産フロー、リスク性向の変化を活用するよう設計されました。

Estlander & Partnersのシステム型グローバルマクロ運用への専門性は、25年間の業界経験を持つRizzuto氏によって構築されました。またRizzuto氏はこれまで数多く機関投資家との顧客関係を確立してきました。

Estlander & Partners創業者のMartin EstlanderCEOは「当社はこれまで欧州で着実に成長してきており、北米の機関投資家との提携を強化する時期が来たと確信しています。Rizzutoのオルタナティブ投資における豊富な経験と、投資家と長期的関係を結ぶ実力は、この取り組みに最もふさわしいと考えます。今後彼の専門性が当社の成長に大いに貢献すると思いますし、私自身も彼との協働に期待しています」と語りました。

Rizzuto氏は「Estlander and Partnersの才能豊かなクオンツ運用チームに加わろうと心に決めたのは、ユニークな投資哲学と長きにわたる優れた運用実績が理由です。今後米国とカナダの機関投資家は、定量的リサーチとリスク管理に優れた運用者によるクオリティの高い投資から利益を得られるようになるでしょう。Estlander & Partnersは効率的で透明性の高い企業文化、革新的モデル、および高度に複雑化した技術を持っており、伝統的投資や他のオルタナティブ投資とは異なる優れたリターンを期待する機関投資家の良きパートナーとなるでしょう。投資家と連携し、北米における成功と発展を見るのが楽しみにしています」と話しました。



人気ブログランキングへ