2012年6月19日火曜日

投資顧問業者、とうもろこし市場への見方を転換か

投資顧問業者がとうもろこし市場のエクスポージャーを削減しています。、市場心理に大きな影響を及ぼす最大級のとうもろこし栽培地域において今年の生育期が始まる中、エクスポージャーは過去およそ2年間の最低水準にまで後退しようとしています。ここ数週間、ヨーロッパの政治経済的混乱から生じる経済的信頼の低下もあいまって、大口投機家たちによる大幅なリスク回避に火がつきました。

しかし、投資顧問業者はすぐにまたロングに賭ける可能性もあります。特にコーンベルト地帯の気候が全体的に高温・乾燥すると穀物生産は減少します。また農務省の報告書で米国および世界の穀物在庫が減少したと発表されたら、投資家の買い傾向は強まるでしょう。

市場価格の予測メーター

投資顧問業者はとうもろこし市場をとりまく多様な市場関係者の一カテゴリに過ぎません。しかし投資顧問業者のトレーダーは予測的行動を好みポジションを高頻度で動かすため、価格と投機的行動の両面で鍵となるとうもろこし市場に群がるという可能性は否定できません。

投資顧問業者は、顧客の資金を運用するため、短期的に利益を確定したがる傾向にあります。またトレードが活発な場面で多数派を先導するために、慣習的に市場の動きに先んじてポジションを持ち、また解消しようとします。

よって投資顧問業者のポジションが市場の価格変動に先立って拡大または減少することで、各特定商品において市場価格の予測メーターとなりうるのです。このことは特にとうもろこしについて当てはまり、ここ数年、投資顧問業者のポジションの増減はとうもろこし価格の変動に先行しています。

今月、とうもろこしの価格は3月の一ブッシェル=6.70ドル以上から一ブッシェル=5.50ドル程度にまで値下がりしましたが、それさえも投資顧問業者のポジションの方が先行していました。投資顧問業者のポジションは3月中旬から10億ブッシェル(200,000枚)減少し、5月末には過去2年間で最低水準にまで至りました。

ポジション拡大の兆し

商品先物取引委員会は2006年から「Commitments of Traders」という週次レポートで投資顧問業者のネットポジションを報告しています。この投資顧問業者というカテゴリーは過去5回、とうもろこし市場でネットポジションがショートだったことがあります。最も最近では2010年の4月中旬です。投資顧問業者のネットポジションは2006年以来およそ180,000枚を続けてきましたが、直近のポジションは約41,000枚と、これまでの平均的な出来高からかけ離れており、ロングポジションとしては過去最低水準といえます。

近年投資顧問業者のネットポジションがショートであることは稀であり、しかもそのショートは水準としては小さく(最大でも21,000枚)デュレーションもまた短い(最長で3週間)ものでした。今回の投資顧問業者による手仕舞い騒ぎも、沈静化に向かうと考えられます。

今年の中西部の穀物生産状況が、高気温と少ない雨量により悪化の兆しを見せる中、一部の投資顧問業者は、穀物危機を予測して既にとうもろこし市場のロングエクスポージャーを拡大し始めているということも十分考えられます。



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