2012年6月8日金曜日

マネージド・フューチャーズにいくら投資すべきか(インタビュー)


ファンド・マネージャーのGreg Anderson氏が、彼のファンドのサブアドバイザーがトレンドフォロー型と予測型ストラテジーをいかにして同時に使用しているかを語ってくれました。また、投資家の資産全体の中でマネージド・フューチャーズの配分を適切に行う方法も説明しています。

Kate Stalter:今日はPrinceton Fund Advisorsの投資業務責任者であるGreg Anderson氏と電話がつながっています。まずはマネージド・フューチャーズ・ファンドに関しての投資哲学とトレンドフォロー型と予測型の間でどのようにバランスをとっているかについてお聞きしたいのですが。

Greg Anderson:我々のファンドは少しユニークで、当社にはサブアドバイザーのチームがあり、彼らが16年以上にわたってマネージド・フューチャーズのストラテジーを管理しています。彼らのストラテジーにおいてユニークで評価すべきなのは、私がマネージド・フューチャーズのマネージャーのタイプで最も一般的と考えるトレンドフォロー型に加え、価格変動の予測を試みるファンダメンタルなマネージャー、そして逆張りのマネージャーも用いているという点です。価格がある一定の方向に動いた場合、ある時点で基準値に戻るというのが彼らの考えです。ポートフォリオの半分がトレンドフォロー型で、その残り半分が予測型ファンダメンタルマネージャーと逆張り型のマネージャーです。出来る限り多くの市場で機能するポートフォリオを組み立て、リスクテークに対するリターンを最大化するというのが狙いです。つまり、もっとも円滑で管理されたリターンの流れを得るということです。この組み合わせが我々のストラテジーに長期的にもっともよく機能することがわかりました。

Kate Stalter:それはこの資産配分がサブアドバイザーを使用することによってどのように決定されるかということにもつながりますね。先物の分野では非常に選択肢が多いですが、どのように決定するのですか?

Greg Anderson:そうですね、どのようにシステムを運営するかという点だけでマネージャーを選ぶのではなく、どの市場を扱うかということも関わってきますから非常に選択肢は多いです。我々の特徴としては、通常はポートフォリオの半分でコモディティ先物をターゲットとし、残り半分で金融先物をターゲットとしています。我々が見るのは、それぞれのマネージャーが異なる市場間で、取引をどのように配分しているかという点です。それからトレンドフォロー型、予測型ファンダメンタル・マネージャー、逆張り型それぞれの割合のバランスを見ます。我々の目標は、はっきりとトレンドを示している市場において多くのリターンを掴むことのできるポートフォリオを組み立てるということ、しかし、市場が上がり続けたときや下がり続けたときに備えて、天井と底をコントロールできるように余地を少し残しておくようにしています。市場が反転するときにはボラティリティを減らせるよう、逆張り型マネージャーを用います。

またそのようなときには予測型マネージャーを真っ先に使用することもあります。これらはトレンドフォロー型とはかなり異なり、トレンドフォロー型が価格パターンの上下を追うのに対し、これらはどちらに動くかに関係はありませんが、底値で買うことはありません。価格がその方向性に動いていることを確認します。また天井で売ることもありまあせん。売る前に価格の動きを見るのです。ファンダメンタル・マネージャーは時に予測を行い、変化を予期するようなときにはトレンドフォロー型なら売るような市場に参加することがあります。同時に利益目標を定め、「このレベルに達したら価格が上昇を続けても、トレンドフォロー型が保有し続けても、売ります。今、利益目標に達したので売ります」というようなやり方をします。我々はこの多様化のレベルは非常にユニークだと考えており、これが非常によくリターンとリスク因子をコントロールしていると思います。

Kate Stalter: 個々の投資家にとってのマネージド・フューチャーズの使い方について少しお聞きしたいのですが。ご存知のように、多くの人が市場というと株式やフィックスドインカムを思い浮かべると思うのですが、個人投資家のポートフォリオにどのようにマネージド・フューチャーズを組み込んでいけばよいかについてのアイデアをお聞かせ下さい。

