2012年3月7日水曜日

ノーショナルでの運用とは?

マネージド・フューチャーズやそのファンドを運用する商品投資顧問業者(CTA)は、最小投資金額というものを設定します。これは文字通り、そのCTAで運用する場合に要求される最小の投資金額のことです。

しかし実際には、最小投資金額以下の金額で投資・運用を受け付けるケースがあり、これを「ノーショナル」での運用といいます。

この「ノーショナル」の概念を、やや強引に日本語訳すると、「想定運用資産」と言えます。

ちなみに、あえて言えば、ノーショナルの逆(対照)となる口座・概念を「ノーミナル」と言うこともできます。ただ、現実世界では、通常のサイズの口座を表現するのに、わざわざノーミナルという用語を使うことはめったにありません。


ノーショナルを一言、二言で説明すると・・・

例えば、最小投資金額が100万ドルのCTAに、50%のノーショナルで参加する場合、50万ドルのみの投資資金で、100万ドル相当の運用を行うことになります。つまり、50万ドルしかない口座を、通常の口座サイズである100万ドルと同じように取引するということです。

また、ノーショナルのパーセンテージ(%)は、必ずしも50%とは限りません。75%や80%の場合もあります。

80%の例としては、レッドリーフ・キャピタル(Redleaf Capital)というCTAが、ミニマム25,000ドルのプログラムを20,000ドルで受け付けていることが挙げられます。


つぎは、ノーショナル口座と、ノーミナル口座の違いを、パフォーマンスの観点から見てみましょう。

プラスのリターン(実績)と、マイナスのリターン、二つの口座にはどの様に違って反映されるのでしょうか?

前述の、50万ドルのノーショナルの例を使いましょう。

まず通常の口座、100万ドルのマネージド・フューチャーズ(CTA)の口座で10%のプラス収益をあげたとしましょう。100万ドルの10%は10万ドルですが、10万ドルは50万ドル(のCTA口座)に対しては20%となるので、このノーショナルで運用している投資家の観点から言えば、実際の額面で言うと20%の利益率になります。まったく同じ理屈で、10%のマイナス(損失)となった場合は、実際には20%のマイナスとなります。

このように、ノーショナルでは、投資金額にレバレッジをかけることになります。つまり、上記の例ですと、100万ドル:50万ドル=2:1のレバレッジ効果を生みます。ということは、言い換えれば、ノーショナルで運用をすると、X%のリターン(±)を出した場合、レバレッジの大きさに比例して、実質のリターン率(±)を拡大する効果があります。

リターンがプラスの場合は当然レバレッジがかけてある分利益も大きくなるわけですが、マイナスの場合も同様に損失が拡大されます。

ノーショナルでの運用は、良いとか悪いとかいう問題ではありません。

投資家当人の投資スタイルや戦略により、適当に活用されるべきです。




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