2012年9月6日木曜日

米国株、ダウ反落54ドル安、ISM指数悪化でナスダック続伸

3連休明け4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、8月31日に比べ54ドル90セント(0.4%)安の1万3035ドル94セントで終えた。米製造業の景況感を示す指標の悪化を受け、米景気の先行き懸念が広がった。収益が景気の影響を受けやすい素材株や機械株を中心に売られた。

6日の欧州中央銀行(ECB)理事会や7日発表の8月米雇用統計を見極めたいとして市場には様子見姿勢も強かった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した8月の製造業景況感指数が市場予想に反して悪化し、2009年7月以来3年1カ月ぶりの低水準となった。7月の米建設支出も予想に反して悪化した。これらの発表を手掛かりにダウ平均は一時110ドルあまり下げた。

JPモルガン・チェースがまとめた8月の世界の製造業購買担当者景気指数(PMI)も3年2カ月ぶりの水準に落ち込むなど、米国だけでなく世界の景気減速も重荷となった。

一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前週末比8.10ポイント(0.3%)高の3075.06で終えた。12日に新製品発表会を開くと伝わったアップルがスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の新型機を発表するとの思惑から上昇。指数を押し上げた。

業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち「素材」「資本財・サービス」など5種が下落。一方、「電気通信サービス」「生活必需品」などが上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億4000万株(速報値)、ナスダック市場は約14億7000万株(同)だった。

世界のPMI悪化を嫌気し建設機械の米キャタピラーの下落率がダウ平均構成銘柄で最大となった。缶スープのキャンベル・スープは小幅安。5~7月期決算は増益となり買われる場面もあったが、過去1年(52週)の高値を更新した後は利益確定目的の売りに押された。

交流サイト(SNS)最大手のフェイスブックは上場来安値を連日で更新。主幹事証券のモルガン・スタンレーとJPモルガン証券が株価見通しを相次いで引き下げた。8月の新車販売台数が市場予想以上に増えたものの自動車のゼネラル・モーターズ(GM)は下落。

一方、フォード・モーターは上昇。好調な8月の新車販売好感した買いが入った。四半期決算を発表した豚肉生産会社のスミスフィールド・フーズは買われた。コスト高を抑制できるとの市場の見方に加え、自社株買いの継続を好感した買いが優勢になった。


米アップルが12日にイベント、画面大きい「iPhone5」発表か

米アップルは4日、9月12日にサンフランシスコで開催するイベントの招待状を送付した。

アップルは今回のイベントで、年末商戦に向け、新型「iPhone(アイフォーン)5」を発表すると広く予想されており、招待状ではこうした観測を裏付けるかのように、数字の「5」のような影が映し出されている。

イベントはタブレット型パソコン「iPad(アイパッド)」などの発表会場にもなったサンフランシスコのヤーバブエナ芸術センターで開催される。

関係筋によると、新型iPhoneでは、初代機種の発売当初から一貫して3.5インチに据えかれていた画面サイズが4インチに拡大される可能性がある。

グーグルの携帯電話向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した韓国サムスン電子のスマートフォン(多機能携帯電話)は、iPhoneより画面が大きく、これに対抗する狙いがあるとみられている。

今回のイベントをめぐっては、iPadの小型版についても詳細を明らかにするとの観測も出ていたが、招待状にはアイパッドに関する記述はなかった。

スマホやタブレット端末の分野では、9月に新製品発表が相次ぐ。ノキアは5日、米マイクロソフトの最新モバイルOS「ウィンドウズフォン8」を搭載したスマホ「ルミア」新シリーズを発表する。グーグル傘下となった米モトローラも同じ日に新製品を発表するほか、翌6日には米アマゾンがタブレット端末「キンドル・ファイア」の新機種を発表するとみられている。

アップル株が特許勝訴で最高値、アンドロイド勢との明暗鮮明に

27日午前の米国株式市場で、米アップル株価が過去最高値を更新した。米カリフォルニア州連邦地裁で争われていた韓国サムスン電子との特許訴訟で、アップルが勝利したことが好感されている。

今回の勝訴により、アップルは新型機「iPhone(アイフォーン)5」の発売を前に、モバイル市場で一段とリードを広げるとの見方が出ている。

グーグルの携帯電話向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したモバイル機器は世界全体の3分の2を占めており、これらアンドロイド勢がデザインの変更を余儀なくされれば、競争が激化するモバイル市場の勢力図が塗り変わる可能性があるためだ。

アップルは一時、過去最高となる680.87ドルまで買われた。

一方、グーグルは1.3%安。同日のソウル株式市場で、サムスン電子は7.5%急落し、時価総額およそ120億ドルが1日にして吹き飛んだ。

カナコード・ジェニュイティのアナリストは「サムスン製品の米国販売が差し止めされれば、アップルの米市場でのシェア拡大につながる一方、今回の判断を受けて、サムスンはアップルの特許を侵害しないよう取り組む中で、目先の製品発表が遅れる公算が大きい」との見方を示した。

グーグルがタブレット端末「ネクサス7」を発売してハード分野に参入したほか、マイクロソフトもタブレット「サーフェス」や携帯端末向け次世代OS「ウィンドウズ8」の投入でアップルを追撃する構えを見せるなど、モバイル市場の競争は熾烈さを増している。

今回のアップル勝利は、競争が激化する中で潮目の変化となる可能性があり、この日の株式市場では、アップル勝訴が追い風となった銘柄もある。

カナダ・トロント市場のリサーチ・イン・モーション(RIM)株は3.1%高。欧州市場ではフィンランドのノキアも買われた。

マイクロソフトも0.8%高となっている。

2012年9月5日水曜日

NY当局、大手買収ファンドの税務戦略を調査

米ニューヨーク・タイムズ紙によれば、大手買収ファンド各社が米国で数億ドルにのぼる税金の過少納付につながった可能性のある税務戦略について、当局の調査を受けている。

・政治的な動き

ロムニー氏がCEOを務めたベインキャピタルも当局の調査を受けている。

関係者によれば、民主党系のシュナイダーマン・ニューヨーク州司法長官が進めるこの調査の対象には、米買収ファンドのベインキャピタルやコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、アポロ・グローバル・マネジメントが含まれる。ベインは米大統領選で共和党候補に指名されたロムニー前マサチューセッツ州知事が最高経営責任者(CEO)を務めていた。

ある買収ファンド幹部は「これは明らかに政治的な動きだ。予想はされていたがむしろ、もっと早く実施されなかったことに驚く。ベインとロムニー氏が数千万ドルを節税していたとすれば、調査の対象になるのは当然だ」と語った。

今回の調査は大統領選のさなかに明らかになった。再選を目指すオバマ陣営はロムニー氏がベインのCEOであった点や、在職中の同氏への課税率を攻撃している。

民主党はロムニー氏が数年分の確定申告書を公表していないことを非難し、ベイン経営時の雇用創出の実績にも疑問を呈している。一方、ロムニー陣営は景気低迷の好転に必要な経験がある証しとして、ベインでの実績をアピールしている。

・手数料を再投資する戦略

シュナイダーマン司法長官は買収ファンド業界の「手数料放棄」戦略に関する調査の一環として、召喚状を発行した。各社はこの戦略を使って、投資家から受け取った運用手数料をファンドに再投資した。この手数料から得た利益にはキャピタルゲインに対する税率が適用され、通常の収入として扱われる場合に比べて大幅に税率が低くなる。この戦略の合法性を巡って議論が起きている。同戦略はリスクが高く、運用益が出なかった場合にはファンドの運用担当者が損失を抱える可能性も持ち合わせていた。

調査はニューヨーク州の納税者保護部門が実施している。同部門は昨年にシュナイダーマン司法長官により新設されたばかり。この戦略の活用を明らかにした買収ファンドに加え、どれほど広範囲に活用されているのかを判断するために大手ファンドにも召喚状が送付された。

ニューヨーク州司法当局はウォール街の大手金融機関も管轄に含んでおり、これまでも大手投資ファンドへの厳しい姿勢で知られる。

ベイン、アポロ、KKRはいずれもコメントを控えた。当局に提出した書類によれば、KKRは2007~09年には運用手数料放棄の手法を活用していたが、それ以降はこの慣行を断っている。

ファンドに支払われた運用手数料は正確にはリスクのある資本にはならないため、投資銀行でのボーナスや「勝訴しなければ報酬が発生しない」弁護士と同様に、所得として課税されるべきだとの意見もある。


2012年8月31日金曜日

ロムニー氏、08年に年俸3000万ドルのヘッジファンドCEO職を断る

米共和党の大統領候補、ロムニー前マサチューセッツ州知事は2008年当時、米ヘッジファンドのタイガー・マネジメントの最高経営責任者(CEO)職のオファーを断っていた、と米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。

給与3000万ドル(約23億6000万円)前後プラス投資利益を提示されていた模様。

タイガー・マネジメントの創業者ジュリアン・ロバートソン氏が、ロムニー氏が大統領候補者指名争いから脱落した直後に提示した。


ヘッジファンドの一般広告許可も、米SECが意見公募を決定

米証券取引委員会(SEC)による29日の提案によれば、ヘッジファンドは個人投資家の勧誘を非公開で行う形から制限のない広範囲な広告キャンペーンに移行する可能性があるとブルームバーグが報じた。

SEC委員は、プライベートファンドや新興企業の投資家勧誘に関する長年の規制の解禁方法に関する提案について、意見を公募することを賛成4、反対1で決定した。同案は、ヘッジファンドへの大量投資に精通するといった少数の選ばれた投資家以外への投資勧誘を解禁した法律に基づき提出された。

シャピロSEC委員長は投票前に、「一般への勧誘解禁によって生じ得る影響をめぐり、非常に強い懸念があると認識している」と述べ、「SECが将来的に私募発行市場について徹底した調査を行うことがますます重要になると思うが、現時点では議会から託されたこの狭い範囲の責務に取り組むことが適切だ」との考えを示していた。

オバマ米大統領は4月、新興企業の支援を目指す「ジャンプスタート・アワー・ビジネス・スタートアップス・アクト」(JOBS法)に署名。新興企業の資金調達の選択肢拡大策の一環として、投資勧誘制限の解除を命じた。これに対して、投資家保護団体や投資信託業界などが反発。米投資信託協会(ICI)は、一切の制限なく解禁されれば、投資家が一部のプライベートファンドによる誤解を与えるような広告に触れる恐れがあると批判している。

