2012年2月17日金曜日

マネージドフューチャーズは、全ての投資家に向いているか?

オルタナティブ・インベストメント(代替投資)としても知られるマネージドフューチャーズは、すべての個人に適しているわけではない。一般的にマネージドフューチャーズとは、NFANationalFutures Associationまたは全米先物協会)に登録されたCTACommoditiesTrading Advisorまたは商品投資顧問業者)の一人によって取引されている、個人や法人に所有される取引口座である。

マネージドフューチャーズは大きなリスクをともなう。単純にいえば、大きな収益を得るのと同様に、大きな損失をだす可能性もある。これは主に、先物市場と商品市場に存在する2つの要因に因る。大きな収益や損失につながる1つ目の主な要因はボラティリティだ。ボラティリティとは、ある一定期間内に起こる価格変動を測るもの。通貨に関わる先物取引を一般的にForexForeign Exchange)といい、商品は劇的で予想外の価格変動を経験することがある。2つ目の要因は、先物と商品取引に通常付随する、株式や債券と比較して高度なレバレッジである。レバレッジやマージンは、より大きなボリュームの金融商品を、より少ない資金で取り扱い、売買することを可能にする。以下の例を通して、株式や先物取引においてレバレッジがどのように機能するのかを検討する。


  • · 110ドル x 10株=100ドル
  • · 株式購入のレバレッジは3133.33ドルで同株式10株を購入
  • · 同株、1ドル上昇または下落すると→10ドルの収益または損失: 1ドル x 10株=10ドル
  • · 株価の変動は10%10ドル)のみだが、当初の投資資金(33.33ドル)に対する収益・損失率は30%で、これはレバレッジの乗数効果による

米国では、先物取引におけるレバレッジが501まで許容されていることを考慮すると、小さな資金でも投資家の収益率にいかに大きな影響を与えるかが理解できる。これとボラティリティを合わせて考えると、先物取引がいかに大きな収益、あるいは損益をもたらすかがわかる。適当な程度のレバレッジを使い、ボラティリティによるリスクを管理することがCTAの重要な責任の一側面である。

マネージド・フューチャーズは誰にでも向いているわけではない。その投資家の適合性のうえから、また当人がそのプログラムの取引スタイルによる損失のリスクと収益の可能性を理解するのに十分な量の情報が提供さたうえで、判断をするべきである。規定された最小のリスク・キャピタル(資本)を保有していることに加えて、投資家はそのプログラムに対するリターン(収益)の現実的な期待と、起こりうるドローダウンに対する寛容性を持たなければならない。CTAがいかにすぐれた投資技術を持っていたとしても、先物取引においては損失のリスクは必ず存在する。

よくまとめられたCTAデータベースへのアクセスを投資家に提供している企業が数社ある。投資家はこうしたデータベースを利用することで、運用実績を基にCTAのランキングを求めたり、投資顧問別に最高・最低のパフォーマンスを比較したりすることが可能だ。



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