2012年7月3日火曜日

ミューチュアルファンドマネージャーのスキルは間違っている?

近年アカデミックな投資論、すなわちファンドマネージャーによるアクティブな運用が、ファンドマネージャーの役割が小さい投資形態(例えばインデックス連動のパッシブ運用、あるいはタンス預金など)よりも優れているかどうかという議論が注目を浴びています。

スタンフォード大学GSBのJonathan Berk 教授と Jules Van Binsbergen教授によるミューチュアルファンド論文で、この議論が扱われています。同論文はミューチュアルファンド業界スタンダードであるCRSP(シカゴ大学証券価格研究センター)データベースを使い、モーニングスターのデータベースと比較することからスタートしました。

同論文は「我々はCRSPで報告されたリターンと、モーニングスターで報告された内容を比較した。いくらか驚いたことに、リターンの比較結果は3.3%異なった」とし、ミューチュアルファンドのファンドマネージャーは、薄い余裕資金によるコントロールされたお金の運用よりも優れていることを発見しました。

平均的なファンドマネージャーは一ヶ月に14万ドル稼ぎます(y2000ドルで)。この平均値のスタンダードエラーは3万ドルで、4.57のt-statisticを示唆します。ファンド界には幅広いバリエーションがあります。トップ1%層のファンドマネージャーの中で最もスキルの低いファンドマネージャーは月に782万ドル稼ぎます。上位10%の中での最低スキルのファンドマネージャーでも平均して75万ドル稼ぎます。

ちょうど中間ののファンドマネージャーは月に平均2万ドルの損失を出し、利益を出せたのはファンドマネージャーの全体のわずか43%にすぎません。要するに、大部分のファンドは資産を崩壊させるのですが、ほとんどの資産はスキルのあるマネージャーに運用されるので、平均的にはアクティブ運用型ミューチュアルファンドは利益を上げています。

平均的な(中間ではない)ミューチュアルファンドのファンドマネージャーのスキルは一年間に2mmドルの価値があり、文中での分析によると、①スキルはいくらか長い期間を必要としており、また「棚からぼた餅」のような幸運を願うよりむしろ現実的です。また②投資家はこのスキルを認知しており、かつ基本的によりスキルの高いマネージャーに資金を注ぎ込みます。

私が良いと感じる点の一つ目は、投資スキルをパーセントではなくドルで測ることです。「投資家は同じパーセンテージのリターンへのskill pointsをより多く得ているスキルの高いマネージャーに資金を注ぎ込むことでスキルを認識する」という自己満足があるという意味での完全なworkではなく、アルファを得るための良い方法なのです。

ピーターの法則、すなわち良いファンドマネージャーは資金を集めすぎてかえってパフォーマンスの妨げになるということを認識したのは、彼らが始めてではありません。しかし私はドルで固定されたスキルを持つことと、そのスキルが社会認知されるように投資家たちに広めていくことという、ファンドマネージャーのメタファーが気に入っています。

私の好きなポイントの二つ目は、ほとんどのファンドマネージャーにとって他人のお金を運用するスキルが測定可能ではないということです。平均数百万ドルを委託するに値すると思うのなら、測定可能なスキルを磨くこと、そして市場が利益を生みそうだということを楽しみに待つかもしれません。




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