証券法はこれまで、非上場証券の販売先について、いわゆる「適格投資家」と呼ばれる頻繁に投資する富裕層に限定して認めていた。この勧誘規制は小口投資家に不適切なリスクを取らせない狙いがあった。


鴻海:シャープへの出資条件見直し交渉は継続中、早期合意目指す

ブルームバーグによれば、台湾・鴻海精密工業とシャープの出資条件見直し交渉は30日午後も継続中で、可能な限り早期の合意を目指している。大阪・堺工場を視察した台湾の経済団体代表団に同行した鴻海グループ幹部の戴正呉氏が、現地で記者団に明らかにした。

工場視察には鴻海の郭台銘・最高経営責任者(CEO)も参加したが、午後4時からの会見には欠席した。郭氏は27日に代表団の一員として来日した際の会見で、30日夜ないしは31日にシャープ側と会談する意向を明らかにしていた。

戴氏によると郭CEOは3月以降、奥田隆司シャープ社長と直接会ってはおらず、今回の来日でも会見前に工場を離れた時点では会談していなかった。

シャープ広報の武浪裕氏も電話取材に対し、30日に奥田社長らと鴻海が行った交渉に、郭氏は参加しなかったと述べた。また、大阪商工会議所の広報担当者、玉川弘子氏によると、郭氏は31日午前に予定していた大商訪問をキャンセルした。

鴻海は3月にシャープとの提携を発表、新株を1株550円で引き受け、グループで9.9%を出資するとしていた。しかし、業績不振に伴うシャープ株価下落を受け条件の見直しを協議中だ。同株の30日終値は227円。

郭氏らが訪れた堺工場はシャープが液晶パネルの最新鋭工場として建設。その運営会社には資本提携に基づき7月に鴻海側が出資。現在の出資比率は、シャープと鴻海側が各37.6%となっている。

将来は「アップルTV」も

工場を訪れた別の鴻海幹部である林忠正氏は記者団に対し、堺工場の設備増強を年末にも決定する意向を示した。同工場の生産能力を現状から7割近く増やし月産12万枚(第10世代ガラス換算)とするには、1000億円の追加投資が必要との試算も示した。

林氏は将来的には、鴻海に携帯電話などの組み立てを委託している米アップルが計画中とされるテレビ向けに、液晶パネルを供給したいとの意向を示した。ただし、アップルが「独自の長期プランを持つ会社」だとも強調し、連絡を密にして鴻海側の現状を伝えたいと語った。


2012年8月28日火曜日

ヘッジファンド、ドルの強気派から離脱-G10のリスク低下で


8月27日(ブルームバーグ): ヘッジファンドや大口投機家は世界経済への信頼感拡大を背景に、ドル高を見込んだ投資を過去最速のペースで引き揚げている。

成長のもたつきや投資家のリスク資産敬遠の動きに伴い、米ドル高を見込んだ先物契約は6月に過去最高水準に増加した。現在、ヘッジファンドはこうした投資を反転しつつある。中国から米国まで各国の中央銀行が景気てこ入れを表明しているため、運用担当者はスウェーデンやオーストラリアなどへの投資でより高いリターンを確保しようと動いている。

トレーダーの間で比較的安全なドル建て資産への需要が低下している背景には、10カ国・地域(G10)などのソブリン債の保証コストが1年ぶりの低水準に下がっているほか、株価が2008年以来の高水準に達していることがある。金利が米国の約6倍の水準にあるスウェーデンの通貨クローナはこの1カ月、他のどの主要通貨よりも上昇した。一方、混乱の期間に逃避先だったドルと円は最も下げた。

コメルツ銀行の為替ストラテジー責任者、ウルリヒ・ロイヒトマン氏(フランクフルト在勤)は21日、「外為を含め金融市場全般でリスク許容度の回復が見られている」とし、「ドルから、豪ドルや北欧の通貨などファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が健全な通貨に投資を分散化する動きが出てくるだろう」と話した。

ユーロと円、ポンド、カナダ・ドル、クローナ、スイス・フランを追跡するドル指数は7月24日に年初来高値となる84.1を付けた。その後、3%下落して8月24日に81.593となっている。先週の米ドルは対ユーロで1.4%安の1ユーロ=1.2512ドル。対円では1.1%安の1ドル=78円67銭だった。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、21日時点で主要8通貨に対するドルの下落を見込んだ建玉は上昇を見込んだ建玉を差し引くと13万1512枚。6月5なる。




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アップル株、NY市場で高値更新=サムスンは急落


27日のニューヨーク株式市場では、スマートフォン(多機能携帯電話)の特許侵害をめぐる米連邦地裁の訴訟で、米アップルが韓国サムスン電子に事実上勝訴する陪審団評決が出たことを受けて、アップル株が急伸、一時680ドルを超え、21日の取引時間中に付けたこれまでの上場来高値(674.88ドル)を上回った。

 一方、27日のソウル株式市場ではサムスン電子の株価が急落、前週末終値比7.45%安で終了した。ロイター通信によると、サムスンの時価総額はこの日の株価急落で約9500億円減少した。

 米グーグル株もニューヨーク市場で急落。グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を使ったスマホはサムスンを筆頭に世界市場を席巻してきたが、今回の評決で各メーカーとも商品戦略の見直しを迫られるとの思惑が広がっており、重しとなった。





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2012年8月25日土曜日

Citi(シティ)、Paulson(ポールソン)ヘッジファンド解約を検討


ロイター通信によれば、著名ヘッジファンドマネジャーのジョン・ポールソン(John Paulson)氏率いるポールソン・アンド・カンパニーのファンドから、シティ・プライベート・バンク(Citi Private Bank)が4億1000万ドルの資産を解約する方針であることが、関係者の話で明らかになりました。

シティはポールソン社の旗艦ファンドであるアドバンテッジ・ファンドのほか、マージャー・アンド・リカバリー・ファンドに投資している資産を引き揚げる方向で検討している模様です。

7月末までのパフォーマンスはアドバンテッジ・プラス・ファンドがマイナス18%、アドバンテッジ・ファンドもマイナス13%と低迷しています。

ヘッジファンド調査会社のHFRによると、この期間のヘッジファンド全体のパフォーマンスはプラス2.88%で、株式市場全体のプラス7.41%を下回っています。

しかし、ヘッジファンドはそもそも中長期で投資するのに適した商品なので、運用実績が不振な月があるのは当然で、その都度資金を引き上げればかえって損失となります。




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2012年8月24日金曜日

宗教法人も、条件付でヘッジファンドに投資


最近のアメリカでは、宗教法人や宗教的な心情を基とする企業法人による、ヘッジファンドでの資産運用が増えてきています。

しかし、こうした宗教法人の多くは、その教義上、特定の商品や証券に投資することができません。教義に反するからです。例えば、酒、タバコ製品、ポルノ、風俗、賭博、武器製造などから主な収益を上げている企業への投資はしません。

こうした法人団体からの投資資金を求めるヘッジファンドは、上記のような関連企業へは投資しないという条件で投資戦略を立て、運用しています。この様なファンドは、Screened Hedge Fund (portfolios) と呼ばれます。




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2012年8月22日水曜日

マネージドフューチャーズ・ファンド、長期トレンドフォロー vs 短期取引


マネージドフューチャーズにとっては、通常は、市場のボラティリティが収益をもたらす潤滑油となります。薄商いの夏も終盤、市場が活気を取り戻しつつある上、財政予算年度の変わり目も相まって、マネージドフューチャーズの動きから目が離せません。

市場のトレンドや相場を頼りに、ロングかショートかの取引を行うマネージドフューチャーズは、先物契約の売り買いを活用します。昨年末以来の、まちまちの市場の動きに、ファンドマネージャーたちも頭を抱えます。

しかし、この一方で、短期的な取引を中心に運用を行うマネージドフューチャーズ・ファンドは、業界全体がマイナス成長となった昨年も、好調な実績を示したことが調べでわかりました。

オールタナティブ・インベストメント(代替投資)のアナリストであるNadia Papagiannis氏は、「実績の好調なマネージドフューチャーズは、トレンドフォロー型でないことが多い」と語ります。




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UBS銀行、クオンツ・ヘッジファンドを新設か


ブルームバーグによれば、スイスの銀行UBSは、プライムブローカーと取引執行のサービスを組み合わせ、クオンツ戦略のヘッジファンド向けにサービスを提供する部門を新設する模様です。

新設されるのはUBSクオントHQで、ニューヨーク在勤のスコット・スティックラー氏が責任者となります。同氏によると、新部門は株式とオプション、先物を手掛けるファンドを対象にサービスを提供し、将来的には債券と外国為替に関する戦略のファンドも加えるとか。ロング・ショート戦略や裁定取引に特化した新興および既存のファンドを対象にする予定です。


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2012年8月18日土曜日

ヘッジファンドのJohn Paulson(ジョン・ポールソン)はゴールドの虫?


先日、ヘッジファンドのJohn Paulson(ジョン・ポールソン)が金(ゴールド)買いをしたことが報じられましたが、Warren Buffet(ウォーレン・バフェット)氏によれば、ゴールド買いは、投資戦略の観点からすると得策ではないようです。

バフェット氏は、このことを数学を使って計算し、証明しています。その記事はこちら

しかし、ポールソン自身をはじめ、ヘッジファンドの一部は、バフェット氏の主張に異議を唱えています。

ポールソン氏は、住宅市場の崩壊を通して数十億ドルの財をなしました。株式市場が底をついた2009年3月時点には、同氏はポートフォリオ全体の46%相当をゴールドに投資していました。しかし、ゴールドに投資していたのは同氏だけではありません。ジョージ・ソロス氏もそうしたヘッジファンドの一人です。




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MF Global(グローバル)の元CEO、ヘッジファンド設立か


巨額の資金紛失で昨年10月に破綻した、MF Global(MF グローバル)の元最高経営責任者(CEO)ジョン・コルジン(Jon Corzine)氏が、ヘッジファンドの設立を計画していることを、ニューヨークタイムズ(New York Times)が報じました。

この一つの理由として、同社は顧客の巨額の資金を紛失下にもかかわらず、コルジン氏やその他の経営責任者は、刑事事件の罪に問われないからです。”I simply do not know where the money is.”(「資金がどこにあるか単純に判らないのです」)との、当時の公聴審問における同氏の発言は、大きな反響を呼び、話題となったことは記憶に新しいところです。

もし、ヘッジファンドとして社会復帰したとしても、同氏にとっては単なる転職に過ぎないのでしょう。実際同氏は、MFグローバルを経営する傍らで、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のCEO、米国上院議員、そしてニュージャージー州知事と、複数の要職に就いていました。




