2012年8月31日金曜日

鴻海:シャープへの出資条件見直し交渉は継続中、早期合意目指す

ブルームバーグによれば、台湾・鴻海精密工業とシャープの出資条件見直し交渉は30日午後も継続中で、可能な限り早期の合意を目指している。大阪・堺工場を視察した台湾の経済団体代表団に同行した鴻海グループ幹部の戴正呉氏が、現地で記者団に明らかにした。

工場視察には鴻海の郭台銘・最高経営責任者(CEO)も参加したが、午後4時からの会見には欠席した。郭氏は27日に代表団の一員として来日した際の会見で、30日夜ないしは31日にシャープ側と会談する意向を明らかにしていた。

戴氏によると郭CEOは3月以降、奥田隆司シャープ社長と直接会ってはおらず、今回の来日でも会見前に工場を離れた時点では会談していなかった。

シャープ広報の武浪裕氏も電話取材に対し、30日に奥田社長らと鴻海が行った交渉に、郭氏は参加しなかったと述べた。また、大阪商工会議所の広報担当者、玉川弘子氏によると、郭氏は31日午前に予定していた大商訪問をキャンセルした。

鴻海は3月にシャープとの提携を発表、新株を1株550円で引き受け、グループで9.9%を出資するとしていた。しかし、業績不振に伴うシャープ株価下落を受け条件の見直しを協議中だ。同株の30日終値は227円。

郭氏らが訪れた堺工場はシャープが液晶パネルの最新鋭工場として建設。その運営会社には資本提携に基づき7月に鴻海側が出資。現在の出資比率は、シャープと鴻海側が各37.6%となっている。

将来は「アップルTV」も

工場を訪れた別の鴻海幹部である林忠正氏は記者団に対し、堺工場の設備増強を年末にも決定する意向を示した。同工場の生産能力を現状から7割近く増やし月産12万枚(第10世代ガラス換算)とするには、1000億円の追加投資が必要との試算も示した。

林氏は将来的には、鴻海に携帯電話などの組み立てを委託している米アップルが計画中とされるテレビ向けに、液晶パネルを供給したいとの意向を示した。ただし、アップルが「独自の長期プランを持つ会社」だとも強調し、連絡を密にして鴻海側の現状を伝えたいと語った。


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