2012年6月1日金曜日

元Credit Suisseトレーダーによるアジアのマクロ型ヘッジファンド、今年20%プラス


元Credit Suisse Group AGトレーダーによって運営されるヘッジファンド、Splendid Asia Macro Fundが、アジア通貨、債権、株式を購入し、欧州危機の中、円を売ることで、今年、4月までに20%の収益を出しました。

アジアにフォーカスするこのファンドは、7月の設立時には4000万ドルだった資産を現在6000万ドルにまで増やしていると、シンガポールのCharlie Chan Capital Partners Pteの設立者、Charlie Chan氏は言います。また、Splendid Asiaは設立時から4月までに14%の収益を出したとも述べています。

「我々はギリシャ危機という非常によいタイミングでファンドを始めることができた。市場が下落する中で買い始めたので、よい価格で購入することができた」とCredit Suisseで外国為替戦略的取引の前代表を務めたChan氏はシンガポールでインタビューにこう答えました。「欧州危機が経済を停滞させていく中、アジアに注目が集まってくるだろう」

このファンドの収益は、今年4月までのEurekahedge Global Macro Hedge Fundの1.3%の収益とアジアのヘッジファンドを追うEurekahedge指数の5%の上昇に匹敵します。シンガポールやインドネシアといった南アジアの国々の成長見通しを考えると投資機会はそういった国々にあり、一方で中国やインドの成長には懸念が残ると、昨年スイスの銀行を退職したChan氏は語ります。

日本に関しては、世界第3の経済圏で実質的な経済回復がなかったという点、そして人口減少という人口統計学的問題に直面しているという点からいって、円のショートがファンドのパフォーマンスに貢献したとChan氏は言います。「日本で何かいいことが起こるようには思われない」

急ぐ必要はない

Chan氏は運用資産を増やすのを急ぐと収益を減らしてしまう可能性があるため、急ぐ必要はないといいます。アジアのヘッジファンドに流れ込んだ推定総額は2011年末で821億ドルであったとシカゴのHedge Fund Research Inc.は伝えています。

昨年は「誰も資本を分散する準備ができていなかった」とChan氏。「今年はより多くの人が分散を行うだろうが、欧州危機が頭をもたげているため、本当に資金をつぎ込もうと思っている人々は減速するだろう」

Hedge Fund Research Inc.によると、強いボラティリティとマクロ経済的不透明性の中、投資家とマネージャーが2012年に向けてポジションを取るようになったため、2011年に設立されたヘッジファンドの数は2007年以来最多となったということです。265のマクロ・ファンドが2011年に設立され、これはHedge Fund Researchが1996年にデータを集め始めて以来最多となります。

Chan氏は今年中に指導者の交代を予定している中国とインフラ増築の必要性があるインドの成長見通しについて慎重になっているといいます。

Chan氏はCredit Suisse で同僚だった前proprietary tradersのLam Hoi LeongとAlbert Neoの両氏と共同して、ニューヨークのLehman Brothers Holdings Inc.が2008年9月に倒産したことに関連して損失を被った後、このスイス第2の銀行が自身の資金を使って投資を行っていたいくつかのオペレーションを閉鎖した後にこのヘッジファンドを設立しました。




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