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2012年8月16日木曜日

Brevan、10億ドルの為替(FX)ファンドを米国投資家にマーケティング


Brevan Howard Asset Managementは、米国内において、設立3年目となる為替(FX)ファンドのための資金調達の努力を開始しました。

この英国ロンドンを拠点とする同社は、先月ニューヨークに支店を開設しました。同FXファンドは、マクロ型であり、10億ドルの資金調達を目指します。同ファンドに参加するためには、投資家の最小等資金額は100万ドルからとなります。

このマクロFX(為替)ファンドは、元メリルリンチの外国為替部のトレーダーであったLuke Ding(ルーク・ディン)氏によって運営されます。同ファンドは2009年11月に開設して以来、年利3.6%の実績(リターン)を出しています。




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ヘッジファンドのポールソン(Paulson)、ゴールド(Gold)を大量買い


Paulson & Co. は、最近の金価格の上昇を受け、金(Gold)を大量買いしました。

ニューヨーク所在の同ヘッジファンドは、450万ドル相当を金のETFに増資しました。主な投資先は、SPDR Gold Trust、NovaGold ResourcesやAllied Nevada Gold Corp.です。

また、金現物関連の株式にも増資しており、同ヘッジファンドの運用資産総額210億ドルの実に44%もの高い割合が金を対象に取引されています。

これは、Paulson(ポールソン)にとって2009年の第1四半期ぶりの大きな金取引です。事実、ここ2四半期、Paulsonは金のポジションを減少させております。なお、2009年の第1四半期当時の、同ヘッジファンドが金関連投資に占める割合は46%でした。

本年初来、同ヘッジファンドは2桁台のマイナス成長を出しています。

同四半期に金を買いに出たのは、Paulsonだけではありません。Paulson同様に金に懐疑的なジョージ・ソロス(George Soros)氏も、金を買いに出ています。





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2012年8月14日火曜日

FX(外為)個人投資家、9割が損失



このビデオ、Forexの広告ですが、なかなかアプローチが面白いので簡単にご説明します。

基本的には、www.50wallstreet.net という業者のFX教材広告ですが、その宣伝目は、「巷のForexの広告や、一般的に普及しているForexのストラテジーでは、ほぼ勝ち目はない。そこで、Forexで実際に稼ぐための10のポイントを紹介する」という感じです。

この業者やその教材の信憑性の是非はさておき、この英国なまりの英語の女性が紹介する10のポイントは、ある程度正確だといえます。業界で常識の統計や事実を列挙しています。

さて、以下にざっと要点をまとめます。

・・・

テレビやインターネットなどで、FXで一夜で大きな収入を得ることができると、皆さんはよく耳にすると思います。
残念ながら、現実には、個人投資家の90%が、FXで最終的には損失をだしており、多くの口座は6ヶ月以内に閉鎖されています。

確かに、FXで収入を得ることは可能です。
しかしそれは、多くのブローカーが言っていることをすることによってではなく、それ以外の戦略を用いなければなりません。

26年間の投資経験をもつVince Stanzione(ヴィンス・スタンチオネ)は、以下のポイントを提供しています。

#1 高価なソフトウェアやトレードロボットに、ムダなお金をかけるな。
#2 デイトレードはお金と時間のムダ。統計上、デイトレーダーはマクドナルドの最低賃金以下しか稼いでいない。
#3 収益を得ているFXトレーダーの大半は、長期取引で収入を得ている。
#4 短期チャートを見るな。中長期のトレンドラインを使うべし。
#5 初心者はOTC(オーバーザカウンター)FXブローカーを使うな。
#6 テレビや新聞、インターネットのニュースをあてにするな。マーケットはニュースが公になるころにはすでにそのニュースを反映している。
#7 あなたの考えではなく、目に見える数値をもとに取引しろ。
#8 メジャーではなく、エキゾチック通貨ペアも考慮しろ。(例:ノルウェー・クローネ、スウェーデン・クローナ、南アフリカ・ランドなど)
#9 時には、FXのベストな取引とは、取引をしないこと。
#10 エントリーだけでなく、エグジットとも考えろ。

以上です。
それぞれの項目に、通貨の説明も加えているので、ビデオをご覧ください。




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2012年8月11日土曜日

マネージドフューチャーズ・ファンド、銅市場で弱気な相場観=CFTC報告

CFTC(米商品先物取引委員会)が本日発表した統計によれば、マネージド・ファンドは今週、銅市場における弱気な建ち玉(ポジション)を23%増加しました。

同カテゴリーに該当するトレーダーは全体で、982枚のロングポジション(上げ相場観)と、2,521枚のショートポジション(下げ相場観)を建てました。

これにより、市場全体のネット・ショートポジションは、前週の6,664枚から8,203枚へと増加し、6月26日の週以来最大幅の増加となりました。

ネット・ポジションとは、ロングとショートの建ち玉の差を指します。




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Manchester United(マンチェスター・ユナイテッド)がNYSEでIPO(新規株式公開)


英国の強豪サッカーチーム、Manchester United, Ltd(マンチェスター・ユナイテッド)が本日、NYSE(ニューヨーク証券取引所)でIPO(新規株式公開)しました。証券コードは「MANU」です。

IPO価格は、一株当り14ドル、1660万株で設定されていました。その後わずか3.5時間で、一時150%上昇となる2500万ドルの資金を調達したものの、同経営陣の3330万ドルの期待を大きく下回りました。


同株式は、頻繁に取引を行うデイトレーダーには格好の銘柄となる一方で、歴史的に株式公開をしたスポーツチームで、市場インデックスを上回る実績を出したチームは極めて稀であるため、ロングするべきではないとの見方もあります。

ここから、NYSEで行われるイベントの日程をご覧いただけます。

以下は、本日の開場の映像です。



また、取引所の目の前では、子供たちによるサッカーのゲームイベントがにぎやかに行われました。








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2012年8月10日金曜日

Carlyle Group(カーライル・グループ)ファンドが、ソシエテジェネラルからTCWを買収へ


プライベートエクイティ大手のCarlyle Group(カーライル・グループ)が、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルからTCW(Trust Company of the West)を買収することを明かしました。

米ロサンゼルスを拠点とするTCWは、米国最大規模のペンションファンド(年金基金)、大学基金や大手機関投資家の資産を運用しています。

この取引にかかる資本の大半は、カーライルのファンドである、Carlyle Global Financial Service Pertnersが負担します。TCWの現在の経営陣はほぼそのまま維持する形ですが、同社の持分はすでに減少しています。



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ジョン・ポールソン(John Paulson)、ラスベガスの土地を買い上げる

ヘッジファンドのJohn Paulson(ジョン・ポールソン)氏は、不動産市場の下落に賭してその名をあげ、財を成しました。今、氏はその市場の復活にかけています。

ポールソン氏のヘッジファンドは、ラスベガスのリゾート地に約875エーカーの未開発の地を購入しました。Paulson & Co Real Estate Recovery Fundは、この土地に1700万ドルを支払いました。

ラスベガスでは現在、在庫が減少傾向にあるうえ、住宅価格が上昇傾向にあることが今回の決定に寄与しているようです。さらに、このリゾート地は、カジノ、ゴルフコース、人口の湖と2つのホテルなどの主な施設を取り巻く形で葉点しています。





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2012年8月9日木曜日

D.E. Shaw Groupのショー氏、ニューヨークに7500万ドルの住宅を建設


D.E. Shaw Groupの創立者David Shaw(デイビッド・ショー)氏が、別荘を建設中です。

場所は、マンハッタンから北へ約10マイルの近郊で、設計から含めると、建設にはすでに数年の歳月を費やしているようです。それでも、完成までにはさらに1年以上を要するとのこと。個人資産30億ドル、スタンフォード大学の生物化学・コンピューター科学博士号を持ち、コロンビア大学でも教鞭をとった経歴を持つショー氏のこだわりが感じられます。

この、敷地面積3万スクエアフィート、ウェストチェスターでもっとも高価な住宅の時価総額は、約7500万ドルとのことです。建物は地上2階、地下1階からなる3階建て。建築士は、世界的に著名で、多くの美術館や学術機関の建物も手がけてきたSteven Holl(スティーブン・ホール)氏です。



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投資家、6月に49億ドルをヘッジファンドから償還


この6月、ヘッジファンド全体からおよそ49億ドルの資金が流出しました。過去12ヶ月間の流出資金は合計で、321億ドルにのぼります。ただし、5月には11億ドルの資金が増加していることも事実です。

バークレイ・ヘッジによる統計では、ヘッジファンド業界全体の運用資産総額は1.3%減少し、1兆7100億ドルとなりました。

それではこうした流出した資金の移動先は、どこでしょうか。リスク選好性の高い一部の投資家は、ユーロ圏のヘッジファンドへと資金を移行しているようです。こうした投資家は、ユーロ圏債務危機から派生する機会に乗じる期待が支配的なようです。同資金の約3%がこうしたヘッジファンドへ流れています。




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Knight Capital(ナイト・キャピタル)、自由市場ならではの理想的な再起


ウォールストリートで稀に見る、奇跡的な復活劇です。

システム障害に伴う誤発注で4億4000万ドルの損失を被った米マーケットメーカー(値付け業者)のナイト・キャピタル・グループ(Knight Capital Group)は、一度は破綻の危機に直面しながらも、投資銀行やプライベートエクイティーの資金注入などを活用し、わずか数日間で奇跡的な業務建て直しを成し遂げました。

今回のナイト・キャピタルの再起のプロセスでは、顧客の資金や税金などが直接的な損失を被ったわけではなく、一部の専門家からは理想的な経営判断であったとの評価を受けています。

ニューヨーク大学(NYU)金融専門のRoy Smith(ロイ・スミス)教授は、「これ(ナイト・キャピタルの再起のプロセス)こそ、期待されるべきやり方だ。自由市場の問題に対する、自由市場流の対応である」と述べます。

先週、同社のシステム上のエラーを伴う、不適切な取引活動により数十億ドル規模の資金が影響を受ける結果になったものの、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)などの支援により事態を乗り越えました。



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ヘッジファンド・マネージャー、積極的に内部情報収集=内部告発者証言

インサイダー取引の容疑で告訴されている、北カリフォルニアのヘッジファンド・マネージャーが、テクノロジー企業の内部情報の入手に躍起になり、時には情報提供者の女性に花束を贈るなどしていたことが明らかになりました。