Greg Anderson:マネージド・フューチャーズはほとんどすべてのタイプの投資と非常に低い相関関係にある唯一の資産クラスで、非常にユニークです。マネージド・フューチャーズの株式市場との相関関係を見つけようとしても、そこに相関性はないのです。つまり、株式市場の動きに合わせた予測できるようなパターンでは動かないということ、株式市場が上昇したときにマネージド・フューチャーズも上がることはありますが、まったく逆に動く場合もあるということなのです。

この相関性のなさが、分散化という点からいってすべての人のポートフォリオにとって有益となるのです。2000年、2001年、2002年、2008年は株式市場には非常に厳しい年となりましたが、マネージド・フューチャーズはこれらの市場で非常によい結果を出しました。さらに、ロングでもショートでも利益を出すことができるので、方向性は問題となりません。どちらかの方向に動きさえすればいいのです。つまり、ネガティブな市場環境では株式指数に対してショートを行えばいいのです。どんなポートフォリオにも適応できるユニークな分散性を持つのです。

ポートフォリオに配分するには「いくらが最適か」といったことをよく聞かれます。アドバイザーや顧客がよく用いるのはポートフォリオの5~20%といったレンジです。私が思うには20%というのは普通の人が許容できる範囲を少し超えており、最適なのは5~10%、もしくは5~12.5%だと思われます。当社のやり方は少し変わっていて、まずは投資家のポートフォリオを見て、流動性要求のためのフィックスドインカムはいくらか、そしてそれを差し引いたときにいくら残るか、というのが私たちの言うところのリスク・キャピタルとなります。私たちはリスク・キャピタルのおよそ10%をマネージド・フューチャーズに配分しています。これが少なすぎれば、ポートフォリオ分散化に好影響を与えることができないため、これは非常によい割合だと思います。

Kate Stalter: これはその人の年齢やリスク許容度といったことによって違ってくるのでしょうか?

Greg Anderson: 当社が用いている方法に従えば(もちろんそれぞれが異なる方法を用いているのですが)、フィックスドインカム分、これを流動性資産、つまり安全な資産、そしてキャッシュフロー要求とみなすという考え方です。そのため、投資家が高齢になってくると、ポートフォリオがフィックスドインカムに偏るという傾向が見られます。こういった場合には、投資家がリスクに対して配分する額が少なくなる為、フィックスドインカムへの配分が増えて、マネージド・フューチャーズへの配分は少し少なくなります。若い投資家の場合、もう少しリスクの高い投資をする傾向があります。リスクというのはノン・フィックスドインカムを指しているのであって、投資レベルのフィックスドインインカムではなく、株式や高利回り債券、新興成長市場債券であったりします。

つまり、投資家の年齢によって株式、つまりリスクとフィックスドインカムとの間での重み付けが異なり、年齢が若ければリスクの高いポートフォリオとなる傾向があります。そういった人々はポートフォリオのマネージド・フューチャーズ分はかなり大きい場合がありますが、マネージド・フューチャーズには相関性がないため、どんな人のポートフォリオにも適しているといえます。マネージド・フューチャーズとフィックスドインカムとの相関性を見てみても、0.2~0.3%とかなり低いのがわかるでしょう。他のオルタナティブ投資との相関性も低いため、ポートフォリオへの適合の仕方はユニークです。どのポートフォリオにも適しており、ただレベルがそれぞれ異なるというだけなのです。

Kate Stalter:主要保有資産か、戦術的で売買のできるものか、ということですね。

Greg Anderson:その通りです。そしてなぜ我々がそれを主要保有資産とみなすかというと、相関性のなさとこれまでの実績があるからなのです。さらにマネージド・フューチャーズの範囲は非常に広いのです。国内から国外の市場まで取引が可能です。通貨、金利、株式指数、コモディティ…。100~150の市場でロングもショートも行うことができるのです。つまり取引可能な市場の多様性という点からいうと他の投資と同じぐらい多様であるということができます。ショートもロングも可能ということは、インフレの時にも価格のアップトレンドをとらえることができれば、マネージド・フューチャーズはよい成績を出すことができるということなのです。デフレで価格が下落していたとしてもショートが可能なマネージド・フューチャーズであればよい結果を出すことが可能です。こういった分散性が様々な市場や環境でのトレードを可能にするため、戦略的な配分としてどんな時でも適切といえます。



人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