2012年5月26日土曜日

モルガンスタンレーからヘッジファンドへ


モルガンスタンレーの金利トレーダーDavid Adams氏は、関係筋によると、同社を退職しヘッジファンド大手Brevan Howardに転職するとのことです。

Adams氏は、オーストラリアおよびニュージーランド国債に特化した、シドニーを拠点とするモルガンスタンレー金利トレーディング部門に在籍していました。彼はアジア太平洋地域の国債をも扱っていました。

Adams氏は、香港を拠点とする、Brevan Howard Asset Management LLP傘下のファンドに移転するとみられています。

Brevan Howardは"マクロ"ファンド、すなわち欧州債務危機や米国経済の挑戦といった幅広い経済的視点に基づき通貨やコモディティなどの金融資産に投資するファンドとして知られています。モルガンスタンレーとBrevan Howardはコメントを控えています。

近年、豪国債は投資家の注目を集めており、従来の安全地帯とされてきた米国債と比較して、相対的安全性と高利回りが魅力となっています。



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2012年5月22日火曜日

ミューチュアルファンド型マネージドフューチャーズで広がる可能性


マネージドフューチャーズはこの20年で爆発的に成長してきました。1990年にはわずか110億ドルだったマネージドフューチャーズの運用資産は、2470億ドルにまで増加しています。その主な要因は、マネージドフューチャーズによるポートフォリオ分散化の効果、そして株や債券といった伝統的アセットクラスとの相関性がないことです。

Altegris Investors代表でCEOのJon Sundt氏は「この10年間を見ると、マネージドフューチャーズのパフォーマンスは株式のそれを大幅に上回っています。株式がほぼ横ばいに近いわずか上昇であるのに比べ、マネージドフューチャーズは126%の成長を遂げました」と述べます。「その間、マネージドフューチャーズのドローダウンはより小さく、標準偏差も低く、そして伝統的投資資産クラスとの相関性がかなり低く、マネージドフューチャーズと株式との相関性は3年間、5年間、10年間でゼロに近くなっています。」

マネージドフューチャーズの成長は、ほとんどが機関投資家と大口の個人投資家に由来しています。しかし、マネージドフューチャーズの新たな構造、すなわちミューチュアルファンド形式のマネージドフューチャーズの誕生により、最少投資金額わずか2,500ドルからの投資が可能となり、個人投資家の投資手段の一つとなりました。

AQR Capital Management社長のLasse Pedersen氏は、「機関投資家は主要な伝統的アセットクラスとオルタナティブ投資に分散投資することで多大な利益を得てきました。オルタナティブ投資戦略をミューチュアルファンド形式にすることで、個人投資家もより機関投資家的なポートフォリオを組めるようになったのです」と語ります。

2007年5月、Rydex/SGIが初めてマネージドフューチャーズを組み入れたミューチュアルファンドを開設して以来、この他さらに5社が同様のファンドを開設しました。現在では、マネージドフューチャーズの運用資産総額2470億ドルのうち、ミューチュアルファンドは30億ドル以上を占めます。

日毎の流動性

ミューチュアルファンド型の構造は、低い最小投資金額の他にも、様々な利益をもたらします。

Equinox Fund ManagementのCEOのBob Enck氏は「ミューチュアルファンド構造の特性の一つは、高い流動性であり、投資家の希望に応じて日毎に償還、取引停止が可能であること。もう一つの利点は、独立した受託会社が運用資産を監視しているということです。この独立性が、高い監視効果を確立している」と述べます。

分散化

「ミューチュアルファンド型マネージドフューチャーズの更なる利点は、複数の商品市場において、ロングまたはショート戦略に投資できる能力です。」と、Direxion Fundsのマーケティング部長Andy O’Rourke氏は語ります。さらに曰く、「複数の商品市場で、上げ相場と下げ相場の両極面において収益をあげる、幅広い分散投資が可能となります。上昇と下落の両トレンドで収益をあげなければ、持続的なリターンは得られないでしょう。」

Natixis Global Asset Managementの関連会社、AlphaSimplex Groupの社長兼CEOのJerry Chafkin氏は「ショート(空売り)という概念は、個人投資家の一部にとっては非常に恐ろしいことでしたが、ミューチュアルファンド構造においては、プロの投資顧問が、厳格なモニタリングと分散化された方法で投資するので、厳重なリスク管理のもと、ショートによる利益を得ることができます」と語ります。

ミューチュアルファンドは日毎の流動性を提供しますが、マネージドフューチャーズはやはり長期的な投資です。Chafkin氏によれば「マネージドフューチャーズは長期的資産配分のポートフォリオに加えた場合、投資効率の向上に役立つという論理を支持した著名な研究が幾つもあります。市場が大きく反転するときほど、マネージドフューチャーズは特に良いパフォーマンスを出す理由は、マネージドフューチャーズは下げ相場のトレンドを認識し、伝統的資産クラスの価値が下落する中でも、収益をあげる特性があるためです」とのこと。

Sundt氏は「収益のみを追い求めてマネージドフューチャーズに投資するのではありません。伝統的資産クラスから分散化された、着実で長期的なパフォーマンスを得るためにマネージドフューチャーズに投資するのです」と述べます。

機関投資家

ミューチュアルファンドの低い最小投資額が個人投資家への利点となる一方で、多くの機関投資家もやはりミューチュアルファンド型マネージドフューチャーズに投資しています。

「機関投資家の中には、厳格に規制されたファンドへ投資する選好性が高まりつつあるようです。」とEnck氏は語ります。また、「マネージドフューチャーズは管理口座を利用する上に、ミューチュアルファンド構造が、さらなる監視と規制の層を提供するため、機関投資家にとって魅力的なようです。多くの機関投資家は、直接CTAに投資するのに十分な規模の資金を有するが、こうした機関投資家に、自ら積極的にCTAプログラムによるポートフォリオを管理する専門性は必ずしもありません」と加えます。

我々が取材した各ミューチュアルファンド運用会社は、ミューチュアルファンド型マネージドフューチャーズの成功のカギは投資顧問業者にあると、口を揃えます。



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