同企業の元女性従業員、Roomy Khan(ルーミー・カン)氏によれば、同ファンドマネージャー、Doug Whitman(ダグ・ホイットマン)氏は非常に積極的に内部情報の提供を迫ってきたといいます。政府側の証人であるKhan氏が、法廷2日目に証言しました。

ホイットマン氏は、テクノロジー企業Polycom(ポリコム)を対象としたインサイダー取引により、18ヶ月間でおよそ100万ドル相当の不正な利益をあげたとして告訴されています。

自身も2つの異なる刑事事件で訴えられているカン氏ですが、今回は同事件解決に協力的な姿勢です。同氏の火曜日の証言によれば、ポリコム社元幹部のSunil Bhalla(サニル・バラ)氏から社内の機密情報を取得し、同社四半期決済の情報が発表される前に、ホイットマン氏に内部情報を漏洩したとのこと。

カン氏自身、2006年1月に、バラ氏から得た内部情報を元に同社株を取引し、およそ30万ドルから40万ドルにおよぶ利益を不正に得ていたことを証言しました。




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2012年8月7日火曜日

米ナイト・キャピタル、ブラックストーンなどが総額4億ドル支援


米マーケットメーカーのナイト・キャピタル・グループ(Knight Capital Group)は6日、米プライベートエクイティ(PE)大手ブラックストーン・グループ(Blackstone Group)などから総額4億ドルの支援を受けたことを発表しました。

ブラックストーンの他、シカゴに拠点を置くマーケットメーカーのGETCO、金融サービスのTDアメリトレード・ホールディング、スティフェル・ニコラス、ジェフェリーズ・グループ、スティーブンスが、ナイト・キャピタルの優先株を1株当たり1.50ドルで買い、同社の株式を合計で73%取得したと、ナイト・キャピタルが声明を発表しました。

声明によると、これらの優先株はおよそ2億6700万株の普通株に転換できること、また現在7人で構成される取締役会に新たに3人が加わることが明らかにされています。

ナイト・キャピタルは前週発生した株式売買システムの障害により4億4000万ドルの損失を出しています。

ニューヨーク証券取引所は、ナイト・キャピタルの資本増強が完了するまで同社が扱う500以上の銘柄のマーケットメイク業務を一時的にGETCOに移管することを発表しました。

ナイト・キャピタルのトム・ジョイス最高経営責任者(CEO)は、優先株を引き受けた投資家グループはCEOと幹部チームを支持しているものの、これまでの戦略を維持するか縮小させるか現時点では分からないとしました。

投資家グループによる支援を受け、バンガード・グループとイートレード・フィナンシャルの大手証券2社がナイト・キャピタルへの注文を再開、同社に対する市場の信頼感がやや戻った模様です。




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ニュージャージー州の厚生年金基金、17億4500万ドルを代替投資へ


ニュージャージー州の厚生年金基金が、17億4500万ドルを代替投資(オールタナティブ・インベストメント)へ投入しました。

この資金は、合計7つの運用会社に委託されました。その内、Och-Ziff Capital Management社への委託金額は6億ドルの最大となりました。その他、Arden Capital Management社とRock Creek Group社にそれぞれ2億5000万ドルを委託しました。




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Citadel Securities 元幹部がヘッジファンド設立へ


Chris Boas(クリス・ボアス)が、Longwood Credit Partners(ロングウッド・クレジット・パートナーズ)を設立、来年第1四半期中に同ヘッジファンドを開始すると発表しました。同ヘッジファンドは、確定利付証券(fixed income)による裁量取引戦略を中心に運用します。

Chris Boas氏は、元々Citadel Securitiesというインベストメント・バンキング事業部の債券市場における取引を統括していました。昨年末に、同社を離職しています。




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2012年8月5日日曜日

ナイト・キャピタル(Knight Capital)、取引相手が救済


米マーケットメーカー(値付け業者)のナイト・キャピタル・グループ(Knight Capital Group)が発行した4億ドル(約313億円)の転換優先株を引き受けた投資家は、世界最大の株式市場における個人投資家最大の取引相手であるナイト・キャピタル社の運命を握る格好になりました。

ナイト・キャピタルが先週のシステム障害に伴う誤発注で4億4000万ドルの損失を被ったことは、機関投資家にとっての同社の重要性を浮き彫りとさせる一方で、第1四半期の個人による米株取引高の月次平均の29%を同社が占めていたことがわかりました。

ディスクロージャー(情報公開)資料は、ナイト・キャピタルの転換優先株を買い入れたうちの2社、スタイフェル・ニコラスとTDアメリトレード・ホールディングが第2四半期にニューヨーク証券取引所上場証券の市場注文のそれぞれ38%と9%をナイト・キャピタルに出したことを示しています。

関係筋によると、スタイフェルとTDアメリトレードの他に、電子取引企業GETCOとブラックストーン・グループ、スティーブンズ、ジェフリーズ・グループが出資に応じた模様です。




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2012年8月2日木曜日

米ナイト・キャピタル・グループ、自動取引システムエラーで4億4千万ドルの損失

米ニューヨーク証券取引所で8月1日、マーケットメーカーのナイト・キャピタル・グループの自動取引システムに障害が発生し、140銘柄が乱高下しました。

ナイト・キャピタルの発表によると、取引ソフトウェアのインストールが原因で誤った取引注文が大量に出されました。誤った取引による同社の損失は、約4億4千万ドルにのぼります。ナイト・キャピタルの株価も2日間で70%以上下落したが、同社が融資枠を確保し、取引を再開する顧客が増えたことから3日には57%上昇する見込みです。




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2012年7月26日木曜日

ドイツ、個人投資家のヘッジファンド参加を規制へ


ドイツは伝統的に、ヘッジファンドに対する批判的な立場を誇示しています。ドイツ前副大統領がヘッジファンドを「イナゴの群れ」と呼んだことが話題となったこともあります。

そんなドイツが更にヘッジファンドの規制を強化すべく、新しい法案を発表しいました。本日発表された同法案によると、専門の機関投資家や業者ではない、一般の個人投資家がヘッジファンドに直接投資することが規制されます。唯一、ファンド・オブ・ファンズ形式のヘッジファンドへの参加は可能ですが、それでも厳しい条件が伴います。

ドイツ金融相の広報担当官は、「同法案は、個人投資家をリスクの高い投資から保護することが目的」であると発言しました。

同国のヘッジファンド関係者からは反発の声が広がっています。




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大手ヘッジファンド、BestBuy株で巨額の損失を被る


ヘッジファンドマネージャーであるDavid Einhorn氏の投資家宛ての手紙によれば、Greenlight Capital(グリーンライト・キャピタル)社は、大手家電販売店Best Buy(ベストバイ)の株式による損失を出し、2.27%を占める同株式、770万株を売却しました。Greenlight社は具体的な損失の金額を開示しませんでしたが、関係筋によればおよそ1億ドルにのぼる見込みです。

Greenlight社が同株式売却を行った理由の一つに、最高経営責任者(CEO)のブライアン・ダン(Brian Dunn)氏と、創設者のリチャード・ショルズ(Richard Schulze)氏の最近の辞任があります。ダン氏は、女性社員との交際関係を批難されると即辞任しました。調査の結果、同社員とのあいだに不適切な関係が確認され、それを認識していながらも告発しなかったショルズ氏も辞任しました。

同株式は、58セント安、または3.1%下落の、一株当たり18.10ドルで火曜日の取引を終えました。



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2012年7月25日水曜日

流動的なマネージドフューチャーズのミューチュアルファンドへの資金流入


 コーウェン・グループ(Cowen Group, Inc.)のグローバル・オールタナティブ・インベストメント事業部のラミウス(Ramius, LLC)は本日、マネージドフューチャーズを中心とした流動的な代替投資商品に関する詳細なレポートを発表しました。同レポートは、ラミウス・トレーディング・ストラテジーズ(Ramius Trading Strategies = RTS)の最高形成責任者(CEO)ウィリアム・マー氏と、投資リサーチ部門ディレクターのアレクサンダー・ルビン氏による共著です。

レポートによれば、リーマンショック以降、流動的な代替投資での運用資産額は急増し、ミューチュアルファンド型の代替投資商品に限れば、5倍に増加しています。これは、個人投資家が、日毎の流動性がある代替投資を好んでいるためだといいます。

ミューチュアルファンド型のマネージドフューチャーズに限っても、その運用資産総額は2006年の2億4,400万ドルから、2011年の75億ドルへと成長しています。

ウィリアム・マー氏は、「2008年の金融危機を受けて、より流動性が高く、透明性があり、規制されている投資商品である、オールタナティブ・インベストメントへ対する需要が、投資家の間で高まっています」と語ります。「ヨーロッパにおいては、この現象はUCITS(ユーシッツ)ファンドの大きな成長につながり、ここ米国においてはマネージドフューチャーズ・ファンドの運用資産総額が飛躍的に増加しました。モーニングスターによれば、今現在、米国にはこうしたファンドが323存在し、その運用資産総額は1,200億ドルを超えました。」



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2012年7月21日土曜日

361キャピタル、カウンタートレンド型のマネージドフューチャーズ戦略ファンド

運用会社や大口資産家に代替投資ファンドを提供する361 Capital(361キャピタル)社。同社の、361マネージドフューチャーズ戦略ファンドは、第2四半期を好調な実績で終えました。

同ファンドの特徴は、市場の相場とは相関性を持たずに、独立して推移するところにあります。したがって、『カウンター・トレンド』、つまりトレンドに反して動きます。

同ファンドは、カウンタートレンド戦略を用い、絶対的収益を目指し、第2四半期は8.15%のプラスリターンを出しました。その一方で、比較すると、モーニングスターのマネージドフューチャーズ指数の同時期のリターンは2.69%のマイナスで、S&P500のそれは2.75%のマイナスとなりました。

アメリカはデンバー所在の361キャピタルは、2011年12月に同ファンドを開設しました。同社のブライアン・カニングハム社長は、同ファンドの実績は、カウンター・トレンド戦略を用いた運用が、今のようなボラティリティの高い市場環境においていかに有益かの証左であると語ります。また同社長は、同ファンドが好調な理由の一つは、「市場は短期的には効率的ではないという理論を基としている」ためだと説明します。「つまり、同ファンドの戦略は、収益(リターン)を得るのに、安定したトレンドの存在する市場環境を必要としない」と。

この点では、同じくアメリカはヘッジファンドの巣窟であるコネチカット州のGlobal Sigma Group(グローバル・シグマ・グループ)社のCTAプログラムと類似します。同プログラムも、市場の相場とは無関係に、S&P500のオプションを頻繁に取引しながら、絶対的リターンを獲得します。同社社長のハンミン・ラオ博士は、ハーバード大学で工学博士号を取得し、マネージドフューチャーズの業界から広く注目を集めている投資顧問です。



