アメリカの商品先物業界におけるブローカー(Commodity Broker または先物取次業者)について説明します。
ネット上でも、アメリカのブローカーに関する情報が、日本語だと極度に不足しているようです。
これは残念なことです。
なぜなら、アメリカのマネージドフューチャーズ(CTA、商品投資顧問)に投資するうえで、ブローカーは不可欠な存在であると同時に、ブローカーによって、顧客である個人投資家の投資経験は大きく変わってくるからです。
ブローカーには大きく分けて二種類あります。
マーケットにオーダー(注文)を出したり、それを清算したり成約に導いたりするブローカー・ディーラー(Broker DealerまたはBD)と、そのBDと投資家の取次をするイントロデューシング・ブローカー(Introducing BrokerまたはIB)です。
個人投資家である私たちは、IBと直接のやり取りをします。
IBは、投資家である顧客に、市場分析(マーケット・アナリシス)、取引助言、注文の処理、口座の開設・解約の手続き、その他様々な顧客サービスを行います。
IBの主な収入源は、先物やオプション取引にかかる取引手数料の一部です。
その他、サービス手数料や助言手数料などは通常受け取りませんが、商品によっては、口座開設の初期にのみ、その運用資金の数パーセントの手数料がかかることもあります。
取引手数料が収入源ということは、投資家の運用実績のプラスとマイナスにかかわらず、取引回数(ボリューム)が多ければ多いほど、実入りも大きくなるということになります。
なので、自己売買をしている投資家は、IBが勧めてくるトレードの助言が誠実で正直なものか、それとも手数料目的なのかという点に注意する必要があります。
良いIBというのは、投資家との長期的な関係を重視し、あくまで投資家の資産を増やすことに主眼をおきます。
一方、悪いIBは、とにかく取引と注文の数と量だけを追い求めて、すぐに投資家の口座の残高が減ってしまったり、マージンコールに陥ったりします。
但し、マネージドフューチャーズ(CTA、商品投資顧問)などの一任勘定口座形式で投資をする場合、事情は大きく異なります。
(つづく)
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