2014年4月11日金曜日

アメリカでマネージドフューチャーズ(CTA)に投資:ブローカー(先物取次業者)とは?(その2)

前回につづいて、アメリカの商品先物業界におけるブローカー(Commodity Broker または先物取次業者)についてです。

特に、マネージドフューチャーズ(CTA、商品投資顧問)などの一任勘定口座形式で投資をする場合の、イントロデューシング・ブローカー(Introducing BrokerまたはIB)の役割について考察します。

アメリカでマネージドフューチャーズで資産運用をする場合、主に次の三者が関わり合います。

  • 投資家
  • CTA
  • ブローカー


そして、この三者はお互いに依存しあう関係にあります。

CTAは投資家の資産を使って投資・取引をするので、投資家(の資金)がいなければ、いくら投資戦略やプログラム(システム)があっても宝の持ち腐れです。

また、ブローカーはCTAのオーダーを受けそれを清算するので、ブローカーなしにはCTAは取引ができません。

そして、投資家は、CTAがいなければプロの運用や取引を享受できませんし、またブローカーがいなければ、投資家はCTAとの連携も取れなければ、取引口座を開設することもできません。

さて、この場合ブローカーは、トレード(取引)の意思決定のプロセスから完全に除外されます。

なぜなら、CTAの取引口座は、一任勘定口座というだけに、CTA(商品投資顧問)の一任により運用されます。

つまりCTAに意思決定権があるわけです。そしてその取引戦略は、開示書(ディスクロージャー・ドキュメント、またはDisclosure Document)に前もって明記されているので、その時の気分や状況で取引戦略を変更したりできません。

当然、ブローカーが取引を勧めたり、促したりすることもできません。

成功報酬を主な収入源とするCTAの唯一の目的は、リターンをあげて投資家の資金を増やすことにあります。

CTAは、取引手数料は一切受け取りません。むしろ、取引手数料は運用口座から差し引かれるので、取引手数料が高くなるほど、実績にマイナスにひびきます。

この構造は、投資家にとっては大きな利点であり、投資家びいきの仕組みになっています。

こうした、三者の目的や利害関係の仕組みにより、同じIBでも、自己取引の場合と一任勘定口座での運用の場合では、投資家に対する関わり方が変わってきます。





人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