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ヘッジファンドからマネージドフューチャーズCTAへ

Efficient Capital Management(エフェクティブ・キャピタル・マネジメント)の共同経営者ジム・コーン氏(Jim Cone)が、「マネージドフューチャーズは、実にアルファ型の投資手法で、全ての資産クラスをロングまたはショートできます」と発言しました。
コーン氏によれば、ヘッジファンドは高く評価しているが、そのリターンはベータ型であることが多く、カウンターパーティーリスクやクレジットリスク、そして流動性リスクや透明性リスクが伴います。
マネージドフューチャーズは今現在、ヘッジファンドを含む代替投資(オールタナティブ・インベストメント)の分野において運用資産総額が最も急成長している投資商品で、その総額は3,500億ドルにのぼります。
しかしながら、日本市場と日本の投資家の間では、マネージドフューチャーズに関する知識と理解が十分ではありません。否、欧州やその他各国でも、その知識はまだまだ不足していると言えます。
「私はオーストリア人だが、オーストリアやスイスでは、CTA(商品投資顧問業者)が多く存在するし、その知識も普及している。ペンションファンドなども、CTAを良く理解している。しかし、ドイツや南ヨーロッパの国々では、CTAやマネージドフューチャーズがあまりよく理解されていない。その理由の一つは、欧州の投資家が自らのポートフォリオを作ろうとはせず、ファンド・オブ・ファンズに傾倒しがちだからだ。しかし、今ではよく知られているとおり、ファンド・オブ・ファンズはその勢力を弱めており、マルチ戦略型の運用会社などに、そのビジネス形態をシフトし始めている。」と、コーン氏は語ります。
日本では近年、投資家の間でようやく『ヘッジファンド民主化』が言われるようになりましたが、欧米ではマネージドフューチャーズやCTAがより大きな注目を集めており、より大きな資産が集まってきています。



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2012年7月6日金曜日

ABS Investment Management、新興国市場ファンド開設

ABS Investment Management は新興国市場のファンドオブヘッジファンズを開設しました。

新興国に投資すること自体は同社にとって新しいものではありません。同社は37億5,000万ドルの運用資産のうち20%を新興国関連へ投資しています。今回の新ファンドの新しい点はファンドオブファンズ形式だということです。

ABS Investment Managementの共同創業者で新ファンドのファンドマネージャーの一人Guilherme Valle氏は「数年の間、幾つかの投資家から新興国市場のみに特化したファンドオブヘッジファンズを作ってほしいとの需要がありました。15年間、我々は新興国市場をつぶさに調査してきました。そして我々の世界的なネットワークを通じてファンドマネージャーを確保しました」と述べました。

その結果、世界各地の新興国に投資するの13人のファンドマネージャーがABS Investment Managementの新ファンドオブヘッジファンズに結集されました。ファンドマネージャーはそれぞれブラジル、チリ、香港、シンガポール、南アフリカ、ロシア、米国、イギリスを拠点とし運用を行います。

新ファンドは当初2,500万ドルからスタートし、11月にはさらに2,500万ドルが加わる予定です。

このファンドはケイマン諸島に籍を置いています。資産管理・保管業務はCitco Fund Services社が行います。



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韓国、ヘッジファンド産業の国内育成なるか-韓国投資業界の規制改革

韓国型のヘッジファンドとプライムブローカーが同国の金融業界の注目を浴びています。6月中旬、韓国のヘッジファンドに関する二つの会議がソウルで開催され、韓国型ヘッジファンドおよびプライムブローカーが話題の的になりました。一つは韓国ヘッジファンド会議で、韓国金融サービス委員会(FSC)、金融監督サービス、韓国資本市場協会、ニューヨークヘッジファンド円卓会議によって開催されました。もう一つは韓国投資会議で、CFA韓国とCFA Instituteによって開催されました。また韓国投資協会も両方の会議に参加しました。

韓国のヘッジファンドへの規制体制はドラマティックに変遷しました。資本市場強化法(2009年)をはじめとする自由化と投資家保護が進められ、2011年には、韓国内の投資家のオルタナティブ投資需要に対応するために、様々な変革が行われ韓国型ヘッジファンドの地固めが行われました。韓国政府は国内資本市場を強化し、世界水準への引き上げを目指しています。

韓国では近年、5000億ウォン(約43万US ドル)以上の資産を持つ個人投資家が増えるとともに、ヘッジファンドへの投資家層が拡大してきました。それにともないレバレッジ規制(300%から400%に引き上げ)やデリバティブ規制などで規制緩和が行われています。一方、報告義務はより厳しいものとなりました。四半期毎の情報開示では、投資戦略、レバレッジ、デリバティブ投資などについて詳細に記述する必要があります。
また韓国金融サービス委員会(FSC)は2011年11月、ヘッジファンドビジネスへの新規参入について、新たな規制基準を設けました。



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中国エバーブライト、ヘッジファンドビジネス開始

中国の政府系投資会社China Everbright Ltd.(チャイナ・エバーブライト)がヘッジファンドビジネスに乗り出します。

チャイナ・エバーブライト傘下のEverbright Capital Management(エバーブライト・キャピタル・マネジメント)は今週二つのファンドを開設し、さらに一つのファンドを来月に開設する予定です。今月開設する二ファンドはマルチ・ストラテジーで、来月設定するファンドはヘルスケア業界への投資に特化します。

エバーブライトはファンド開設にあたって、英RBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)出身のAli Ahmed(アリー・アーメド)氏と米Jana Partners(ジャナ・パートナーズ)出身のAdam Weinrich(アダム・ワインリッチ)氏を起用しました。Ahmed氏はRBSのグローバル株式トレーディング部門の元統括責任者、Weinrich氏はJana Partnersの元マネージングディレクターです。

Ahmed氏はアジア市場に特化した株式ロングショート、レラティブバリュー、アービトラージ、イベントドリブンの各戦略を担当します。Weinrich氏はグローバルマクロとイベントドリブン戦略を担当します。

エバーブライト・キャピタル・マネジメントのJohn Shenチーフ・インベストメント・オフィサーは「一部の投資会社はアジアの投資チャンスを確信し、この地域に来たがっている。香港や中国の潜在的な投資家は、投資を分散化しアジアの外に投資先を求めている。アジア地域の投資家は従来の投資スタイルへの依存度が高すぎるとも言える」と述べました。
エバーブライトはAhmed、Weinrich両氏に数百ドルの投資資金を拠出しました。



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2012年7月3日火曜日

ミューチュアルファンドマネージャーのスキルは間違っている?

近年アカデミックな投資論、すなわちファンドマネージャーによるアクティブな運用が、ファンドマネージャーの役割が小さい投資形態(例えばインデックス連動のパッシブ運用、あるいはタンス預金など)よりも優れているかどうかという議論が注目を浴びています。

スタンフォード大学GSBのJonathan Berk 教授と Jules Van Binsbergen教授によるミューチュアルファンド論文で、この議論が扱われています。同論文はミューチュアルファンド業界スタンダードであるCRSP(シカゴ大学証券価格研究センター)データベースを使い、モーニングスターのデータベースと比較することからスタートしました。

同論文は「我々はCRSPで報告されたリターンと、モーニングスターで報告された内容を比較した。いくらか驚いたことに、リターンの比較結果は3.3%異なった」とし、ミューチュアルファンドのファンドマネージャーは、薄い余裕資金によるコントロールされたお金の運用よりも優れていることを発見しました。

平均的なファンドマネージャーは一ヶ月に14万ドル稼ぎます(y2000ドルで)。この平均値のスタンダードエラーは3万ドルで、4.57のt-statisticを示唆します。ファンド界には幅広いバリエーションがあります。トップ1%層のファンドマネージャーの中で最もスキルの低いファンドマネージャーは月に782万ドル稼ぎます。上位10%の中での最低スキルのファンドマネージャーでも平均して75万ドル稼ぎます。

ちょうど中間ののファンドマネージャーは月に平均2万ドルの損失を出し、利益を出せたのはファンドマネージャーの全体のわずか43%にすぎません。要するに、大部分のファンドは資産を崩壊させるのですが、ほとんどの資産はスキルのあるマネージャーに運用されるので、平均的にはアクティブ運用型ミューチュアルファンドは利益を上げています。

平均的な(中間ではない)ミューチュアルファンドのファンドマネージャーのスキルは一年間に2mmドルの価値があり、文中での分析によると、①スキルはいくらか長い期間を必要としており、また「棚からぼた餅」のような幸運を願うよりむしろ現実的です。また②投資家はこのスキルを認知しており、かつ基本的によりスキルの高いマネージャーに資金を注ぎ込みます。

私が良いと感じる点の一つ目は、投資スキルをパーセントではなくドルで測ることです。「投資家は同じパーセンテージのリターンへのskill pointsをより多く得ているスキルの高いマネージャーに資金を注ぎ込むことでスキルを認識する」という自己満足があるという意味での完全なworkではなく、アルファを得るための良い方法なのです。

ピーターの法則、すなわち良いファンドマネージャーは資金を集めすぎてかえってパフォーマンスの妨げになるということを認識したのは、彼らが始めてではありません。しかし私はドルで固定されたスキルを持つことと、そのスキルが社会認知されるように投資家たちに広めていくことという、ファンドマネージャーのメタファーが気に入っています。

私の好きなポイントの二つ目は、ほとんどのファンドマネージャーにとって他人のお金を運用するスキルが測定可能ではないということです。平均数百万ドルを委託するに値すると思うのなら、測定可能なスキルを磨くこと、そして市場が利益を生みそうだということを楽しみに待つかもしれません。




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ギリシア問題は米国の問題か?-ギリシア財政破綻を予測したCTAファンドマネージャー、米国を語る

シカゴのマネージドフューチャーズでCTA(商品顧問業者)Tzanetatos Capital社の創業者George Tzanetatos氏は、債務危機問題への洞察力を兼ね備えた人物です。

Tzanetatos氏は2009年5月、アテネで開催されたGreek Banking Asset Forum でギリシア経済の崩壊を予測し、同時に起こる世界的な不景気をも言い当てました。

Tzanetatos氏はギリシア出身のファンドマネージャーで、現在はシカゴでGlobal Titan CTA Programを運用しています。Global Titan CTA Programは分散型グローバルマクロ戦略マネージドフューチャーズです。Tzanetatos氏は「このギリシアに端を発する問題はギリシア国内だけにとどまらない」と言いました。同氏は“volatility clustering(ボラティリティ・クラスタリング)”という言葉の生みの親として高く評価され、またコンドラチェフの波に関するマクロ経済の長期循環についてのスピーチを行ったことがあります。

Tzanetatos氏は「西側の世界は高い生活水準が長く続き、与えられることに慣れてしまった。ギリシアの労働法では、従業員の解雇はほぼ不可能だ。ギリシアでは社会保障と官僚主義が全土を支配している。自然法というシステムを考えれば変革は必須だ。我々の頭の中には社会的セーフティネットという考えがこびりついている。我々はまるで“友人たち”が寄り付かなくなった没落貴族のようだ」と語りました。

このようにギリシアは異常性を持っていますが、問題の本質は米国のそれとさほど大きくは違いません。Tzanetatos氏は「ギリシアはレバレッジと貨幣制度を米国に学んだのだ」と言います。

ギリシアと米国の顕著な違いは、米国の起業家精神です。Tzanetatos氏「10年後、米国が原油を中東からの輸入に完全に依存しなくなっても不思議ではない。米国には新しいソリューションを生み出しパラダイムシフトを起こすDNAが備わっている。セーフティネットに過度に依存する必要はないのだ」と話しました。




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マネージドフューチャーズ運用者インタビュー-市場環境の変遷と好リターン継続の鍵

Eagle Trading Systems社の Menachem Sternberg氏(エコノミスト、トレーダー)は、グローバルな市場環境を分析し、グローバル金融市場の不安定期において同社の指針となりました。Sternberg氏は自由裁量型トレーダーで、クオンツシステム開発に携わっています。また同氏は自身のスキルと現在の投資戦略に活用しています。Sternberg氏はプリンストン大学で経済学博士号を取得し、Caxton社や Commodities Corp社など優れた運用会社でキャリアを積んだ後、現在はグローバルマクロ戦略を展開しています。我々はSternberg氏と、マーケット、経済政策、2008年の世界金融危機以降“普通化した”新たな市場環境について語りました。

-Sternbergさん、あなたのマネージドフューチャーズ歴は1970年代、Commodities Corp社での経験から始まりますよね。マネージドフューチャーズ業界は当時と比べてどう変わりましたか?また、たった今我々が直面している現在の時代はどのような特徴があると思いますか?

グローバルな市場環境そしてマネージドフューチャーズ業界は複雑に進化しました。またクオンツ戦略は、それが生まれた当時と比べて現在では格段と精巧化しています。まず市場の数や市場参加者数からして違いますし、そして当時の市場参加者の行動と比較して現在のそれは複雑かつ多様です。その理由の一つは、伝統的ポートフォリオを適切に分散化する手段として、機関投資家がクオンツ運用に熱い関心を寄せているからです。

-Sternbergさんは自由裁量トレードのご経験が豊富ですが、運用しているプログラムはシステム運用が大半ですね。どのようにトレーディングに臨み、また自由裁量型やシステム運用といった諸要素をどのようなバランスで取り入れているのですか?

ファンダメンタル、経済情勢、それらに対する市場の反応などを、常にバランスをとっています。自由裁量トレーダーとして頼るべきは自分の専門性です。自由裁量トレーダーは、たとえ本人が望んでも、多市場にわたる大量のデータを分析するなどといった広範な知識と能力は持てません。ですから彼らはより集中・特化する傾向にあります。また大半の自由裁量トレードは、市場のファンダメンタル分析に依拠します。今日では、情報の洪水と、情報が誰にでも手に入るという環境の圧力を受けています。自由裁量トレーダーはそもそも独自のプロセスと分析に基づいています。その結果必然的に、市況が変わっても対応するのは遅くなるのです。

-Sternbergさんのプログラムは10年以上も好リターンを出し続けていますよね。どうして継続的に成功し続けているのですか?

好パフォーマンスを継続させる鍵は、幅広い経験を持つことと、それを日々トレードで活かすすることです。現在の市況が明らかにしているところでは、戦略を練った上で市場に参加するということです。なぜなら、市場は周期的にフォーカスが移り変わる傾向があるからです。ここ数年、我々はリスクオン周期とリスクオフ周期の両方を経験しました。市場はニュースや政治的進展などに即座に反応します。周期的な移り変わりの時期を見極め、適切なタイミングで市場の主流から退き次の道へと向かうことが重要です。




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2012年6月27日水曜日

Portfolio with Purposeで株式投資の腕試し-投資コンテストで慈善活動を支援

Portfolio with Purpose(PwP)が資産運用に自信を持つ投資家たちの注目を集めています。

Portfolio with Purposeは参加者が株式投資の腕試しをしながら、お金を殖やして好きな慈善団体に寄付することができるコンテストです。同コンテストで、近日中に業界のビッグネームたちと競うことができるでしょう。

この株式投資コンテストは2011年、ニューヨークのヘッジファンドコンサルサルタントStacey Asher氏によって創始されました。

Asher氏は先日行われたインタビューで「私はこの7年間投資の世界で働き、ヘッジファンド用の資金を集めてきました。同時に、多くの業界リーダーの素晴らしい慈善事業を目にし、そして同時にどれだけ人々が投資を楽しんでいるかということに関心を持ちました。私は今まで見てきたこれらの世界を1つに合体させたのです」と語りました。

Asher氏は昨年テスト版を発表しました。テスト版開始にあたって、ウェブサイト作成のために家族や友人らに声をかけたそうです。同氏は当初30人程度を勧誘しようとしていましたが、最終的に100人以上もの参加希望者が集まったそうです。

またAsher氏は「昨年開催したのは二部門のみでした。すなわち100ドルで誰でも参加できる初心者部門と、二年以上の業界経験者を対象とするプロフェッショナル部門です」と話しました。次回はマスター部門が追加される予定であり、既にThird Point Capital社の Dan Loeb氏とOmega Advisorsの Leon Cooperman氏がエントリーしています。

今年のコンテストにはプロフェッショナル部門参加者20人(大部分がプロのファンドマネージャー)と、初心者部門80人を集まりました。初心者部門は文字通り初心者を対象としており、株式投資の経験が全くない人でも参加できます。

ルールはどの部門も同じです。まず年度の冒頭に売買する5銘柄を選び(銘柄の条件は時価総額5億ドル以上)、次に支援する慈善団体を指定します。

Asher氏は今後コンテストにトレーディング要素を入れることも検討していますが、今回のコンテストではシンプルなバリュー投資にフォーカスしています。

初心者部門は100ドル(税額控除対象)、プロフェッショナル部門は1,000ドル、マスター部門は1万ドルを出資額として支払います。それぞれの部門の資金はプールされ、一位~三位の参加者に賞が与えられます。それぞれの部門の資金の純利益は、一位獲得者に60%、二位に30%、三位に10%が配分されます。

上位者の名前と支援先慈善団体は PwP Web siteに掲載されます。現在World Vision 、Skills for Southern Sudan、Big Brothers and Big Sisters 、Wounded Warrior Project、などの慈善団体が名を連ねています。

同コンテストは6月28日、ニューヨークで公式パーティーと共にスタートします。このイベントではThe Subscriberによるパフォーマンスも行われます。The Subscriberは金融の専門家たちによる、慈善カバー・バンドです。

このコンテストは世界中の投資家が参加できます。好きな慈善団体に貢献し、また競い合い、楽しみ、投資を経験する最高のチャンスだと、Asher氏はコメントしました。



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インドネシア、コモディティ取引を外国投資家に開放

資源豊かなインドネシアの政府は海外投資家に対し、国のコモディティ取引の最大40%までの購入を許可する予定であることを金曜日、発表しました。これは多くの投資家をひきつける動きの一つです。サーマル・コールと精製スズの世界一の輸出国であり、パーム原油の最大産出国であるインドネシアは世界のコモディティ市場で大きな役割を果たしています。

今回の決定は現在インドネシアで運営している二つの先物取引所(ジャカルタ先物取引所(JFX)とインドネシア・コモディティ&デリバティブ取引所(ICDX))に適用されます。これらの取引所は規模が小さく、ロンドン金属取引所やブルサ・マレーシア・デリバティブ取引所など他のコモディティ取引のハブには及びませんでした。

貿易省コモディティ先物取引規制当局長官のSyahrul R. Sempurnajaya氏は「海外の投資家に対し、インドネシアのコモディティ先物取引への投資を最大で40%まで許可する」と語りました。

インドネシアでは現在のところ民間投資家によって二つの投資がなされています。世界で4番目に人口の多いインドネシアは、投資家に対し国の資源を利用するよう呼び、ますます数が増えている中流階級の消費者にサービスを提供してきました。しかし海外の鉱山労働者から多くの国家収入を得ようとする一連の政策によって今年、投資家を混乱させることになっていました。

また、ICDXとJFXはここ数ヶ月で設立され、幅広いコモディティ契約を取り扱う計画を発表していましたが、十分な流動性を引き付けることが困難でした。

今回の政府の動きによりインドネシアの先物市場に注目が集まるのではと匿名の地元アナリストは語っています。しかし取引所のボリュームが少ないため、活発な投資の実現を不安視する声もあります。同アナリストは「注目が集まるかどうかは別の問題だ。取引のボリュームが低いということを知っておかなければならない」と語りました。



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Index Ventures、新ビジネスに3億5,000万ドル出資

ロンドンのベンチャーキャピタル大手Index Venturesは、6度目のベンチャー投資を発表しました。

Index Venturesは3億5000万ユーロの資金をスタート段階のベンチャー企業に融資します。2002年にIndex Venturesに入社し、ロンドン支社を設立したDanny Rimer氏は「我々はスタート段階の企業にとても積極的だ。今も規模の拡大を求めるベンチャー企業を探している」と言います。

Rimer氏によると、同ベンチャーキャピタルは3分の2を欧州の企業に出資します。彼はユーロヴィジョン・ソング・コンテスト的な見方をしており、「イスラエルも含まれる」と言います。残りの3分の1は主に米国企業に出資します。

同社はロンドン、ストックホルム、ベルリン、テルアビブ、パリはイノベーションの宝庫であり、これらの地域に主に注目しているそうですが、Rimer氏はイノベーションはヨーロッパ中どこからでも生み出される可能性があるとしました。

Rimer氏が特に着目しているのは、①商業、特にファッション市場②クラウドと大量のデータ③モバイルとソーシャルサービス④金融サービスの五部門です。

また同氏はロシアとトルコにも注目しており、両国は現在初期段階にあると言います。同氏は「我々はロシアを中国やインドと同じように捉えている。アメリカの同業他社は中国とインドを拡大の機会と捉えているが、我々はロシアとトルコをそのように見ている」とコメントしました。

Index VenturesのパートナーBernard Dallé氏は逆境にある経済状況にも関わらず、この6回目の資金集めはそれほど困難ではなかったと言います。同氏は「過去12ヶ月において、我々は3回にわたり、およそ10億ドルの資金を集めた。我々のLPのパートナー達の基盤はしっかりしている。これまでのところ、我々の資金集めはすべて募集額オーバーとなっている。今回の資金集めも2、3ヶ月で完了した」と話しました。

しかしRimer氏は「2、3ヶ月で完了することもあれば15年かかることもあるだろう。しかし我々には長期にわたる経験があり、10年にもわたってLPとの関係を構築してきている」と指摘します。

欧州に関してRimer氏は「我々がこれほど欧州に注目しているわけは欧州の企業家たちが他のどの地域の企業家にも匹敵するほどの力量を持っていると考えるからだ。彼らの商品は非常にグローバルである。しかしこういったすばらしい技量を持った企業家は様々な問題に直面している。彼らの技術を会社のビジョンに据えるということは我々の大きな課題だ。ヨーロッパの企業は守りに入る傾向がある。そのため、積極的にリスクをとる我々VC(ベンチャー投資家)が必要なのだ」と語りました。

しかし文化的な問題がいまだヨーロッパの成長を妨げています。Rimer氏は「テスコやPrintempsといった企業から人材を引き抜くのは非常に難しいが、アメリカでは公正さが評価されるのでこれが比較的簡単である。もしうまくいかなかったとしてもさほど大きな問題ではなく、元の職場に戻ってくることもあれば、多国籍企業でより重要なポストにつくこともある。こういった文化はヨーロッパには存在しない」と話しました。



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バーナード・マドフ事件、ヘッジファンド詐欺被害者に4億500万ドル支払いへ

バーナード・マドフの史上最大級の詐欺事件による被害者に、4億500万ドルが支払われることで合意に至ったとニューヨーク州司法長官が発表しました。

ヘッジファンドのファンドマネージャーであるエズラ・マーキン氏の顧客は4億500万ドルを受け取り、ニューヨーク州はEric Schneiderman司法長官との調停にかかった費用を補うために500万ドルを受け取ります。被害者はNew York Law School、Bard College、Harlem Children's Zone、Homes for the Homeless、Metropolitan Council on Jewish Povertyなどです。

Schneiderman氏はこの合意を“正義と説明責任の勝利”と形容しました。同氏は「多くのニューヨーク市民がマーキン氏に資金を委ねており、同氏はその資金をマドフ氏に提供する傍ら、何百万ドルもの管理費と成功報酬を受け取っていた。マーキン氏に責任を課すことによって、この合意は何百万ドルもの資金を失った投資家や機関に正義をもたらすことになる」と述べました。マーキン氏の代理人Andrew J. Levander氏は日曜、コメント要請に対し、すぐには答えませんでした。

マーキン氏は4つのファンド(Ariel Fund Ltd.、Gabriel Capital L.P.、Ascot Fund Ltd.、Ascot Partners L.P.)で何百人もの投資家の資金を管理していました。Schneiderman氏によると被害者の多くがニューヨーク在住の投資家や慈善団体ですが、ほとんどが匿名であることを希望したとのことです。

多くの投資家が損失の40%以上を取り返すことになりますが、上限は500万ドルとなっています。それ以上の損失額に対しては、賠償を求める投資家の数によって追加支払いが認められる可能性があるとのことです。検事当局は数日中に投資家に対して合意条項を発表することになっています。

マーキン氏は社会活動や慈善活動で得た人脈とその資産管理者としての名声を利用し、20年間にわたり投資家から40億ドル以上の資金を集めていました。その中には慈善団体も多く含まれます。Schneiderman氏によると、マーキン氏はマドフ氏による書類および四半期報告書の改ざんを隠蔽しました。

元ナスダック会長のマドフ氏はその名声と手腕を利用し、投資家や規制当局、ウォール街の投資銀行を欺いてきました。マーキン氏はマドフに20億ドル以上の資金を投資しており、マドフ氏は新規投資家からの資金を既存のクライアントへの収益の支払いにあてていたということです。Schneiderman氏は何百万ドルもの資産を失った投資家へのこの合意の影響は計り知れないと述べました。

9月、マンハッタンの判事は、マーキン氏が、多くの投資家がマドフ氏の謳うリターンについて疑問視するのに気付いていたという内容の供述書を原告が読み上げたといっています。

マドフ氏は2008年12月に、数十年にわたりねずみ講に似た詐欺を行っていたこと、そして投資家のために手元に置いてあると説明していた650億ドル以上の資金はおよそ200億ドルの初期投資から数億ドルにまで減少したことを認めています。同氏は詐欺の罪を認め、150年の禁固の刑を受け、現在ノースカロライナ州で服役中です。



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オルタナティブETFでポートフォリオを分散化する

マクロ経済圧力で株式市場全体への信頼度が低下する中、オルタナティブ投資とETFは、以前に比べ少し緩やかになったとは言え、いまだ成長し続けています。

モーニングスターETFアナリストのTimothy Strauts氏によると、オルタナティブへの投資資金流入はすでに減速しました。またJerilyn Klein Bier氏はFA Magazineで、2011年オルタナティブETFへの流入資金は116億ドルでしたがこれは2006年以来最低額だったと述べました。

しかしStrauts氏は「オルタナティブETFの魅力はアウトパフォーマンスではない。低ボラティリティと一貫したリターンだ」と言います。

Strauts氏はロング/ショート株式、マネージド・フューチャーズ、マルチオルタナティブといったいくつかのETFカテゴリーの年間収益目標をおよそ6~8%と見積もっており、一方、ロング/ショートの市場中立型ETFを4~6%と見積もっています。

ETFは手数料が低く、流動性と透明性が高い投資手段です。オルタナティブETFの経費率は一般的に0.51~0.95%ですが、一方ヘッジファンドは通常2%の手数料と20%の成功報酬を取り、ミューチュアル・ファンドでは1.5~2.2%の手数料となっています。ETFの手数料が安いのは多くの場合パッシブ運用であるためです。

Saddle River Capital Management LLCのポートフォリオ管理およびトレーディング部門長Douglas Wolfe氏は「オルタナティブETFの内部を理解するのは比較的簡単だ。ETFには50~150の所有資産があるため、すぐさま分散が可能である」と言います。同氏はオルタナティブ配分の10~20%をコモディティ不動産ETFに割り当てています。

QuantSharesトレーディング部門のRichard Blockエグゼクティブ・シニアヴァイスプレジデントは、オルタナティブETFは幅広い市場への非相関性とポートフォリオのリスク軽減によって、従来の60/40株式・債券ポートフォリオに分散を供給することができるとコメントしました。




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ヘッジファンドのファンドマネージャー、元妻の秘密シューズコレクションをめぐり訴訟

離婚訴訟で夫婦の資産を分割するという話はよく耳にしますが、中古の靴は果たしてその資産となりえるのでしょうか?
今、某裁判で最高級のハイヒールが資産として訴えられています。ニューヨークのSHK Asset Managementの創業者で、ポーカー好きで有名なヘッジファンド・マネージャーのDaniel Shak氏は元妻Beth Shakに対し、彼女が夫に内緒で集めたデザイナー・ハイヒールのコレクションをめぐって訴訟を起こしてるとABCニュースが伝えました。

離婚後3年が経過してからの訴訟(ちなみに元妻のBethもまたワールドシリーズに出場したほどのポーカー・プレーヤー)によると、元妻は元夫と共に暮らしていた家の秘密の部屋にコレクションを隠していたといいます。一方BethはDaniel氏が彼女のマスターバスルームのクローゼットの存在を知っていたと主張しています。

彼女のコレクションには700足のクリスチャン・ルブタンを含む、1200足の靴があり、さらには彼女の“プライベートゾーン”にはルブタンのタトゥーが彫られているとABCは伝えています。

Bethは2011年のドキュメンタリーフィルム"God Save My Shoes"に、ファーギーやケリー・ローランドといったセレブ達と共に出演しています。Daniel氏によると彼女のコレクションは100万ドルの価値があり、そのうちの35%を得る権利があると主張しています。



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スタイル・ドリフト-あなたのヘッジファンドは大丈夫?

“スタイル・ドリフト”とは、ヘッジファンドのファンドマネージャーがあらかじめ投資家に説明した投資戦略を別の戦略に変更することを指します。この言葉はかつてプロのヘッジファンド・アナリストが用い、難解に聞こえたものですが、最近では規制当局や不満を抱く投資家がこの“ドリフト”を問題視するようになってきました。

“ドリフト”について質問されると、マネージャーは決まって、自信満々に“投資ストラテジー”の項目が記載された覚書を取り出し、ファンドは金融界で知られたいかなる証券に投資してもよいということを説明した法律用語の一覧を見せてきました。この説明文によりドリフトへの申し立てを排除することができるといいます。「我々は何に投資をしてもよいことになっているので‘ドリフト’という概念自体に意味がない」というのが従来の考え方ですが、近年の訴訟や広告規制の緩和によって、私たちはただ長々と専門用語を並べた説明を見せられるだけでは納得できなくなってきています。

近年のSEC対Rooney、Solaris  Management訴訟では、ファンドマネージャーがファンド資金を個人の利益のために乱用したとしてSECに訴えられました。これ自体は特に目新しい事件ではありませんが、詐欺行為の根拠が、マネージャーがファンドの投資家への開示なしにストラテジーを変更したという訴えに基づいているという点がこれまでと大きく異なるところです。

改定されたフォームADVともうすぐ実効となるフォームPFによってもたらされる大量のデータの分析にSECが力を入れることで、こういった訴訟がますます多くなってくると考えられます。フォームPFではファンドのストラテジーについてかなり詳細な説明が求められます(株式マーケットニュートラル、株式ロングショートなど)。

SECはリスク、ストラテジー、金融イノベーション部門を新たに設け、さらにその中に数量調査、リスク評価、インタラクティブ・データのオフィスも新設しました。スタイル・ドリフトが今後SECの規制の対象となるのであれば、こういったオフィスがその申し立てを支持するようなデータを提供することでこういった訴訟を推進することになります。

最近の投資家による訴訟もまたスタイル・ドリフトの問題に関するものが多くなってきています。2012年初頭に起こされた集団訴訟 (Schadv Harbinger Capital Partners LLC) ではメインとなる申し立てはファンドが投資家に対して説明した投資戦略からそれて運用していたことに関するものでした。

また、ヘッジファンドのマーケティング用品はより洗練され、広範囲に使われるようになってきており、特にJOBS Act(雇用創出法)の元で実行される予定の広告規制緩和という点から考えると、単に覚書を提示すればいいというものではなく、マーケティング段階で謳われた投資戦略を指摘する訴訟が増えると考えられます。例えば覚書でファンドがいかなるものにも投資できると書かれていた場合でも、募集にあたってファンドが中国にフォーカスした新興成長市場ファンドだと謳っていた場合、マネージャーがファンドのポートフォリオを大きくアイスランドに割り当てれば、スタイル・ドリフトの件で敗訴する可能性が多いにあるということです。

この分野における判例法は徐々に発展しており、今後も注目していく必要があります。また、投資家とマネージャーの双方はこの問題を理解し、互いの相対的地位を注意深く見極めていく必要があるでしょう。



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セガンティ、アジアヘッジファンドをソフトクローズ-6億2千万ドル・8人体制ファンドが募集制限

Segantii Capital(セガンティ・キャピタル)はアジアヘッジファンドをソフトクローズしました。香港に拠点をおく同ファンドはアジア投資にフォーカスしたヘッジファンドでは最高のパフォーマンスを上げており、2012年には、さらなる資産拡大に向け8人以上の運用体制を擁しています。

ロイター社がKurt Ersoy最高経営責任者(CEO)に確認したところでは、セガンティ・キャピタルは過去一年間の好成績で資産を6億2,000万ドルに増大させましたが、現在は新たな投資家の受け入れを断っています。このような投資家の受け入れ制限は投資業界ではソフトクローズと呼ばれます。

アジアを投資対象とするヘッジファンドの中で、運用資産5億ドル以上のファンドはわずか5%です。ヘッジファンド界において比較的小規模セクターのアジア地域では、ソフトクローズが投資会社の資金獲得力の目安と見なされるため、今回のセガンティのソフトクローズも鋭い注目を浴びています。ヘッジファンドは資産が増えすぎてリターンに悪影響を与えるのを防ぐために門戸を閉ざすのです。

セガンティ・ファンドは2007年、元HSBCアジア株式トレーディング部門長Simon Sadler氏によって設立されました。同ファンドの昨年のリターンは41%、また今年は5月末までのリターンが3.1%と、資産が急増し続けています。

Eurekahedge Asian indexでは、同業他社のリターンが 昨年は8.2%のロス、今年は今のところ1.3%のプラスであることが分かります。

セガンティはかつて2009年9月~2010年末にも外部の投資家に対する募集を停止していました。今回のソフトクローズは、セガンティが急増する運用資産に対応しチームを増強 する中で行われたものです。Ersoy氏によると、今年同ファンド運用に加わったのはFactorial Management社元幹部Lewis Fellas 氏をはじめとする8人のメンバーです。

Factorial Managementは、米ヘッジファンドDKR オアシスの Barun Agarwal氏が一月に創業しました。Fellas氏の後任には元バークレイズのIrina Heumezが起用されました。また4月、クレディスイス元幹部Kirtes Bharti氏を資金調達部門長に起用しました。5月には、元バークレイのWei Huang氏がセガンティに入社しました。

その他今年加わったメンバーは、バンクオブアメリカ元幹部Daniel Ho氏、元フロントポイント社 Kisalaya Singh氏、みずほ証券元幹部Maximillian von Etzdorf氏です。他には、元大和キャピタル・マーケッツKong Yu氏、カリバーン・キャピタルパートナーズ元シニアアナリストMartin Goulet氏がセガンティに参画しています。



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2012年6月26日火曜日

ヘッジファンド業界、収益機会を求め“異端”戦略へ関心を寄せる

通常のヘッジファンド投資による損失に飽きた投資家が、“異端派の”オルタナティブ投資に注目しています。

今週モナコで行われたGAIMヘッジファンド会議で、投資家たちは、どこでリターンを得られるかについて気難しく首を振りながら、いわゆる安全地帯-ドイツ国債や米国国債など、株式のボラティリティが過度に高いために過大評価されている資産-に関する数多くの意見が交わされました。

また、ニッチな分野に特化し市場トレンドからの影響が少ないファンドが投資家の関心を引きました。

あるヘッジファンドのファンドマネージャーは同会議で、電力セクターでのアービトラージ戦略や、オプション価格のボラティリティを利用した投資など、高度に複雑な分野に注力することで2桁のリターンを獲得できたと発言しました。

同氏にとって、主流派のオルタナティブ投資、すなわち株式ロングショート、イベントドリブン、ディストレスト投資、クレジット投資、CTA(商品投資顧問)、グローバルマクロといった戦略はリターンが全く魅力的ではありません。

彼はまだあまり人気がない分野へ目を向けており、「投資の世界が飽和状態だということを我々はほぼ分かっている。基本的に私は人混みの中で投資はしたくないのだ」と語りました。

また同会議に出席した某氏は、詐欺スキャンダルのあった中国企業株に対してショートを行い、さらに貸株を行っているファンドにも投資しています。



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CTA規制の今後を考える

店頭市場への規制がCTA業界に一種の試練をもたらしていますが、考慮すべき点は何でしょうか?CTA(商品投資顧問)は通常、先物取引で資産価格、金利、FXなどの分野のトレンドに賭け、収益を狙います。

厳密に言えば、米国におけるCTAとは、CFTC(商品先物取引委員会)に登録された会社および個人を指します。CFTCは先物、オプション、マネージドフューチャーズにおける助言業務を補完する機関です。欧州では、Dexiaのような会社がCTA戦略のUCITS(ユーシッツ)版を開始しました。現在トータルリターン・スワップなど複数の分野でも、対応する手段が必要とされています。

現在CTA界は二つの試練に直面しています。Dexia Asset Managementのシステム運用ファンド部門長Steeve Brument氏によると、まず一つ目は規制で、緩やかな規制と厳しい規制の二種類が存在します。もう一つはトレンド、もっと言えばトレンドの欠如です。

Brument氏はパリのチームに所属しており、40億ユーロの運用資産において、CTAを含む複数のオルタナティブ投資戦略を手がけています。CFTCの規制には、CTA会社および投資家から見て緩やかな規制も含まれていますが、Brument氏は、このような緩やかな規制が対象とする問題は、実際には必ずしも存在しないと言います。むしろコモディティや店頭取引市場の心配の種は、米国の規制環境が農作物や原油の価格トレンドに左右される可能性があることです。米国では、原油価格は政治的に非常に慎重に扱うべき問題です。

しかしBrument氏は、今後30年~40年間スパンでは、コモディティ市場の相場操縦の余地はきわめて小さいと主張します。過去には、コーヒー豆や銀などにおいて、市場の買い占めが起こったかもしれません。しかし、原油のようなケースでは、単純に市場規模が大きすぎるため価格操作ができないと考えられます。そのため、ポジション制限などの規制案が持ち上がるような問題はもはや存在しない可能性もあります。

―流動性を保つCTA―

CTAは他のオルタナティブ投資と同様に金融危機時の立ち回りを批判されていますが、Brument氏は、CTAが一貫して流動性を保っていたと言います。CTA業界にとっては、規制当局によるHFT(high-frequency trading:高頻度取引)など他分野に対する規制の熱心さはかなり厳しいと感じるかもしれません。

しかし、まず指摘しなければならないのは、CTAはアルゴリズムに依存する可能性があるものの、HETに準えるようなマーケットメイカーではないということです。Brument氏によれば、そもそもHFTに従事する人々は、マーケットメイカー的役割を模しているかもしれないが、それほどのコミットメントはないそうです。Brument氏は「大きくコミットするならばマーケットメイカーとして登録するし、一日あたりの発注数制限下で免税を受けるのが最も賢いやり方だ」としています。

CTAにとって最大の敵は市場介入です。Brument氏は「我々は市場心理によって利益を得ている。市場に何らかの思惑があれば価格は上下する。市場は自動調節機能を持っているのだ。にも関わらず政府や中央銀行は市場心理を一変させる力を持っている」と話しています。




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リスクヘッジとしてのマネージドフューチャーズ―世界金融危機の再来から資産を守るには

マネージドフューチャーズは少なくとも2年間は流行の中心ではありませんでしたが、資産フローと投資家の関心が今後強固なリスクヘッジとして知れ渡る兆候を示しています。

モーニングスターのファンド調査部門長Don Phillips氏は「マネージドフュチャーズは昨年はマイナスで、今年も現在のところマイナスだが、資産は流入傾向にある。現在のオルタナティブ投資界で私が注目しているのは、大部分のファンドマネージャーが非相関性資産クラスに目を向けていることだ」と語りました。

水曜日に行われたモーニングスターのパネルディスカッションでは、マネージドフューチャーズのファンドマネージャー3人が出席し、最近のパフォーマンスについてあけすけに語ったのち、ポートフォリオ分散化の手段としてオルタナティブ投資を検討せざるを得ないと明らかにしました。

Guggenheim Investments社のRyan Harder氏は「もし我々が2008年の金融危機で米国株式の25%が75%以上下落したようなシナリオが再来するとしたら、その時に資産を守ることができるようなポートフォリオかどうかを予め確かめる必要がある」と話しました。

AQR Capital Management LLCのBrian Hurst氏によれば、マネージドフューチャーズのようなオルタナティブ資産をポートフォリオに組み入れる際には、その戦略へのコミットメントを前提として慎重に検討する必要があります。

同氏は「もし顧客がオルタナティブ投資に満足できなかったとしたら、オルタナティブ資産の配分比率はゼロとするのが正しいが、もし顧客が満足しているのならば資産配分を5%~10%とすると良いだろう」と語りました。

またHurst氏によれば、10年以上マネージドフューチャーズに投資し続けてきた一部の投資家は30%以上も同資産クラスを組み入れています。

Altegris Advisors LLCのMatt Osborne氏は、オルタナティブ資産を使いこなすには、市場の全サイクルを通して資産配分を調整し向上することが重要としています。

同氏は「マネージドフューチャーズは長期投資の一環として位置づけられるべきだ。とはいえ、投資一般において下落相場は上昇相場よりも良い投資タイミングなので、マネージドフューチャーズが軟調な今の時期に資産配分を増やすというのも面白いかもしれない」と話しました。



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